映画レビュー(64)「ゴールデンカムイ」
上映中の「ゴールデンカムイ」実写版、観てきた。その感想を。
キャラクターの再現度に目を見張る
何より驚くのがキャラの再現度。外見だけではない。魅力的な悪役(ヴィラン)たちの外連味あふれる印象までリアルに再現している。これには感心した。作中の土方の言葉を借りれば、みな「いい面構えをしていた」のである。特に玉木宏と舘ひろし。
手を抜いてない感
漫画の実写化に限らず邦画につきものだったのが、どこか手を抜いた感のある「ちゃちさ」である。それが今作にはないのだ。
無理のあるアクションによる苦笑いとか、着ぐるみ感丸出しの熊とか、大げさなキャラづくりに対する苦笑いとか、そういった興ざめ要素は皆無である。
ネット上には真新しい軍服がリアルじゃないという声も見えたが、着古した軍服だと軍服キャラが氾濫する画面で見分けつかないし、そんな細かなことで興ざめするような作品ではなかった。
アシリパさんを子役で再現していたら興ざめ要素になっていたかもしれない。だからこのキャスティングは英断だと思う。同時にアイヌの描写にバイアスがかかっていないところも好感を持った。
まだエピソード1だ!
ようやくすべてのキャラが出そろったところでエンディング。続編への期待、膨らむばかりだ。70年代80年代の邦画を記憶している私にとって、現在の邦画エンターテイメント、本当にスマートになったものだ。
それを最初に感じたのは原田真人「ガンヘッド」、その後「リターナー」(山崎貴)、「K21怪人二十面相伝」(佐藤嗣麻子)など泥臭さと無縁の邦画が次々と生まれてきた。
この「ゴールデンカムイ」も続編が楽しみだ。
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