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詩「前世・来世」
転生
私は
姥捨てをした人間の
生まれ変わりではないか
母の介護をしながら
そう思うことがある
山に母を捨てて
痩せ衰えていく母や
息絶えた母の姿は見ていない
だから今生では見よという
摂理に導かれているのではないか
それとも私の前世は
捨てられた子どもだろうか
いやいや私の前世は
姥捨てされた親のほうかも知れない
それとも・・・それとも・・・
こんなふうに自分の前世を
悲劇の人物にしたいのは
自分は人と違ったことをしている
特別な人間だと思いたい
こころの裏返しだろうか
しかし親の介護など
普通のことだから
私の前世は
ごくごく標準的な
人間だったのかも知れない
そして私の来世は
人類が火星に移住するときに
地球に取り残される数多の
ごくごく平凡な
老人の一人だろうか
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