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D2Cは儲かる?D2Cで誰が儲かるのか分析してみた

今日はここ2年くらいよく聞くようになったD2C

ご存知ない方のために説明すると
Direct to Consumer(直訳:直接消費者へ)
直訳の通りなのですが、いわゆる仲介会社を通さずメーカーが直接消費者へ商品を届ける商売形態のことを指します。

私は肌にすごく気を遣っているので新しい化粧品のD2Cブランドが出ると必ずチェックしますが、そのほかにもアパレル、食品、サプリメント、家具、お酒等様々なD2Cブランドが出てきているようです。

まさに有形物を扱う商売の最先端とも言えるD2Cですが、

はたしてD2C事業者(ブランド)側は儲かっているのか?

と思ったことありませんか?

今回はD2Cで儲かっている会社あるいは損している会社を徹底的に分析してみようと思います!


なぜD2Cが流行ったのか

そもそも、D2Cがここ2年で大きく流行したのは大きく2つの理由があります。

①EC(ネット販売)の大衆化

各種インターネットサービスや電子マネー、クレジットカード、電子通貨の普及に伴い、インターネット上で物を購入することが一般的になりました。これは一般消費者のマインドの変化が非常に大きく関係しており、スマートフォンから本格的に普及した2010年から約10年間で、少しずつ大衆が「インターネットは信頼できるもの」という感情を持てた結果です。

②広告のハードルが下がった

従来に比べ、情報の発信がSNS上で容易にできるようになったことで事業者が新しいサービスや商品をリリースした際の宣伝広告のハードルが大きく下がりました。TwitterやInstagramをはじめとするSNS上でトレンドをキャッチするのは若者だけにとどまらず、TVでは手に入らないリアルな口コミを求めて多くの消費者が日々有益になる情報を検索しているのです。


D2Cの収益構造

ここではいわゆるD2Cブランドの原価、収益構造について分析していきたいと思います。

扱う商品によりますが、仮に定価が10000円の商品と設定すると、値段のブレイクダウンは下記の通りです(私の感覚値なので、例外もあるかと思います)。

原価:1500~3500円(15%~35%)
広告費:3000~4000円(30~40%)
物流費:500円(5%)
決済手数料:500円(5%)
→利益2000円~4500円(20%~45%)

一般的に最も原価を下げにくいと言われているのはアパレルで原価率30%前後、食品や化粧品などは原価率15%~25%程度と言われています。

原価率の低さに驚かれる方もいるかと思いますが、世の中に流通している商品の原価は平均的にこんなものですよ!!

利益率20%~45%と聞けば聞こえはいいものの、事業者はさらにここから開発資金や事務所代、従業員へ支払う給料等も賄っていかなければなりません。

そう考えるといかがでしょう?

仮に10000円の商品を10000個売ったとして売上1億円、粗利2000万円、営業利益1000万円も残ればいいほうでしょう。思ったより儲かりませんよね?

結論、D2Cは相当売れない限り儲かりません。さらにはインターネットサービスに比べスケールしにくく、大手企業による買収もされにくい事業であることを理解してください。

では
なぜD2Cが流行っているのか?なぜD2C事業者が増加し続けているのか?


真の儲かっている企業とは

D2Cの流行によって本当に儲かっている会社は2種類あります。

①原料メーカー、工場

これは意外だと思う方も多いかもしれませんが、やはり川上と呼ばれるプロダクトの上流を抑えている会社は非常に安定的に儲かっています。

それは、D2CだろうがD2Cじゃなかろうが日本国内1億2000万人が消費する食糧、化粧品、アパレル、サプリメント等の総量は変わらないからです。

さらにはD2C事業者が増加することによって、いわゆる零細企業や業界未経験者が多く参入してくるため、原料メーカーや工場にとっては価格の釣り上げや有利な決済条件での取引を容易に行うことができます。原料や工場の製造コストは一回あたりの発注量によって上下することが多く、零細企業のような中小事業者では一回あたりのコストが割高にならざるを得ません。

②物流、決済代行会社

もう一度先ほどの値段のブレイクダウンを見ましょう。

原価:1500~3500円(15%~35%)
広告費:3000~4000円(30~40%)
物流費:500円(5%)
決済手数料:500円(5%)
→利益2000円~4500円(20%~45%)

この中でどうしても避けて通れず、コストダウンも難しいのが物流費と決済手数料。

こんな有名な昔話があります。

金が出ると有名になった山で一番儲かったのは山に金を掘りに行った者たちではない。掘る道具を売った道具屋と、ごはんや寝床を提供した民宿である。

まさにこれ。D2Cを開始するにあたり、絶対的に必要となるサービスの基盤を固めている会社が儲かっています。

この2種類に共通して言えることは大手企業が多い業界であること。

つまりD2Cは上記に挙げた大手企業が安定的に儲かるよう作られた流行であり、波に乗っているD2C事業者たちはさほど儲かっていないのが現実です。



「会社でなんの事業やってるの?」と聞かれて、「D2Cやってます!!」って言えばかっこいいですよね。でもかっこいいだけで儲からないんです。

D2C事業を始める方の参考になればと思って書きました!コメントいただけると嬉しいです☺


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