地味主婦イチ子が柱の影から物申す【蔵嵜一子】
㊟フィクションです。婚外恋愛(不倫)の物語。話は一旦終了していますが、思い出しエピソードや続きは気ままに更新していく予定です。カフェのコーヒーよりはお手頃に楽しんでください。
お盆に少し、 真面目な話をした。 夫と、将来の話を。 前向きな話ではなかったが、 夫は夫なりに、 私や家族のことを思っていることが伝わった。 でも、違う、違う、 そうじゃ、そうじゃ…ナイ。 伝えられなかった言葉を、気持ちを、 忘れないうちに書き残しておこうと思う。 この10年、 家族のために、 頑張ってくれてありがとう。 10年前のことはいいんだよ。 あの時は2人とも若くて未熟だった。 共に成長出来れば良かったんだけど。 あなたは、 「上手く家族をまとめられなくて
学校に行きたくない。 そう思ったことは何度もある。 だけど娘の場合は行きたくない、 ではなく、 行くことができない。だった。 私は行きたくない。の感覚で、 お母ちゃんもそんなときあったけど〜とか、 行くだけでいいからーとか、 とにかくありきたりな、間違えた対応をしていた。 本当に体に力が入らないし、 電車に乗れないし、 心をコントロールできなくなって、 それでも私は往生際悪く、 一縷の望みを捨てきれないでいた。 私は毎朝彼女の通う高校に欠席の連絡をしていた。 ある日私は
エスカレーターの左側は今日も長い列… ため息つきつつも軟弱おばさんなもんで、 黙って並びます。 つい先日、 その時は流れに乗って右側を歩いて登っていた。 エスカレーターを降りたタイミングで、 前を歩くマダムが減速した。 「おっと」 となりつつもまぁよくある話。 けれどもその時は私の足先がこつんとその人に当たってしまった。 その方、振り向いて私の顔を確認すると、 おもむろに後ろに回り込み、 持っていた鞄で私のお尻をはたいた。 ムカついたんだろうね。 で、 私の顔を見て、
最近すっかりテレビ(地上波)を見なくなった。 年を取ったということ…かなぁ。 バラエティはなんだか疲れちゃうし、 ドラマはいまいちはまらない。 ニュースは悲しい事件や事故が多くて気が滅入っちゃう。 加えて自分に余裕がない。 テレビをじっくり見る心と時間の余裕が。 日々の生活でぐったりしちゃってる。 新聞を止めたことも大きい。 テレビ欄を見なくなって、 テレビも見なくなった。 結局我が家ではYouTubeをよく見ている。 字幕に邪魔されないきれいな風景や、 盛り上げよ
ふと目覚めると、電車は会社の最寄り駅を出発したところだった。 気づいたときには後の祭り。 私は浮かしかけた腰を再びシートに沈ませた。 今日は瞼がやけに重い。 原因は明らかだ。 それは昨日遅くまでYouTubeを見てしまったから。 たまたま「おすすめ」に出てきたそれは、 田舎の「都会(マチ)」のお散歩動画だった。 田舎の「都会」とは、 実家からバスで45分ほどのところにある繁華街。 そこへ行けば服やご飯、ゲームセンター等何でもあるし、知り合いに偶然会うこともある。 あぁ、あの
プロフィールにも書いた「第三の人生」 若い人には理解できない価値観かもしれないが、 私は「若いお母さん」になりたかった。 「姉妹ですか?」 そう言われる夢は叶わなかったが💣 ついこの間まで大学生だったから、 勉強は教えられるし、 体力はあるし、 水着にだってなれた。 (いや、今でも着れる⁉) 「孤育て」という言葉があるが、 私はそれが幸せだった。 お菓子作ったり、 一緒に雑巾縫ってそれで大掃除したり、 気の向くまま延々歩いてみたり、 4コマ漫画とか迷路作ったり、 時間を
末は博士か大臣か。 子どもが生まれたらアレコレと夢も出てくる。 スポーツ界や芸能界で一攫千金? 有名大学からの有名企業? 急上昇はダンス! でも色々やるには親の方の覚悟が必要。 時間や経済力や、知識やら。 もしかして自分の子に何かしらの才能や能力があるのなら、 見つけたいし伸ばしたい。 うちには男女二人の子供がいて、 共通して習わせていたのはピアノだった。 上の男の子は他に水泳とサッカー、 娘はバレエ。 英会話とそろばんもさせたかったけど近所になかった。 (金銭的にも
私たちは色々あり、別居をしている。 夫は家と職場の中間に家を借りている。 私と娘は、二人では少し贅沢なマンションに住んでいて、 生活費は夫が出してくれている。 その点は、さすがに感謝している。 娘のために、使わなくなったマッサージ器をあげる。 と、夫が帰って来た。 暑い中申し訳なかったので、娘と駅まで車で迎えに行った。 駅の手前で合流することにしたのだが車が多く、 端に寄せて停車したものの後続車が続き、 私はドアを開けられず(運転を変われず)にいた。 すると夫が後部
あれから私たちは、 どこかよそよそしさを抱えつつも、 以前と変わらない関係を続けている。 会う回数は、 週に1~2度から、2週間に一度になった。 はるは学業と就活が忙しくなり、 必然的に彼とは距離を置くようになった。 いや、 彼女は就活でもがく中、 彼の、職歴や考え方に疑問を持つようになった。 会うとどうしても彼を否定してしまう。 そしてそんな自分が嫌になるから距離を取っている。
春から忙しくなったと、 私は度々言っている。
あお君の予防接種が終わり、 ついにお散歩デビューの日が来た。 夕方暗くなり始めたころ、 我が家の王子をそっと地面に下ろす。
最近、彼の車の調子が悪いということで、 うちの車でお出かけすることが多くなった。
春から仕事の拘束時間が長くなり、 私は時間に追われる日々を過ごしている。
小さなわんこの成長がこんなに早いなんて知らなかった。 折れ耳は日々少しずつ立ち上がった。 グレーがかった毛色は徐々に薄くなり、 名前の由来である青い目は茶色になった。 手足は日に日に長くなり、 うちに来た時のぬいぐるみのようなかわいさに精悍さが加わった。
赤ちゃんわんこがやって来た。 名前は「あお」。 生後2か月の男の子。
最近夫が帰ってくる頻度が高い。 食材を買いたいとか、 テレビで美味しそうな店を見つけたから行きたいとか。