【作品の物語】漠は月を食べてみた・この夢は漠にあげます

獏はお腹が空いている日は
月を齧る事もあります。

月をすべて食べてしまった時は
食べる夢が無いか、雲の上に乗って
探しに出かけます。

今日は、どんな味の夢と
出会えるのだろうか？

「獏は月を食べてみた」
金潜紙×アクリルガッシュ
3.5×3.5㎝

「この夢は獏にあげます」
金潜紙×アクリルガッシュ
6×6㎝　

【作者コメント】

中国の獏伝説では悪夢を食らう事は無いそうで、獏の毛皮を座布団や寝具に用いると疾病や悪気を避けるといわれる事から、獏の絵を描いて邪気を払う風習から唐代には屏風に獏が描かれ、
こうした俗信が日本に伝わるにあたり「悪夢を払う」が転じて「悪夢を食べる」と解釈されるようになったとされていますが…

私は明らかに獏のボディは食いしん坊さんだと解釈しており、
夢を美味しく食べていたらかわいいと常日頃から思っています。

獏の外見についての記録は一致しない事も多く、今回は神社の木彫をベースに姿を描きました。

色についても謎が多く、まだらである等
の文献がありますが私は「青灰色」とまだらの組み合わせを選びました。

「青灰色」はタロットカードの「隠者」を参考にしています。

精神性を表す青色と、物事の途中段階を表す灰色の混ざった色が
「精神的な探求のプロセスにいる」と解釈されるからです。

さまざまな悩みも今までの経験に目を向けて考えていけば、問題解決の糸口があることを象徴しています。

私の描く獏は、悪夢から守ってくれ
自分の中にある問題を経験から、穏やかに解決してくれる。

そのような思いを込めて描きました。