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エッセイ

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あのときの、あの感覚
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2024年7月の記事一覧

とっといたって仕方ないじゃん

自分の中の常識が覆される瞬間はきもちいい。

え、そんなことしちゃうの?
それ、ありなの?
そんな考え方あるんだ?

と気が付くことで、世界が広がっていく。
常識に縛られていたと思い知ることができる。

昔勤めていた会社の上司がとても素敵な女性で。
部下のやりたいようにやらせてくれて、ミスがあったらカバーしてくれるような、懐の深い人だった。

上司と、私と、もう一人の社員と、三人で打ち合わせをして

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元夫と子どものこと

私は一度、離婚を経験している。
子どもはいない。

元夫はずっと欲しがっていたけれど、結局作らなかった。

セックスレスだった。
人としては好きだけれど、生理的に無理だった。結婚前からそれは変わらず。

じゃあなんで結婚したんだよ、って話だけど、浅はかでしたとしか言えない。

セックスはしなくてもキスやハグはしていたし、友だちみたいにくだらないことで笑い合って仲良しだったから、結婚して必要となれば

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ガーベラ

初めて自室に飾った花は、ピンクのガーベラだった。

ガーベラって、絵に描いたようないわゆる「お花」って感じでかわいいなあと思っていた。

たぶん中学生のころ。
プラスチック製の透明の花びん(薄ピンク色で、コップみたいにまっすぐで、表面にぼこぼこした加工が施してあった)に、一輪入れた。

その様子は、脳内に3D映像みたいに思い浮かべることができる。

当時マンションの5階に住んでいて、私の部屋は北側

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枯れてゆく切り花

切り花が好きだ。
2週間くらいで枯れてくれる所がありがたい。

ひとしきり会話を楽しんだ後で、長居をせずに帰っていく友人みたいだと思う。
その場をぱっと明るくして、さっさと立ち去るのはかっこいい。

鉢植えの良さももちろん知っている。同棲相手やペットのようにずっと同じ家で過ごす喜びがあるし、長く連れ添ったら愛着もわく。

けれど「枯らさないようにお世話をしなくては」と、プレッシャーを感じて苦しいの

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