見出し画像

本棚を編集する本屋「誠光社」京都河原町丸太町

その日、取材を終えた私は、そのまま自宅へ戻るのももったいなく感じ、どこかカフェにでも入って積ん読を消費しようとしていた。

画像1

昼飯は本格台湾料理「微風台南ビフウタイナン」。古民家を改築した店内にびっしりと古本が並ぶ。ふと、西村賢太さんの本を読みふけってご飯を待つ。

画像2

ダイエット中なので、鶏むね肉の丼を注文。うまい。

画像3

工事中の鴨川。ひたすら土中を掘っている様子をじっと眺める青年がいた。ちょうど橋の真下にあるその穴を、身を乗り出して見ている。私も思わず身を乗り出して眺めた。

画像4

そして、大きな道から一本路地に入ったところを歩いていると、本屋さんぽい看板を発見。

こういう個人書店は大好きなのだが、よほどの本好きじゃないと入りにくい雰囲気はあるなあと、いつも思う。

私は気にせずに入っていく。

音楽と文芸、特に短歌や詩もたくさん見られた。どうせならと、一冊手にしてレジに持っていくと、クレカは3000円以上から推奨と書かれていた。店主は「大丈夫ですよ」とは仰ってくれたが、どうせならと「なにかおすすめありますか」と聞いてしまった。

「相手のことをよく知らずに、本をすすめるのは難しい」と誠実な答えをくれた店主。少し困りながらも選んでくれる店主、いい人という単純なものではなく、誠実な人なんだろうなという印象を受けた。最近は若い人も短歌が流行っているという情報をいただき、短歌は好きなので購入。穂村弘さんの書評から短歌や詩を入るのも良いということで「これから泳ぎにいきませんか」も。その後、この本がバイブルになるとはつゆ知らず。

画像5

どのように選書しているのか聞くと、本棚を編集するように選書しているらしい。例えば、文芸の本棚なら、文芸の雑誌と見立てて本を仕入れ、並べるという。その「本棚を編集する」という言葉がとても好きになった。

いつも思うのだが、店主も購入された本の行方は気になることはないのだろうか。

例えば、今回のように「おすすめ」として出した本の感想を聞きたい店主もいるのかなと思う。聞きたくない店主もいると思う。

できれば、今回のようにおすすめしていただいた店主には、ちゃんと感想を伝えたいとも考えているが、うまく伝えることが難しくて結局は何も言わないまま次もそっと店を訪れるのだろう。


誠光社

〒602-0871
京都市上京区中町通丸太町上ル俵屋町437
TEL / FAX 075-708-8340
営業時間:10:00 - 20:00
無休(12/31〜1/3除く)

https://www.seikosha-books.com/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?