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ギヴン柊mix_20を読んで【感想】

2022/11/30発売のシェリプラス一月号に掲載された、ギヴン読了後の感想を感じたままに綴ろうと思います。
文章力も語彙力も纏まりもないですが少しでも共感していただけたら幸いです。
※あくまでも個人の感想です。
※柊mix_20までの話のネタバレを含みます。

かれときみがくれた音が、からだの中を、かけめぐってる。

まずこの煽り文句、先生もTwitterにておっしゃっていましたが、「めちゃくちゃ”””いい”””」
「かれ」は由紀であり、「きみ」は立夏であり、真冬にとって大切なふたりからの曲。それが「聴いたら何かが変わってしまう」と感じていた真冬の中をかけめぐり、真冬の一部になっていく。前話で描かれていましたが、『海へ』を聴いて、真冬の中に浮かぶ海の思いでが今はまだ確実に二つあるの、ずるいなあと思ってしまいます。だってこの時の真冬、貴方まだ、あの日降りたバス停の名前、憶えているでしょ。そしてそんな話の始まり、最初の一ページ目が「何度も海に行こう」なの、すごい好きでした。

ステージの上から真冬を見つける立夏

セリフはないのに、なんだか二人の感情が伝わってくるようで、思わず涙ぐんでしまいました。セリフはないけれど作中はライブ中で、きっとあちらでは最上級のラブソングが流れているんだろうな…。初めて立夏が歌っているところを見ましたが、きっと凄い優しい声で歌ってくれているんだろうなと思います。今から『海へ』が曲になるのが楽しみです。
周りのみんながノッている中、呆然を立ち尽くす真冬。そんな真冬をみつけた立夏は笑います。この時の立夏の笑顔、なんだか由紀と重なって見えました。
「優しい声」と記しましたが、観客の盛り上がり方やドラムの音を見る限り結構アップテンポな曲なのかもしれないですね。前話の歌いだしの柊があまりにも優しい顔をしていたので、きっと歌詞はやさしいものなんじゃないかなと思っています。
ここでひとつ疑問なんですが、真冬たちの初ライブの際、柊は真冬に「由紀はお前のために曲を作ってやりたかったんだよ」と述べており、それがこの曲だろうと思うのですが、由紀が真冬に送りたかった曲の中には、「例のメロディ」は含まれているのでしょうか…。(二巻描きおろし『海へ』で由紀が口ずさんでいた、あのメロディです。)
あれは立夏がすでに曲に取り入れ、『冬のはなし』として真冬が歌い上げていますが、由紀は真冬に贈りたかったのなら、入れるんじゃないかなあと思うのですが…。入れる前に帰らぬ人となってしまったのでしょうか。

新曲とは雰囲気の変わる「いつもの」

無事『海へ』を歌い上げ、彼らの持ち曲へと移ります。
一気に雰囲気が変わり、柊の目に吸い込まれそうになり息を呑みました。
シズはいつも通り飄々とした感じですが、それでも三人の楽しそうな雰囲気が伝わってきます。立夏の表情が最高に好きでした…。この表情は柊たちと演ってるからこそ見せる表情なのかなと思いました。

「今すごく うたいたい」

ここ最近どうやって歌っていたか思い出せず、音楽を拒んでいた真冬が、柊の、由紀の、立夏のつくった曲でやっと歌いたいと思います。そして、「どうして今自分は上ノ山くんの隣にいないんだろう」と思い、気づきます。

今の一瞬に しがみつくしかない

今まで悩んでいたことが、曲を聴いて、こんな単純なこと、とわかります。
「変わってしまうかもとか 失ってしまうかもとか 過去とか未来とか」
このセリフをきいて、なんだか『夜が明ける』を思い出しました。「変わってくこと 終わってくこと 始まってくこと」結局はすべて、「ずっとなんの保証もない ”今”」なんですよね。
ここで改めて立夏への想いを自覚し、隣に並んで立てるようになりたいと思う真冬。ずっとデビューや音楽、恋愛のはざまに立たされて立ち止まっていましたが、これでやっと吹っ切れて、新しい一歩を踏み出すことができるのかなと思います。

交わることのない視線

真冬の様子を見て、大丈夫と判断し帰る雨月。そもそも彼がここに連れてきてくれなければ、真冬は一歩踏み出すことができなかったかもしれません。でもそんな雨月が今前をむいて歩いているのは真冬にもらった「大丈夫」があるからで、真冬の背中を押した「大丈夫」も、回りまわって返ってきたものなのかなと思いました。
時間がないからとライブハウスを出ていく雨月。人を挟んで秋彦とすれ違いますが、彼らの視線は交わりません。もう同じ道を歩んではいないのです。立夏たちの方を向く秋彦の隣には同じ方向を向く春樹が立っていますが、雨月はたった一人、立夏たちに背を向けてライブハウスを出ていきます。ここの対比が心臓が痛かったです。いつか雨月にも、恋愛的な意味じゃなくてもいい、ただ一緒に立ってくれる人が現れることを願っています。

未完成だったままの由紀を ちゃんと真冬に返してやれた

立夏のこの言葉、すごい胸にきました。
立夏にとって由紀は恋人の元彼であり、決して好意だけを向けられる相手ではないと思います。そして立夏が知っている由紀のことなんて、ほとんどありません。立夏本人もいっていたように、「描こうと思えば上からなんでも描ける」状態から、ちゃんと自分自身の曲じゃなくなるように作り、完成させて真冬に渡したというのは、本当に真冬を想ってなければできないことだと思います。ていうかそんなことができる立夏(現役高校生)って一体…。
「燃えるようにあの曲を好きだと思った」と言っていますが、同じ真冬を好きになったもの同士、なにか通じ合うものがあったのかなと思います。
立夏が手を加えた曲は、柊もシズも救いました。思えば、この曲を作っているときに対立して帰らぬ人となったのだから、この曲を完成させるというのは、赦されたがっていた柊にとっては一つの区切りとなるものだったのでしょう。

「一緒に音楽がしたい 一生」

楽屋に乗り込んできた真冬が、立夏の襟元をつかみ放った一言。真冬の突飛な言動に振り回された際にでる宇宙の背景大好きなのですが、まさかこんな所で拝めるとは…。
その場にいた誰もが固まるなか、真冬は繰り返します。「一生、絶対に後悔させない」 幼馴染ズも言っていたように、決めるまでは長考するけれど、一度決めたら突っ走っていってしまうタイプなんだろうなあってことが分かりますよね。でもあんなに考えていた真冬の口からでた言葉ですから、絶対後悔させないんでしょう。立夏と真冬は、普段は俺様タイプの立夏が「俺についてこーい」って感じで真冬を先導していますが、肝心な時は真冬が引っ張っていく感じが、バランスのとれたいい関係だなあと思います。

とある夏のはじめの、とある夜のはなし

ライブは終わり、みんないつもの日常へ。去年の夏はgivenが初めてのライブをし、真冬が今まで感じていた「さみしい」という気持ちを理解し、「新しいすきなひと」ができた日です。なにかが変わっていくのは、いつも夏の夜のライブなんだなあ、という思いになりました。デビューの話をもってきてくれたレコード会社の人もいましたし、秋彦と春樹はもちろん、タケちゃんと弥生の姿も。弥生の表情がライブが本当に楽しかったことを物語っていて、すごい好きでした。ライブが終わった後の空気感って、なんど味わってもいいものがありますよね。

これにて柊mix_20の感想は終わりです。ここまでご覧いただきました方、ありがとうございました。
真冬もようやく一歩踏み出せたので、ここからはデビューに向けて一直線ですね。そう上手くいくか分かりませんが…。今後の展開もますます気になります。
また新しい話が更新されたらnote書くかもしれません。機会がありましたら、その時はよろしくお願いします。

ところで余談ですが、来年か再来年くらいにアニメ2期、ないですかね…。今回にて新曲『海へ』がでましたし、ライブシーンが入るので山場もあると思うのですが…。9巻が出た際に2クールで放送とか、ないですかね。アニメ制作については詳しくないので願望ですが。
新曲『海へ』が早く聴きたいです。CDが出た際にはカップリング曲で『砂浜』、新しく増えたこの二曲をもってギヴンセカンドライブまで期待してしまいます。いつか叶うといいなあ。

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