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初めて行ったライブは地下アイドルでした

あの子です。
アラサー女、初めて行ったライブは地下アイドルが歌う小さなライブハウスだった話をします。

1.ライブハウスに行くきっかけ

たまにある「好きな歌手は?」という質問。
私は物心ついた時から好きな歌手というものがなくて、この手の質問が苦手だった。
気に入った曲があると飽きるまでエンドレスリピート。
歌手というよりも曲単位の好き。

前職を退職して有給消化しながら就活をしていた時、あるひとつのツイートがRTで回ってきた。

かわいい女の子の水着姿。
ショートカットでボーイッシュぽいけども可愛さを感じる大きな目に愛嬌のある表情。
水着もかわいい系でビーチサイドでポーズを撮りながらこちらへにっこり笑いかけている。

よくタイムラインでまわってくるタイプのツイートだけど、私にはすごくその子が可愛く思えた。
えっ、誰だろう。その子について調べると所謂地下アイドル。普段は関東を拠点に活動してるユニットらしい。

しかし、数週間後に関西のライブに参加すると告知されていた。

産まれてこのかた好きな歌手もいなかったからライブにも行ったことがない。
しかも地下アイドルということは小さなライブハウス。
男の人が多いんだろうな、とか。
ライブハウスのマナーとか分からん、とか。
行くならぼっち参加じゃん、とか。

不安はあったが気になったものはとりあえずチャレンジする精神だった私はチケットを購入。
当日までにライブハウスでしてはいけないこと、気をつけたほうがいいこと、準備しておいたほうがいいことをネットやSNSで調べた。

複数のユニットがでるライブでは、推しの出番になると最前にオタクが入れ替わって移動する。
荷物はロッカーに預けられるところもあるけど混雑するから身軽なほうがいい。
物販では買ったものを入れる袋はもらえないから大きいものを買うならサブバッグ等が必要。
チケット代にプラスしてドリンク代もライブハウスで支払う。etc…

ペンライトも初めて購入。
ペンライトにもハッキリ発色する物もあればふんわりと優しく発光する物もあり、様々な種類がある事を知って奥の深さを感じた。
自宅を暗くして初めてぶんぶん振り回した時のアラサー、一人暮らしでよかった。

RTで回ってきた子と、同じユニットのメンバー全員をTwitterでフォローした。なんとメンバー全員可愛かった。
メンバーの投稿に対してファンがリプしてたけど、なんだか恐れ多くてコメントはできず眺めるに徹した。

2.ライブ当日

この日の為にウエストポーチを購入。
中にはペンライト、小さめの財布、エコバック、鍵、スマホという最小限。肩から斜めがけするあのスタイル。

ロングヘアはひとつにまとめたけど、後日これはあまりよろしくないと知る(ジャンプすると後方の人に髪が当たる可能性があるため)。
当日後ろにいた方、大変申し訳ありませんでした。

隣県まで移動した為、土地勘はなかったもののライブハウスまではなんとか迷うことなく辿り着いた。

そしてユニット名を本文に加えて今日参加する旨をツイートした。
あわよくばエゴサで気づいてもらいたいという下心しかないツイート。
そしてしばらくして本人達からいいねがきて震えた。
メンバーの1人はリプまでしてくれた。
ちょろいオタクなので物販の時はリプしてくれた子に並ぶことを決心。

ライブハウスに入る時にドリンク代を支払って、目当てのユニットを伝えていたので私もならってユニット名を伝える。
受付では正の字でユニットごとに数えてるメモ用紙が手元からちらっと見えた。

開場時に入ったので中は多少暗かったものの比較的明るく、隅にあるバーカウンターみたいなところでドリンクを受け取れた。
とりあえず緊張を紛らわしたくてお酒を注文。
アルコールをちびちび飲みながら周りを見るとやっぱり男性が多い。知り合いなのか数人で話してるところあれば、一人でスマホを見てる人もいる。
女性は片手で足りるほどの人数。ゲストユニットのオタク仲間らしく、同じユニットのグッズを身に着けて談笑している。

開演してしばらくは目当てのユニットがでるまで他の演者さんを後方で眺めてた。
ステージで歌う子も頑張ってる中でオタクの熱量も激しくて圧倒されたが嫌じゃなかったしむしろ好きだった。

いよいよ目当てのユニットの出番となれば、前方の一番端へ移動。最前に行く勇気はなかった。
でも端とはいえステージとの距離は近くて立つだけで緊張。
ペンライトも箱推しカラーにすぐ変えられるように調整して手を持っておく。

そして、格好良いSEと共に始まった。

ステージ上を駆ける彼女たち。
比喩表現ではなく本当に輝いてた。

SNS上でしか見ていなかった彼女たちがこんなに近くで、歌って踊ってステージ上を駆けている。
その可愛さ、眩しさに涙が溢れそうになり、実際半泣きになっていた。泣かなかったのはその時間すら惜しいぐらい彼女たちをずっと見ていたかったから。

私も興奮して周りのオタクにあわせてペンライトを振り、ジャンプした。
たまにメンバーがこちらに手を降ってくれたり笑いかけてくれた。なるほどこれがファンサ。めちゃくちゃテンションあがる。ライブでファンサうちわを作るオタクの気持ちがわかった瞬間である。

十数分の出番はあっという間に終わり、手を振りながらステージからはける彼女たちへ手を振り返して見送りながら余韻に浸っていた。

たくさん動いて暑かったので一旦ライブスペースから出る。
物販は出入り口近くであるらしく、他のユニットが物販対応中だった。

目当てのユニットの物販が始まると何人かが物販へ並び始める。最後尾は札をもつらしく、持っていた人に声かけて札を預かる。
札の裏には物販メニューが載っていたけどゆっくり眺める間もなく後ろの人に札を渡した。

初めて参加したライブで購入したものはオリジナルTシャツ、ミニアルバムCD。そして握手券を新規参加者の特典でもらえた。

オタクはそれぞれ目当てのメンバーに並んで順番に握手をしたりチェキを撮って話している。
私もリプしてくれたメンバーの子に並んで順番を待つ。
緊張していたから待つ時間は全然苦ではなかった。
なにより1m範囲内に可愛い子が立っていることが落ち着かなかった。

そして私の番となり、メンバーの子がこちらを見た。

「はじめましての女の子だ〜!」

めちゃくちゃ可愛い。照れる。

握手券を手渡すと優しく手を包まれた。手が柔らかくすべすべなことで頭がいっぱいにならないように頑張って会話に集中した。

初めて見る顔だったこともあり、Twitterで呟いてた者であることはすぐに気づいてもらえた。私のTwitterも見てもらえてたらしく、先日呟いていたソシャゲが好きという共通点があることを知った。

「ライブ中、こっちを見てる目がキラキラしてたよ!」

それは多分半泣きだったから、という言葉は飲み込んだ。

スタッフによる剥がしなどはなく、会話が一段落ついたところで私も心臓が限界だったのと後ろの人をあまり待たせたくなくて立ち去ることにした。
去り際に鼻の下を伸ばしながら手を振ったら、

「あの子ちゃん、かわいい〜〜!!またね!」

さすがアイドル、アフターケアもバッチリだった。


3.その後の私

そうして地下アイドルのオタクになった私ですが、推しはRTで回ってきた子でも初参戦で握手した子でもありません。

同じユニットで活動してる他のメンバーの子を推してます。

こんなドラマがあったら推してる流れだったかもしれなかったけど、RTで回ってこなかったら私はこのユニット自体知らなかったし、リプがなければ物販に並ぶ勇気もなかったかもしれない。

全ては推している子に会うためには欠けてはいけない出来事でした。

なぜ推しを推すようになったかは、また別の機会で。

人生を良い意味で狂わせるような特大の「好き」はちょっとしたきっかけやチャレンジ精神で見つかるかもしれないことを学んだアラサーでした。

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