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これぞアダルトチルドレンのバイブル

プログラミングされた人生から離脱できる本


『毒になる親』以来、衝撃を受けた本だった。

タイトルは『親の支配 脱出マニュアル』(藤木美奈子著・講談社)
登場人物の多くが「これって私のこと?」と思うような人ばかり。
著者自身が毒親育ちで、25年に渡って不適切な教育を受け、生きづらさを抱えている方々の心の回復のお手伝いをされているということもあり、アドバイスも的確だった。

ネタバレにならない程度に「はっ」とした部分を少々。

人生はある意味、お芝居、演劇、ショーのようなものです。
(中略)
あなたの親は、今回の人生においてあなたを「ある考えに染める」という「プログラマー役」となって表れたのです。
(中略)
「いい子でいるなら愛してやる」と言い続けるかもしれません。いずれにせよ、彼らは用意された台本通りに園児、セリフを言っているだけ。
つまり、これは「さあ、あなたはプログラムを解除できますか?」というタイトルのゲームなのです。

著者が親の刷り込みで悩む相談者に話すというこの部分を読んで、目の前にかかった霞が消えていくような気がした。

アダルトチルドレンの多くは、親が持つ特定の価値観を押し付けられ、無理やり従わされている。
その価値観がさも一般的なものであるとプログラミングされているのだ。
従わない場合には愛情を奪取され、無視されたり、きょうだいと差別されたりする。
親の愛が欲しい子どもは、あわてて植え付けられた特定の価値観に考え方を戻し、自分を傷つける親であっても従順に従う。
そして共依存の関係に陥っていく。

「しんどい」と悩むアダルトチルドレンに届いて欲しい


著者はそうしたプログラムを解除する方法をこう書いている。

「相手が親であれ、パートナーであれ、あなたが「NO」と叫んでそこから立ち去ればそこで幕は下りるのです」と。

つまり「自分次第」ということだ。
しかし渦中にいる時はなかなか気づくことができず、「親がひどいことをするのは自分が悪いから」という考えに至りやすい。
だが一歩引いて、「これってちょっとおかしいのでは?」と気づくことができたら、一刻も早くそのしんどすぎる人生の幕を下ろしたほうがいい。

この本にはプログラミングされた方の人生の幕の下ろし方、下ろした後の心の回復方法が詳しく書いてある。
その他、生活費の捻出方法、精神科医の選び方、向精神薬の種類など、「こういう情報が欲しかった」と思うページもたっぷりあり、さらには歪んだ認知を修正するフレーズ集まであるというケアっぷりだ。
経験談や当事者のインタビュー集とは一線を画す。

私がいちばんしんどかった時期にこの本があれば、もう少し早く自分の人生を歩めていたかもしれない。
そして心の回復も早かっただろう。
今、しんどくてたまらない人に、どうかこの本が届いて欲しい。


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