映画レビュー(34)「ハロウィンキラー!」

アマゾン・プライム・オリジナル作品。

「本歌取り」の王道

 作品紹介は以下のような文。
 悪名高い“スイート16キラー”の最初の殺人から35年後に再び事件が起こる。17歳のジェイミー(キーナン・シプカ)は偶然1987年にタイムトラベル。殺人事件が始まる前に犯人を捕まえようとする。
 
これヒロインを男に変えたら、「バック・トウ・ザ・フューチャー」やんけ。ということで、作品の中でも主人公が自分の状況を説明するときに「あの、”バック・トウ・ザ・フューチャー”なんだけど観てない?」というセリフが出てくるくらいオマージュされてます。ちなみに1987年は同作の公開年。
 同時に、覆面のサイコパス殺人者てことで、それらの作品群(例の「ハロウィン」とか)にもオマージュしてます。

実の母も犠牲になる?

 ということで、当時16歳の母を救おうと奮闘するヒロイン。ところがその将来母になる少女が、校内ではチアガールのリーダーでフットボール部のエースと付き合っているという、ホラー映画ではおなじみの必ず殺される「嫌なキャラ」の典型だというのが笑えます。しかもかなりなおバカキャラ。このあたりも、ダメな父親を救おうとする「バック~」を思わせる展開。

堂々たるB級

 映画も大人になったんだろうなあ。パロディ、本歌取り、といえども実に練られた設定とシナリオに、創作者として爆笑しつつも大いに学ばせていただきました。B級ホラー作品群をオマージュしつつも作品は決してB級ではない。ラストのどんでん返しもうまくやられた。
 こんな作品をもっと見たいものだ。プライム・オリジナル侮れん。
「ハロウィン・キラー!」


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