見出し画像

私のいない世界

善い人間には到底なれないんだと 改めて思った今日

いつも見ている夕焼けが なんだか霞んで見えた

誰かの為に優しくなろうなんて 初めからおかしい話だったんだ

誰かの為に善い人間になろうなんて 無理な話だったんだ

私達は 何にとっても悪になる

人に対しても 家畜に対しても

物にも あの笑顔にも

悪である事のなすり合いで 私達は生きている

誰だって そうはなりたくは無いけれども

誰かが背負わなければ 誰かは生きていけない

重くのしかかった其れに 気付いて救える立派な人間が

偽善者と言われ 良心の呵責に苛まれる

そんな世界ってないよ そんな扱いってないよ

神様なんていないんだと 何も信じられなくなる

誰しもが主人公なのに 何故なんだろう

結局のところ 答えなんてないんだ

誰かを否定し 自分を肯定していかなければ

自分が自分を 保てなくなる

自分自身の期限が迫っている事の 恐怖感

死人と対極にいる事で生まれる 優越感

自由のようで 不自由のようで

一体何が私達を 救ってくれるのだろう

何が本当の意味での 正解なのだろう

これまで生きてきた人達は 此処に生まれた意味を

自分という人間がいる意味を 理解して死んだのだろうか

過去に起こった改革や デモ運動なんかよりも先に

学校の教科書に 載せるべき解だ

過去の事ではなく 今の事を知らなければならない

知らなければならない理由が 各々にある

今を生きていない人間が 一番の悪なんじゃないか

今を知らない人間が 一番の悪なんじゃないか

私もそのうちの一人 そうして生きてきたうちの一人

五秒前に生まれて 一秒後に死んでいく

その輪廻が終わらぬうちは 誰も答えには辿り着けない

ありもしない日々を あったかのように過ごしていくだけ

漠然としか知りえない事を あたかも全て知っているかのように

自分とも向き合わずに 平然な顔して暮らしている

私も此処に生まれ落ちた瞬間に 悪い人間だった

誰しも 善い人間なんかじゃあないんだ

誰しも 悪い人間だったんだ

どこか嬉しくて どこか悲しい

目を擦っても今日の夕焼けは さっきと同じように霞んで見えた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?