note_海外ビジネスキャリア戦略

海外×医療のビジネスキャリア戦略

こんにちは!
メプラジャパンCEOの佐藤創(さとうはじめ)です。

仕事柄、転職・就職相談を受けることが良くあります。

最近多いのは、医療資格を持っていないビジネス側の方が海外の医療分野に関わりたいというご相談。医療業界の方も、そうではない方からもご相談があります。

そこで今日は、海外(特にアジア中心)で医療・ヘルスケア分野の仕事に、ビジネスサイドからチャレンジするためのキャリア戦略についてお伝えします。(医療現場や国際機関などのキャリアは含まないため「ビジネスキャリア」としています。)

キャリアということで、こんな方々に役立つ情報だと思います!

・日本国内の医療業界経験者で、海外でのキャリアに興味がある
・海外での就業経験があり、医療業界未経験だが興味がある
・海外の医療現場で資格者として就業経験があり、ビジネスにも興味がある

必要な 3つのスキルセット

活躍するために必要なスキルセットは、次の 3つです。

(1) ビジネススキル
(2) 医療専門スキル
(3) グローバルスキル

海外の医療業界で活躍するには、この 3つをすべて保有していることが求められます。

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でも、最初からこれをすべて持っている人は中々いません。少なくともこのうち 2つを持っておくことが望ましく、転職先で残りの1つを習得する形になります。(中には(1)が突出していることで(2)(3)を補う人もいます。)

それぞれのスキルには次のようなものがあります。

ビジネススキル
・現地責任者レベル:マネジメント、事業開発、など
・スタッフレベル:営業、マーケティング、広報、会計、人事など全般的に
医療専門スキル(資格・経験・ノウハウ等)
・医療資格者として:医師、看護師、薬剤師、など
・医療関連企業:メーカー、製薬企業、専門商社・卸、など
・医療機関の事務方
・政府機関、国際機関
グローバルスキル
・言語(英語、ローカル言語)
・異文化理解力、ダイバーシティ
・コミュニケーション能力、リーダーシップ など

企業の分類

転職・就職する企業をおおまかに分類すると、次のようなポイントで分類できます。

・資本:日系・外資系・ローカル系
・企業種別:大手企業・中小企業・スタートアップ・医療機関・公共機関
・雇用形態:日本採用(出張ベース)、日本採用(駐在員)、現地採用、インターン、他
・業界・業種・資格

給与・待遇を求める場合は、これらの組合せでかなり差が出ます。日系大手企業の駐在員と、ローカル系企業の現地採用では、給与・待遇あわせると 3〜10倍ほど差が出る場合もあります。

また、医療資格者の場合、資格を用いて臨床に入ることは国によって規制が大きく、外国人が治療に携われない国も多いです。その場合は、例えば現地医療者のアドバイザーや教育担当になったり、有資格者としての専門知識を活かして企業勤務したりすることは可能です。

現職別:キャリア戦略実例集

ここでは、様々なキャリア戦略/キャリアパターンの実例をご紹介していきます。20代後半から30代後半が多いイメージです。

なお、前述した 3つのスキルセット (1) ビジネススキル (2) 医療業界知識・スキル (3) グローバルスキル の状況ごとに分類してご紹介します。

▷医療業界でのビジネス経験はあるが、初めての海外駐在・転職

スキル(1)(2) を保有 → 海外で(3)を習得
※ 医療業界未経験から医療業界を経由した方(2を習得した方)もここに含む。

日本:医療卸(営業)⇒海外:日系クリニック(事務方)⇒ 海外:起業(クリニック等) ⇒海外:日系医療IT メガベンチャー海外駐在(現地代表)
日本:医療機器メーカー(営業)⇒異動により海外駐在(海外営業)⇒日本:ヘルステック・スタートアップ(国内営業責任者→海外営業)
日本:医療ITメガベンチャー(マーケ)⇒異動により海外駐在(海外子会社・マーケ)⇒日本:ヘルステック・スタートアップ(国内マーケ責任者→役員+海外事業責任者)
日本:医薬業界コンサルタント⇒日本:総合商社(医療関連事業開発⇒海外出張ベース⇒海外駐在)

▷医療資格者として国内でビジネス経験を積み、海外駐在

スキル(2) を活かして国内で(1)を習得、その後海外で(3)を習得

日本:薬剤師(病院)⇒日本:製薬企業 ⇒日本:総合商社⇒異動により海外:総合商社(医療関連事業部)
日本:医師(病院)⇒日本:コンサルティング会社(医薬業界) ⇒海外:コンサルティング会社(医薬業界)

▷医療資格者として海外の医療現場に携わり、企業へ転職

スキル(2) を活かして海外で(3)を習得、その後同国の企業転職で(1)習得

日本:看護師(病院)⇒海外:日系クリニック勤務⇒海外:日系大手医療関連サービス企業(現地コーディネータ)
日本:理学療法士(病院)⇒ 海外:医療NGOボランティア ⇒海外:起業

▷海外ボランティアから医療業界を経験し、さらに海外(他国)でキャリアアップ

スキル(3) をベースに、(1)(2)を習得

海外:JICA 青年海外協力隊 ⇒ 海外:日系ヘルステック・スタートアップ駐在員(新卒→現地代表) ⇒ 海外:ローカル系ヘルステック・スタートアップ(新規事業責任者)

▷医療業界未経験だが、海外勤務経験を活かして医療業界へ

スキル(1)(3)を保有しており、海外転職で(2)も習得

日本:人材紹介会社(キャリアコンサルタント)⇒ 海外:食品卸会社(営業)⇒海外:日系大手医療機器メーカー現地採用(営業)
日本:専門商社(営業)⇒ 異動により海外駐在⇒海外:ローカル商社 現地採用(営業)⇒ 海外:日系ヘルステック・スタートアップ(現地責任者)

▷医療業界未経験だが、海外で医療業界経験+海外駐在・転職を同時に経験

スキル(1)が突出しており(2)(3)をカバーし、のちに(2)(3)も習得

日本:IT企業(マーケ)⇒ 海外:日系医療ITメガベンチャー海外駐在(現地代表) ⇒ 日本+海外:日系ヘルステック・スタートアップ(海外事業部長)
日本:ITスタートアップ(取締役)⇒海外:ローカル系スタートアップ現地採用(事業責任者)⇒海外:日系ベンチャーキャピタリスト

ここでご紹介しているのはごく一部のケースです。ご自身の現職に近いタイプの方を参考にしていただければと思います!


海外×医療のビジネス経験後、ネクストキャリア

近年、海外展開を志向する医療関連企業が増えてきました。それに伴い、「海外勤務経験のある人材で、かつ医療業界・医療現場まで実態がわかる人」へのニーズは高まっていますが、該当する人材は少ない状況です。

そのため、さらなるキャリアアップのための「ハブキャリア」として海外×医療のビジネス経験が生きてくると思います。

上記の実例でもいくつかご紹介していますが、海外経験後に

・日本に帰国して海外展開事業責任者になった
・海外で転職して急成長スタートアップの幹部になった
・海外で起業した

といったケースが少しずつ出てきています。このような方々がもっともっと増えることで、日本の医療を輸出できるような企業や、Born Global で最初から海外の医療マーケットにチャレンジする企業が増えていけばなと思います。(もちろん自分も含めて!)


今日はここまで!
それではまた次回!!

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