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欧米、教師不足が深刻化 コロナで離職


引用:日経新聞↓


欧米の学校で現在、教師不足が深刻な問題となっています。この状況の一因は新型コロナウイルスによる影響です。パンデミックの間に多くの教師が職を離れ、別の職に就くなどし、再雇用が困難となっています。さらに、歴史的な高インフレも影響しており、より高給の職への流れが加速しています。

具体的には、2020年2月から2022年5月までの間に、少なくとも30万人の公立学校職員が退職したと米メディアは報じています。これにより、生徒一人あたりの教師の数が減少し、教員の負担は増大しています。これに対する不満が高まり、教師のストライキも各地で相次いでいます。

同時に、コロナ禍は生徒の学習環境も大きく変えました。多くの学校がオンライン授業に切り替え、実際に対面で授業を受けている生徒は全体の約4割にとどまったというデータもあります。

このような教員不足や学習環境の変化が、生徒の学力にネガティブな影響を与えている懸念があります。全米教育統計センター(NCES)の調査では、2019年から2022年にかけて小学4年生と中学2年生の数学と読解力の成績が大幅に低下しています。特に数学の成績は過去最大の下落を見せており、コロナの影響が生徒の学習に大きな打撃を与えたことを示しています。

欧州でも教師不足が問題となっています。特にインフレ率の高まりが影響しており、英国の消費者物価指数が41年ぶりの高水準に達するなど経済的な厳しさが増しています。その結果、教師たちはストを決断し、教育現場での人材不足が深刻化しています。

教育水準局のアマンダ・スピールマン首席監査官は「教育格差はパンデミック前よりも広がっており、完全な復興からはほど遠い」と述べています。人材不足に対応するために、一部の学校では教師代理店に依存するケースも増えており、その結果、教師と生徒との長期的な関係性の構築が難しくなるという問題も生じています。

このような中で、スピールマン氏は「我々には若い世代にできる限りの安心と確実性を与える義務がある。優秀な人材を採用して維持することが教育者や社会福祉事業者にとって必要不可欠である」と指摘しています。つまり、この問題を解決するためには、教育者の採用と維持、そして教育の質を維持するための戦略が必要であると言えるでしょう。

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