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明日が来る前に

何も知らないくせに 何も知らないくせに

そう呟いてみてもどこにも届かず どこにも響かず

息をするということが こんなにも大変なことだなんて

産まれた時に分かっていたら こんなに苦しまなくて済んだのにな

今日も呼吸をする度に 体が悲鳴を上げる

いっその事 直接肺に管を通してしまいたいくらい

息を吸う為の器官は 既に体に備わっているはずなのに

どうしてこんなにも 息辛いのだろう

どうしてこんなにも 生き辛いのだろう

真っ黒な水槽に 上から頭を押さえ込まれ溺れているような生き苦しさ

抵抗しようにも 上がらない頭

目や耳や鼻から入ってくる 恐怖という名の水が

私の頭を身体を 蝕んでゆく

いっその事 このまま溺れて死んでしまいたい

このままどこか遠くに 流されてしまいたい

そんな願いも届かず 息もうまくできないまま二十五年

貴方と同じ空気を吸いたい 貴方と同じ景色を見たい

私の願いは 叶うのでしょうか

叫んでも届かない 泣いても気が付けない

夜風は涙を 乾かしてくれるのでしょうか

少しは救いが あるのでしょうか

私にはまだ 分からない

今日も息をするために 息を止める

生きているのか 死んでいるのか分からないまま

どちらでもない 終着点を求める

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