1700字シアター(5)名古屋高速
(2021/02/10 ステキブンゲイ掲載)
日が沈んでようやく風が涼しくなってきた。アスファルトの余熱も先ほどの夕立で冷めている。これで気持ちよく一日の仕事を終えられそうだと思ってる矢先に、首から下げた業務端末が鳴った。乗っているバイクを路肩に寄せると端末を見た。
モニターに表示された配送指令に俺は心の中で軽く舌打ちをした。
「仲田プラン~東海新聞広告局整理部」となっている。
瑞穂区から中区までの短距離で一件完了という割のいい仕事ではあったが、個人的には問題があった。