小さな私の小さな支援
どこか不安げな、青い瞳を震わせる4、5歳くらいの男の子。
薄暗く、重苦しい地下で男の子を抱えながら身を強ばらせる女性。
ウクライナの母子をニュースで見てから、日常のどんな営みも、悩みさえも贅沢か、下らないものでしかないと思っていた。
家族と暖かい部屋で、外の喧騒に怯えることなく何気ないことで笑い合える。
そんな日常を排除された人たちにできることなどなく、テレビの前で心を痛めるのも辛くなっていた。
夕方のニュースが始まるといそいそと晩ご飯の支度に取りかかる。たったそれだけのことが後ろめたかった。
冒頭の母子を見てから間もなくして、Twitterであるチャリティを知った。
プリちゃん、Kateさん、ちかさんが共同で作られたスマホ用待受画面。
購入すると、オンラインストアの手数料を除いた売上500円がウクライナの支援のために寄付される。
プリちゃんの作品はネットで度々拝見している。
例えるなら指輪物語の裂け谷のような、幻想的な輝きをまとった作品の数々。
近隣の蔦屋書店で直にアートブックを見たいが故に、購入をしたことはまだなかった。
今回のチャリティプロジェクトを知り、プリちゃんの行動力の尊さ、Kateさんやちかさんと協力して創った作品を通して心からの平和への願いを感じた。
何もできないと勝手に苦しみ、背を向けかけていた私にも何かできないか。
相も変わらずちっぽけなことで悩みながら夕食を作り終え、食後にプリちゃんのnote記事を読んだ。
数分後、ブックマークしておいた待受画面のストアページを開き、購入の手続きをした。
ロック画面でなくホーム画面にしたのは、より目に入れる時間が長いから。
首都キエフにある大聖堂の写真を眺めるたびに、心の中でささやかに祈りたい。
できるだけ早く、無益な争いが終わり、戦火の中にある人たちがまた穏やかに暮らせるように。
あの男の子とお母さんが、元の家に帰って何も気にせず暮らせるように。
私の好きな、YOASOBIの曲「ツバメ」にこんな一節がある。
人は本当に心を動かされた時、行動する。
既に色んな方が賛同し、寄付を行っている。
それは誰もが、1枚の作品に確かな輝きを見出しているからだ。
小さな私の小さな支援でも、購入し、広めることで、少しでも一助になれたらと心から願う。
※ヘッダー画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。ありがとうございます。
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