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マンデリン。こだわりの「臭み」。

インドネシアのスマトラ島。そこで栽培されているアラビカ種のコーヒーのみを「マンデリン」という。※ インドネシアでは、カネフォラ種(通称:ロブスタ)が広く栽培されており、一般的に麦を煎ったような香りがするといわれることも。 

萩原珈琲では入荷の際にいつも、「とにかく臭いもの」というオーダーを出す。この「臭い」とは、マンデリン独特のクセのある香りを指している。このクセは、果実の収穫から、種子を取り出して乾燥させるまでの工程で生じる要因も大きい。

精選工程
①:果実のまま乾かす
②:半乾きで果肉除去
③:取り出した種子を乾燥。

果実のまま乾かし、最後に種子を取り出す「非水洗式」と、最初に果肉を除去し、種だけを最後まで乾かす「水洗式」の中間。つまり、インドネシア特有の「スマトラ式」なのだ。

この過程で生じてくる香りが、世間では「アーシーフレーバー」と言われる。なにそれ??
コーヒー業界ではしばしばこのような難しい表現が出てくる。「Earthy」つまり「地球」→「大地の香り」。確かに、聞こえはいいのかも。

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仕様
商品名:マンデリン
原産国:インドネシア
焙煎度:やや深煎り (フルシティーロースト)
製 法:スマトラ式

特徴
独特の強い果実香に加え、シナモンやハーブのようなスパイシーな香りがする。この独特の香りに、深煎りの苦みが合わさり、「マンデリン臭さ」が生じる。これを、世間のコーヒー屋では「アーシー」と呼ぶ。しかし、大地の香りは、聞こえはよいが、わかりにくいと思う。

ちなみに、社内の「わかりやすい表現ミーティング」では、率直に「土の香り」や、焙煎香も加わって、「アスファルトのような香り」という表現も出てきた。おいおい、これじゃおいしそうに聞こえへん。

いずれにせよ、強い個性を持つ萩原マンデリンは、当社では非常に人気の高い豆で、熱狂的なファンも出現するほど。近年「すっきりクリアな味わい」が求められ始め、このクセがだんだんと失われてきている。※モカも同じで、クセがなくなり味が平均化しつつある。

だが、私たちが求めるものは、伝統的に守ってきた香味。萩原珈琲のマンデリンだ。生豆商社へのオーダー、商社との味合わせ会(試飲会)で口にする「とにかく臭いものが欲しい。」これは、絶対命題なのだ。

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