見出し画像

【創作】3兆円おじいちゃん

※このお話は、過去の体験を基に作りました
単なるつくり話にならない程度に脚色も加えております
ノンフィクションとフィクションの中間作品です






3兆円おじいちゃん



…これは ある日の朝 郵便局での出来事

ほんの少しだけ 不思議な体験だった


あれは、
自分の気が狂っていたのか…


それとも、
狂っていたのは あの老人だったのか……



僕は「贈り物」の用事を済ませるために
朝早くから郵便局にきていた

別に朝早くに郵便局へ行く必要もなかったが
その日はバイトが10:00~20:00まである関係上
(郵便局の)開業時刻 9:00から行く必要があった

別の日でもいいじゃないか、と思うかもしれないが
明日・明後日に友人の誕生日が控えているので
今贈るしかないのだ
悪いのは計画性のない僕だ
誰も過去の僕を責めることはできない ざまあみろ

ここで言う「友人」は高校からの友達、NとAの二人だ
その二人は誕生日が一日違いなので
NとAに誕生日のプレゼントを贈るときは
二人分を一度に郵送するのだ

(アイツの住所は……)
他人の住所を暗記する記憶力を持たない僕は
手帳に記した友人の住所を調べて送り状を書く

僕は、自他共に認めていないけど「不安症」なので
何度も何度も書いた住所を指差し確認してしまう

住所を書く時間よりも
書いた住所を確認する時間の方が長い
レアな奴だよ 僕は



「3兆円だよ」


(え?誰誰誰???)


知らないおじいちゃんが入ってきたと思ったら
意味の分からないことを言いまくる
ヤバいおじいちゃん
いや
ヤバジジイが入ってきた(訂正)


「3兆円、あるけど???」


(さ、3兆円…??)


このジジイ リアルガチでヤバすぎる!!!
心の中でちょっとワクワクしている自分がいた
いまここでこのジジイをシバき倒せば
3兆円は僕のモノになるかも……


「ホントに!3兆円!!3兆円だよ!!!」


受付の人は特に困る様子もなく
「あはは…」と苦笑い
優しすぎか?受付の人!!

郵便局の受付は
訳わからん事言ってるジジイに
優しいらしい

オタクに優しいギャル は聞いたことがあるが
ジジイに優しい受付の人 は初耳(初見)だ

マジでいるんだ!!!
ジジイに優しい受付の人って・・・!!!


「噓じゃないよ!!!ホントだって!!!」


なんだその小学生みてぇな説得は
噓じゃない時点で「噓」だろ
あとしつこいし…
しつこい時点でもう「噓」だろって

この時点で爺さんが3兆円を持っている可能性は
一気になくなった
同時に
ジジイを倒して3兆円をいただくビジョン
一気に消え去った

残念すぎる



「この3兆円ね、前澤社長からのね」
「前澤社長からもらったやつね!」
「フフ」
「すごいでしょ?すごいでしょ?」


な、、、
何だコイツは!!!!!!!!!!!!!!!
もう愛すべきクソジジイだろ!これは!!!
こんなジジイ、親戚に居たら楽しいだろうな
絶対に外に出て欲しくないけど


「あーーーーー」
「ごめんね姉ちゃん」
「ホントは300円なんだよね」


知ってるよ おじいちゃん
いやでも300円かぁ……

3000000000000円と300円の差はデカい

3兆円と豪語するなら
せめて30000円は持っていてくれ
それか3円しかもってないオチにしてくれ

300円は本当につまらない
なんでギリ何か買える金額もってるんだよ


あと受付の人を「姉ちゃん」っていうのもやめろ
噓は許すから それだけはやめてくれ
そういう時代は終わった


「じゃ新聞ちょうだい」


ギリ新聞買える金額かい
300円て

だとしても郵便局で買うな


ホントに何をしに来たのか
いまもよく分からないけど

楽しいジジイだったな・・・





おわり








最後までお読みいただきありがとうございました!!!
好き!!!!!!!!!!!
LOVE!!!!!!!!!!!!!!
感謝感激ひなあられ!!!!!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?