見出し画像

ふと目覚めると、電車は会社の最寄り駅を出発したところだった。
気づいたときには後の祭り。
私は浮かしかけた腰を再びシートに沈ませた。
今日は瞼がやけに重い。
原因は明らかだ。
それは昨日遅くまでYouTubeを見てしまったから。
たまたま「おすすめ」に出てきたそれは、
田舎の「都会(マチ)」のお散歩動画だった。

田舎の「都会」とは、
実家からバスで45分ほどのところにある繁華街。
そこへ行けば服やご飯、ゲームセンター等何でもあるし、知り合いに偶然会うこともある。
あぁ、あの店、なくなっちゃったんだ。
あの店で当時の恋人にクリスマスプレゼント、買ったな…

このまま電車に乗って、降りたら田舎の「都会」だった。って設定の小説、書いてみようかな。一発当てればもうこの時間、ここに座ることはない。

時代は高校時代にしよう。
あの頃の私に伝えたいことはたくさんある。

いや、ありがちだな。
むしろ目覚めた駅で降りて、会社に欠勤の連絡をし、そこから始まる1日、みたいなものの方がリアルで面白い………

………なんも浮かばねぇ。
今ならまだ間に合う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?