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俳句「あの世の時間」

花かぼちや萎みこの世の昼餉どき

 あの世とこの世の時間は同じだろうか。地球上でさえ昼の国と夜の国があるのだから、この世とあの世では別の時間が流れていると考えるほうが妥当かも知れない。ある日、そろそろ昼ご飯にしなければ、さてさて母に何を出そううか……などと考えているとき、ふとあの世の父のことが頭に浮かんだ。ちゃんと食べているのだろうか? 時間どころではなく、これこそ愚にもつかない心配かも知れないが、仏壇にご飯を供えるぐらいだから、あの世の人だって腹が減るとも考えられる。
 きょうは父の日。父が好きだった酒を供えて、昼酒でも飲んでもらおう。もしかしたら、あの世は朝かも知れないが、それなら朝から一杯やってください。

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