秋風を吸いに外へ
「涼しくなったよ、ちょっと外を出ない?」
そんなパートナーの誘いを受け、2か月ぶりに外へ出た。体調が悪かった日から幾日か、体力の衰えが著しい。
久しぶりに手を繋いで、車椅子じゃなくて、杖も使わず、パートナーの手を頼りにして、家を一周。
「手繋いで歩くの久しぶりだね」
「ね、本当に久しぶり」
あぁ、まだ歩ける。
「気持ちいいなぁ…」
「秋が来たね」
「次は紅葉かな?」
「中秋の名月が29日だってよ」
「じゃあ、その時また外に出よう」
夜風が気持ちよく吹いている。
「29日、雨じゃないといいけど」
来月の10月29日は私の誕生日。
42歳を迎える。
『今年も、もう終わる』
そうだ、カレンダー買わなきゃ。
手帳も買おう。
今年も目標は映画を見に行くことだった。行けなかったけど。けれども1回くらいは、出かけられないかな?
「シティーハンターの映画行けるかな?」
「行きたいね、10月だね」
「月曜日か水曜日」
これからは、ちゃんと英語の勉強もしたい。
日本から外に出てみたい。
秋も始まった。
『これからは、私の季節だ』
病院への交通費として、使わせていただきます。