見出し画像

猫の姿をしたヒト

 僕は夕焼けより朝日の方が好きです。夕日は夜に近づくので寒くなり、朝も寒いけど、段々と暖かさが出てくるからです。ある朝、僕がタバコを吸っていると1匹の茶虎猫が寄ってきました。その日も冬なのに朝焼けで暖かく感じ、猫は初めて出会う僕にとてつもなく懐いている様子でした。僕は何度も猫を撫でました。そして僕がタバコを吸い終わり帰ろうとすると、帰らないでと言わんばかりについてくるのです。その愛くるしい姿に僕は一緒に散歩をする事にしました。「車に轢かれて仕舞うから僕より歩道寄りに歩いて」とその茶虎猫に話しかけると、まるでこちらのことばが通じているのか…猫は指示に従い、品よく僕より歩道側を歩くのです。そのままコンビニにつき不思議な3人組の男に逢いました。僕の事を知っているような会話をし、僕の趣味や仕事の話ばかりをしているのです。茶虎猫は居なくなって、まるで僕をその3人組まで案内をした様な奇妙な体験でした。その3人組は三々五々に解散し、僕はそのうちのひとり、ガタイのいい男について行くことにしました。暫く川沿いを歩き、そのガタイのいい男はある一軒家に入って行きました。そうしたら一台の軽自動車が走り去って行き、クラクションを鳴らした後に挨拶なのかハザードをたいていました。僕へのお礼だったのか…茶虎猫と彼らの正体は一体何だったのか…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?