青年の選択
青年の選択
ホノルルで、偶然、米国海軍将校さんに無料で、日本語を教える機会に恵まれた。
背の高い青年Kは、アナポリスにある海軍兵学校卒業生で、 曽祖父を含め、四世代海軍将校であったと言う。
偶々、同じ建物の住民で、住民用掲示板に、 「日本語教師を求む。」という、掲示があり、暇人の私が反応したのだ。
現在はホノルルにある、海軍の軍港に停泊中の戦艦に勤務しているが、 来年は、海軍を退役、奨学金を獲得して、中国へ留学する予定だ。
将来は、民間の国際企業勤務を希望しているようだ。
国際金融機関に勤めて、近い将来富裕層に属したいようだ。
イギリスのオックスフォード大学の、ローズ奨学制度をモデルに、2016年、中国の北京にある精華大学で、国際情勢学の修士号を取得するための全額奨学制度が設立された。
K君によると、これからの時代は、ローズ奨学金制度より、「中国のシュワルツマン(Schwarzman) 奨学金制度の方が重要性を増す。」と、考えているようだ。
その学生募集要項に則って、書類を作成中であるが、 その一部に、現在習っている日本語教師のビデオ映像も、大学願書に同封するそうだ。
私の映像は精華大学の審査員の目にも触れるらしい。
まだ、米国の東海岸にある首都近郊に住んでいた頃、知人の一人が公立高校で、長年、日本語教師をしていた。
そのクラスの助手役をたのまれ、半年ほどその高校に通った事があった。
2003年頃の事だったが、 その日本語教師は嘆いていた。
「中国語を習いたい学生が増え、日本語を学びたい学生数が目立って減り始めた。」と彼女。
27歳の前途洋々たる米国人は、未来を見据えて、大学院は精華大学を自ら選択したようだ。
彼は父親の仕事の関係で、10年近く実際に香港に住んでいたので、中国語が話せる。
漢字が読めて書けるので、 日本語習得も、普通のアメリカ人より早い。
一人の青年の選択からも、これからの21世紀が 彷彿と目に浮かぶようだ。
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