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プランツ・プラネッツ【プレイバック!はじまりの美術館13】

現在、臨時休館中のはじまりの美術館。これを機に、はじまりの美術館のこれまでの展覧会をみなさんと一緒に振り返ってみたいと思います。

はじめて展覧会を見る方も、実際に展覧会を鑑賞された方も、写真やスタッフの四方山話を通して、改めて作品や作者に出会っていただければと思います。当時の裏話?や関わったスタッフの想いなども改めて振り返ってみました。残念ながら今は展覧会を開催できない時期ですが、この6年間の展覧会を改めて見つめ直して、この先の企画を作っていく足場を固める期間にしたいと思っています。


スタッフ紹介

プレイバックはじまりの美術館

プランツ・プラネッツ

会期:2017年7月29日 - 2017年10月22日
出展作家:浅野春香、今村文、片桐 功敦+ I am flower project、蒲生卓也、鈴木祥太、宮原克人、吉田あさぎ
主催:社会福祉法人安積愛育園 はじまりの美術館
https://hajimari-ac.com/enjoy/exhibition/plantsplanets/

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大政:今回のプレイバックは展覧会としては12回目のプランツ・プラネッツについて振り返ります。こちらは植物をテーマにした展覧会で企画担当は岡部さんでした。

岡部:はい。これも実は企画ラッシュをやってたときにあげてたテーマの一つでした。今までプレイバックを読んでいただいた方はお気づきかもしれないですけども、主に動物だったり、妖怪だったりとかテーマはあるけれど、その裏にいろんなことを含めて企画を作っています。今回は植物というテーマで、普段はなかなかちょっと気恥ずかしくて話題にしないようなことかもしれないですが、「命」や「本当の幸せ」、つまり、自分たちが生きている基礎の部分っていうんですかね、そういうところを改めて振り返る機会になるといいかなというふうに思った企画でした。

小林:このプランツ・プラネッツっていうタイトルも含めて、ラッシュのときのアイディアで残ってましたよね。植物をテーマにしながらも、プラネッツというところに繋がっていくのが岡部さんらしいなと思ったんです。その当時から今の趣旨にあるようなことは考えてたんですか。

岡部:そうですね。ちょうど今の季節、初夏から夏の盛りに向かう時期、冬枯れから芽吹いた木々がいっせいに生い茂っていて、ワーッと緑が爆発していくような様子ですね。自然豊かな猪苗代で仕事しているとすごく感じるんですけども、これがなんか地球全体を覆ってるっていうか、植物が地球を覆っているんだなっていうのを体感したことがきっかけで、「植物」と「惑星」っていうのが頭に浮かんでいました。

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大政:タイトルもかわいいですよね。はじまりの美術館の企画展タイトルって、結構、繰り返すパターンが多いですよね。

小林:語呂合わせが好きですね(笑)さっきの岡部さんの話で真っ先に思ったのは、出展作家の吉田あさぎさんの作品は本当にプランツ・プラネッツを感じる作品でしたね。吉田さんがその作品を作ったきっかけも、何か岡部さんがおっしゃった植物の勢いとかを踏まえつつ、空き家問題なんかにも繋がってましたよね。

大政:吉田さんは不動産屋に勤めていた時期があって、その頃は空き家問題に関心があったそうです。人が住まなくなって植物にのみ込まれた家を見て、今回の作品の着想を得たっていうふうにお話されていました。今回出展いただいたのは、なんて言えばいいのかわからないのですが、≪家の行先 人の行先≫というテキスタイルの作品のようで、インスタレーションの作品でした。来場された方も、壁を覆う植物と同じ模様の服を着て、空間と一体的になれる、という意味では体験型の作品とも言えます。

岡部:そうですね。一体になれるっていうところでは、この企画の趣旨文にも書いてますけど、自分がこの星のかけらだっていう認識っていうか、そういう捉えがあると、物事の考え方が変わってくるんじゃないかなっていう。きっかけというか、そういうことも体感できる、素敵な作品でしたね。

小林:あの展示室は本当にいろんな作家によって空間が変わっていて、すごくいい場所だなと個人的に思ってるんですけど。このときも本当に空間全体が覆われて、ソファーもあって、なんか本当の家のような感じでくつろがれる方もいれば、そこから他の展示室を覗き込んでいたりとか、何かそんな印象が記憶にあります。

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小林:それでつながると思ったのが、この展覧会のあと資生堂ギャラリーで、まさに部屋のようなインスタレーションをされた今村文さん。このときは草花をモチーフに水彩とコラージュを使った絵画作品とエンコスティックという蜜蝋を使った技法の作品でしたね。ある意味儚さみたいなものも感じながら、生命力も感じる作品で、作品を購入したいなって個人的に思っている作家さんですね。今村さんはどこで出会われたんでしたっけ。

岡部:今村さんの作品は、あいちトリエンナーレで紹介されているのをウェブで拝見したんですけど、作品の雰囲気というか佇まいがすごく心に届くものがあったんです。小さい作品は古い植物図鑑のような感じで何か押し花のようにも見えたり、それが何か人のようにも見えてきたり。本当にいろんなことを想像させる作品で一目惚れしてしまって、ぜひはじまりの美術館で展示いただきたいと思ってお声掛けしましたね。

大政:私も今村さんの作品は大好きです。なにか、見たことない表現手法だけど、でも懐かしさというか、何だろう。ノスタルジックっていうか、一度見たら忘れない作風ですよね。今回は植物の茎の感じが、人の血管だったり、神経の繊維だったり、花が臓器に見えたりとか、いろんなふうに見ることができる作品を展示いただきました。

小林:後から知ったんですけど、オハラ☆ブレイクに出展いただいた飯野哲心さんと金沢美術工芸大学のときにご一緒で、お知り合いだったことも分かって、なんかすごくご縁を感じる方でしたね。

岡部:作品を借りに伺ったアトリエも印象的でしたね。趣きのある木造の一軒家で、作品が生まれる雰囲気っていうのがとても感じられましたね。また、今村さんがご自身のホームページのステートメントで書かれていたテキストが、今回の展覧会趣旨とすごく重なる部分があったんです。もうこれは出展いただかなくてはと決心したきっかけだったんですけど、借用に伺うときにはそのステートメントがまっさらになってて(汗)なぜ消してしまわれたか今村さんに伺うと、いつもステートメントを書き換えられているっていうことで、そのときの私がこのページを開いたのもなにかご縁があったんだろうなというふうに感じた作家さんでした。

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小林:もう一つ私が当時欲しいと思った作品が鈴木祥太さんの作品です。鈴木さんは金属造形作家として活動されていて、彫金の作品を出展いただきました。もう本当にその辺りに咲いている花を摘んできたようなリアルさの作品でした。残念ながらこの時はお借りできなかったですが、タンポポの綿毛まで再現するような作品もありました。でも、どの作品もまさに野花のような力強さを感じる作品でしたね。

岡部:この時期、実際に美術館の前庭に生えている、《ヒメジョオン》だったり、《ハコベ》だったりという野の草花も選んでいただきましたね。

大政:超絶技巧展とかでもご紹介されている方で、近くで見ていただきたいと思って、展示台にアクリルカバーを付けずに展示したんですけども。はじまりの美術館のこの一つ前の展覧会が全て触れる作品の展覧会だったっていうことで、触ってしまう方がいるんじゃないかとドキドキしながら展示した記憶があります。

小林:そうですよね。なんか本当に触ってみたくなるぐらいのリアルさがありましたね。ご本人は東北芸工大出身で、いま現在は京都にいらっしゃいますが、当時は作家活動と並行して老舗の金属工芸店でも仕事をしてらっしゃって、公私ともにその技術を生かされてましたね。大学卒業後は、会津若松でも数年お仕事されていたこともあり、当時の同僚の方が何人も見にきてくれました。

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岡部:そうでしたね。触りたくなる作品ということでは、筑波大学准教授でもある宮原克人さんの作品も触りたくなってしまうものがありましたね。

大政:宮原先生は漆を専門にされていて、震災前まで会津若松で行われていた「漆の芸術祭」でも出展されていたことがあったりして、いつかお声がけできたらいいなと思ってました。今回の展覧会では、漆の作品だけではなく、写真の作品だったり、木の年輪だったり、螺鈿(らでん)を使った作品だったりと、様々なアプローチの作品を展示いただきました。

岡部:水たまりに映った木漏れ日の写真は、とても印象的でしたね。これは学校の駐車場の水たまりって言ってましたが、水たまりとは思えない引き込まれるような作品でした。

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小林:あとはやっぱり学生さんたちも一緒になって参加してくれたのが嬉しかったですね。秘密基地ワークショップと、宮原先生たちはホウキのプロジェクトもやってるので、「ほうきを作ろう」というワークショップをやりましたね。ちょうど猪苗代でもほうき作りを始めようと取り組んでる方がいて、その方との出会いなんかもありました。

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大政:夏の展覧会っていうことでお子さんも多く参加してくれることを見込んでの秘密基地ワークショップ、人気でしたね。

小林:あれ、秘密基地っていながら、もう美術館きたらすぐ見えるところにあるので、全然秘密じゃなかったですけどね(笑)。

大政:筑波大学の学生さんを中心に、来館者だけでも秘密基地づくりを楽しめる工夫をいろいろ考えてくださって、ありがたかったですね。

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岡部:宮原さんと同室で展示してたのが浅野春香さんですね。浅野さんは、小林さんも実行委員を務める公募展、Art to You!で出会った方でしたね。

小林:そうですね。浅野さんは、2016年の第2回Art to You!で大賞を受賞した方でした。そのあと開かれた個展なんかも拝見していたので、やっぱりいつかご紹介したいなと思っていた方です。作品には植物が登場することも多く、ちょうどその大賞を取った作品も《ジャガモー》というジャガイモをモチーフにした作品だったんです。浅野さんは統合失調症を発症し、自分の話を聞いてもらえない孤独感を感じていたときに絵を描き始めたそうです。晴れやかな気持ちと、落ち込んだときの気持ちとが1枚の絵の中に共存するような作品も多くて、そんな彼女の心境の変化なんかも一緒に感じれる作品でした。

大政:水彩の作品もあったんですけど、今回展示した作品はペン画が多かったですね。日々、作品に向き合いながら少しずつ描かれたんだろうなということが伝わる作品群でした。平面作品以外にも、《象が見た夢》という絵本のような作品も、手にとって見れる形で展示させていただきました。

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岡部:そうでしたね。そして、いつか出展いただきたいと思っていて、この時叶ったという方では、いわき在住の蒲生卓也さんもその1人ですね。

大政:蒲生さんは、unico fileで紹介した伊藤峰尾さんと共に、2010年にパリで開催されたアール・ブリュット ジャポネ展に出展した福島県を代表する作家の1人ですね。アクリル絵の具やペンで毎日少しずつ緻密に描かれた作品が特徴的で、アーカイブサイト「はじまりアーカイブfukushima file」でもご紹介させていただいております。

小林:これまで美術館の企画展にはお誘いできなかったですけれど、外部で我々が企画した展示なんかではご参加いただいていたので、何かようやくっていう形で実現できましたね。蒲生さんは会津ともゆかりがあるんですが、西会津にお住いのご親戚の方も見に来ていただいたことを思い出しました。

大政:西会津の蒲生館というオルタナティブスペースも、まさに蒲生さんにゆかりのある場所でしたね。

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小林:西会津といえば、森のはこ舟アートプロジェクトからスタートした、片桐功敦さんの《I am flower project》も、いつかどこかでやりたいなんて想いから今回ご出展いただきましたね。

大政:そうですね。展示室の中では、これまで開催されたI am flower projectで撮影された写真と、会場に合わせて滞在制作で新作を展示していただきましたね。

岡部:《草翁》というタイトルでしたが、実際に美術館に来られた片桐さんからのご提案で、何か特別な草花を飾るのではなくて、この美術館の周囲に生えていた野の草花を飾りたいと。刈り取ってきた草花を、一番奥の展示室の壁からにゅーっと出てくるようにしつらえられた作品でしたね。磐梯山の方向から翁がでてきてますが、そういう山のエネルギーだったりとか、自然のエネルギーがこの美術館の中に顔をのぞかせているような、そして美術館自体も木造ということで、建物の木の精がここの部屋に顔を出しているような、そういうイメージがあると片桐さんがおっしゃっていました。

小林:片桐さんは、震災後「はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト」では南相馬に滞在されています。本当にその津波の被害があった場所で花を生けてきた方でもあって、福島だったりとか原発事故っていうことに関しても向き合ってきた方です。当初はフレコンバックに花を生けるような作品の構想もあったみたいですけれども、やっぱり実際に猪苗代のこの美術館に来て、多分距離的なことも感じられたと思うんですけれども、その作品はそぐわないんじゃないかっていうことで、この草翁の構想になっていきましたね。

大政:片桐さんは関西在住ですけど、震災以降、植物っていうものが放射能で汚染されたりとか、特別な意味を持ち始めた側面もあって、そういうあたりもくみ取っていただいてるというか。何か植物のテーマでも、やっぱりそういう部分も少し意識して企画したり出展をお願いした部分もありましたね。

小林:この美術館では、すでにほくほく東北展で展示室に生の植物を展示しているので、この片桐さんのときにもなんていうかすでに前例があったというか。刈ったばかりの草を作品に使って、乾いて朽ちていくことも含めて見てもらいたいという片桐さんの想いも実現できましたね。
その草翁の仮面を作った二階堂明弘さんは国内外で活躍されている有名な陶芸家の方で、片桐さんがこの作品のために二階堂さんに野焼きでその仮面を作ってもらったっていうのも印象深いエピソードです。

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岡部:そして実際にこの場所で開催したI am flower projectも、好評でしたね。

小林:このとき使用したお花は町内の方にもご協力いただきました。片桐さんと一緒にその方のご自宅に行って「そこにある花はどれでも持ってきな!」みたいな感じで言っていただいたりして、町内を巡りながら材料集めをしましたね。

大政:やっぱりその土地で採れる花を主にしていって、その土地の植物と一体化するというか、自分もその一部になるプロジェクトでしたね。植物をまとった後は皆さんポートレートを撮影いただきましたが、なんだか生き生きしてました。

岡部:植物を身にまとってはなやかな気持ちっていうのもあるかもしれないですけど、それとはまた別に、何かアフリカの先住民族のような表情というか、凛々しさが出てくるような。その土地と繋がるっていうか、何かそういう気配を身にまとうような感覚もありましたね。

大政:館長はどこかの民族の村長みたいになってましたね。

小林:そうですね。たしか片桐さんご本人が岡部さんに草花をまとわせてましたけど、なんかもっと荒々しくというか、野性的な感じなんだっていうふうにおっしゃってましたね。そういう土着的な部分があることが、西会津の大山祇神社でやってる「草木をまとって山の神様」とかが定着していく理由なのかななんてことも思いますね。

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大政:あと片桐さんから、ここでパフォーマンスをしたら絶対にいいと思うとご提案いただいて、夜にもう一つイベントをしましたね。星にまつわるイベントでした。

小林:初めて展示室の中でパフォーマンス「わたしのなかの星屑」というイベントを開催しましたよね。私は裏方だったので、ちゃんと見れてないんですけど、事前にお伺いした舞台の構想はこの企画展と親和性がありすぎて驚いた記憶があります。

大政:そうですよね、展覧会の趣旨や流れととても合っていました。振付と出演は李美喜さんにしていただきました。一番奥の展示室で実施したんですけども、美喜さんは最初建物の外から表現がスタートして、それがだんだん展示室の中に入って来て。隕石から芽生えた命を体現するようなパフォーマンスでした。

小林:思い出しました。あのストーリーの構想は、福島市の浄土平に天文台があるんですけれども、そこの管理人の方のお話からインスピレーションを受けて作ったっていうような舞台でしたね。

大政:演出で、生のバラでカサカサとした音を最後に出したいっていうことで、バラを探し回って、最終的にほくほく東北でもご出展いただいた史緒さんに手配していただきました。

小林:あんな贅沢なバラの使い方を初めて見たって、誰かが言ってた気がします。でもその散らばったバラの花びらは、来場の皆さんに持ち帰っていただきましたが、みんな赤い花びらを集めて嬉しそうに持ち帰ってましたね。みんなあの後どうしたんでしょうね。

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小林:実はこの展覧会の1年前ぐらいに片桐さんがふらっと美術館にいらっしゃたんです。片桐さんのことは存じ上げていたのですが、お会いするのは初めてでした。ご挨拶もかねて美術館のこれまでの記録集をお渡ししたら、片桐さんがたまたま持ってたご自身の写真集をくださって。何かそっから繋がった感じですね。

岡部:今回何かとご縁の深かった西会津の皆さんですけども、展覧会評を寄稿していただいた矢部佳宏さんも西会津国際芸術村のディレクターをされています。

小林:矢部さんは、森のはこ舟アートプロジェクトでの実践も含めて、かなりこの植物っていうことをテーマにされて、いろんな企画を西会津でもやってらっしゃったので、この企画展にご寄稿いただけたのは良かったですね。

岡部:そうですね。西会津という山間地域で、まさに周囲が植物で囲まれた場所で取り組んできたことなど含めて、本当に良い文章を寄せていただきましたね。

小林:今ご自身が住んでいる地域を、楢山集落 プラネタリー・ヴィレッジ・プロジェクトっていう形で、ゲストハウスだったりとか、その地域を紹介する取り組みをしていいます。プラネタリーという名称も何かいろいろ繋がってるなと思います。

岡部:そして、本展のデザインを担当していただいた、ITWST(アイツイスト)のお二人も西会津にお住まいでしたね。お二人はもともと地域おこし協力隊として西会津芸術村で活動されて、そのまま定住されて、今はバーバリアンブックスっていう拠点を構えて活動されていらっしゃいますね。

大政:このとき初めてお仕事をご一緒したんですけど、プランツ展のコンセプトにとてもあったビジュアルを提案してくださったなと思います。お二人には、それ以降の展覧会やワークショップでもお世話になっていますが、今後もいろいろご一緒していきたいですね。

岡部:そうですね。東京から来たあるお客様は、この展覧会のポスターを見て来ることを決めたっておっしゃってました。

小林:お二人には、別の団体の企画などでも個人的にお世話になっていますが、すごく柔軟な発想でいろいろ案を出してくれるので、そんな方が身近なところにいるのが嬉しいなって思ってます。

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小林:この展覧会は植物がテーマでしたけれども、植物はすごく幅が広くて、まだまだ掘り切れてないなと思ってます。なんか本当に暮らしに近いし、逆に遠い部分もあるし、何かそういう意味でもまた違う形で取り組みたいテーマですね。

岡部:そうですね。植物って本当にいろんな切り口を含む題材なので、もっと絞り込んだ企画の作り方もできるなというふうにも思いました。

大政:植物と生活みたいな、もっと密接した部分とかも出来そうですね。

小林:ほうきのワークショップのときに、材料を調達する意味も含めて、ぼちぼち広場(美術館の裏庭)にコキアを植えましたよね。そのお話をしたときに県立博物館の川延さんが、これは毎年やったらいいよね、なんてこともおっしゃってたんですけども。
やっぱり展覧会だけじゃなくて、この猪苗代も自然豊かな場所ですし、なんかプロジェクトみたいな形で、もうちょっとこの美術館の活動にうまく組み込んでいけたらいいかななんてことも思います。

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大政:寄り合いでグリーンカーテンプロジェクトをやったり、芝を植えたり、最近だとチューリップを植えたりみたいな、植物を育てることはしてるんですけど、もう少し継続的な形で何かできるといいですね。

小林:食べれる植物を美術館の周りに植えて、エディブルミュージアムみたいな。

大政:なんか美術館に来た人が展覧会を見るだけじゃなくて、なにか少し育てていったり、そういう可能性は広がっていきますね。

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