詩「つねに戦前(3)」

戦前を生きる子どもたちへⅢ

銀河の果てから宇宙人が攻めてくる
地球の人々は互いに争うことをやめ
一致団結して宇宙人と戦う
君はこの物語をすてきだと思うかい?

私はすてきだと思う
もし宇宙人が烏賊や蛸のような奴らだったら
そいつらを地球人の撃った弾丸が貫くのを
痛快とさえ思うだろう

だが、このすてきな物語には
描かれていないことがある
彼らが私たちと同じく
家族や友人を愛する様子・・・・・・

そもそもなぜ彼らが
地球に攻めてきたのかは語られず
いきなり彼らが攻めてくるところから
物語は始まる

そして、このすてきな物語は
為政者たちに紡がれて
現実となる可能性のあることを
君たちは知っておいてほしい

異国が私たちの国に攻めてくる
国民よ 同胞で争っている場合ではない
挙国一致して「敵」と戦うべきだ
こんなふうに創られる戦争もあることを

子どもたちよ どんなストーリーであろうとも
戦争とは悲劇だ
それを心に刻み
あらゆる戦争の物語に接してほしい

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