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【作品の物語】我が家のタマ

作品名:我が家のタマ
直径8㎝
色紙・アクリルガッシュ、胡粉
【個人蔵】


 我が家には、タマという猫がいる。
恐らく10年以上生きているのだが、正確には何歳か不明であるため、毎年1月に歳を取る事にしているが忘れてしまった。


 時折、人の話がわかっているような顔をしているのがなんとも愛らしい。


 最近、行灯の油が減るのが早い気がするがまさかタマが舐めているのだろうか?
まぁ、妖怪猫又でもあるまいし、そんな事はないだろう。 


 タマは、不思議な目をしている。
村の猫は、夜になると黒目が丸くなる。
隣の家のミケなんかもそうだ。
しかし、タマは夜でも猫目時計は昼を指す。
変わった猫もいたもんだ。

 ある日、三味線の話をしたらタマが獣のようなおっかない表情をしたので
もう三味線の話はしない事を約束した。


 山を越えた隣村で化け猫が出て人々を驚かせたらしい。白地に黒の斑点があったそうだ。
なんだかタマのような柄だなぁ。

まぁ、おめぇみたいなふわふわ餅の猫が化け猫の正体なわけはないだろう。

その時、タマの目は鋭く光った。


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