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短歌「サプライズなきがよし」

食べたとか便が出たとか笑つたとかサプライズなく喜ぶ暮らし

 ここ3年ばかり母の病状は安定している。と言うか、私は母が病人だということを意識していない。糖尿病でインスリン注射をうっているし、不整脈で血をさらさらにする薬も飲んでいるし、脊椎間狭窄症の痛みもあるし、そのうえ認知症だから病人には違いないのだが、それらは私の意識の中ではすでに日常に組み込まれてしまっている。

 もちろんこの3年程で足は衰え、認知症もさらに進んではいるが、それは母の「老い」と受けとめられて、特に驚きをもって受けとめることはない。

 サプライズがあるとすれば、母が重篤になることだから、平凡に過ぎる日常の当たり前とも言えることがいまの暮らしの喜びである。

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