見出し画像

業界事情を知り抜き、物流課題の解決を仕組みによって行うと決意。「そこにハコベルあり」という地平を目指す

 大手運送企業で配送と本社勤務経験を持つ佐藤 祐二に、ハコベルはどんな会社?と尋ねると「物流に対してめちゃめちゃ熱い想いを持ったメンバーが集まった会社」と即答しました。そう語る佐藤その人が、情熱の炎で静かに燃えているよう。「変える必要のある課題」と「変えることができた先にある未来」に対して明確なビジョンを持つに至った背景を聞きました。

一般貨物運送手配事業部 東日本営業部 マネージャー
佐藤 祐二 Yuji Sato
新卒で三菱ふそうトラック・バス株式会社に入社しトラックの検査員を経て、神奈川日産自動車株式会社で個人営業で成績トップの実績を上げる。佐川急便株式会社へ転じ3年ほど一般ドライバーに従事し、管理業務へ。その後本社営業開発部へ異動となり大口企業案件を担当する。さらに営業部へ異動するとローソンとの共同事業会社「SGローソン」の立ち上げなどに関わった。その他にも現場業務の業務効率化を目的としたシステムの企画立案から運用の構築など様々な業務に携わった後、自身の志願により7年ぶりに現場業務に戻ったのち、そこで見出した物流業務における課題解決の必要性を感じ、ITベンチャーである株式会社オプティマインドへ転身。その後ハコベルへ、現職。

大手運送企業ではドライバーから本社へ、自ら志願して再び現場に戻った「7年後の衝撃」とは

—— 佐藤さんのご経歴は「自動車業界」と「IT系ベンチャー」に明確に分かれているのですね。

 結果的にそうなっていますね。そのときどきで抱く課題感に対してチャレンジをしてきた結果ではありまして、現在に至る直接的な経験に特にしぼってお話すると、結婚というライフステージの変わったタイミングで大手運送企業に転身しました。

 さて、その大手運送企業に入社しまして、よく街中で見かけるドライバーがいますが、まさにあの仕事をしていました。こちらではさまざまな部署でいろんな経験をすることになりました。スタートから3年ほど経ったときに昇格の機会をいただいて、まずドライバー職から管理職系に仕事内容が変わったのです。

 営業という仕事が好きでしたので、そこでもバリバリと営業活動をしていましたら、今度は本社の方から声がかかって、「佐藤は本社で大口の対応をせよ」というお話をいただきました。そこで、本社で先進的ロジスティクスプロジェクトチーム「GOAL」の前身である、営業開発部に移り、そこで大手のお客様の担当や、新規開拓に従事していました。

 やがて、そこからさらに大口案件、大口の企業様との仕事の派生として、コンビニエンスストア事業者様と共同で出資した取り組みとして、店舗を起点とした自宅等への配送・御用聞きサービスなどを行う事業に携わるなどし、すると今後はその営業開発という部署から「そういった新しいものをつくる部署に来てほしい」というお話がありました。そこで本社の商品企画部に異動となった経緯です。

 そこではいろいろな企画提案を立案し、実にさまざまな企画を実行してきました。

——  聞けば自動車販売会社でも成績トップ、次の職場でも現場業務から本社へ、さらには商品企画までと実に多彩なキャリアです。順風満帆にも関わらず、大手運送企業を退職へ。

 そうですね。私、根っから体を動かしている方が好きなんです。そこで7年の本社勤務ののち、「そろそろ現場へ返してほしい」とお願いしました。自分がもといた店舗へ戻していただいたのですが、これが転機となったのです。

 なにしろ7年という時間が経過しました。現場も大きく変化しているのだろうな、と少し期待していたのですが、ところが現場はなにも変わっていなかったのです。もちろん、一部システム化するなどの変化もありましたけど、改善を要する業務体系などはなんら変わっていない。そうか、内部から仕事を変えていくことには限界があるのかーー。これはけっこうショックな体験でしたね。

 明らかに解決の必要な大小の課題がありながらも、しがらみや新しい技術を取り入れることへのあまりにも大きな壁があることを感じ始めていたとき、ルート最適化サービスの開発をしているITベンチャーの代表の方に出逢う機会があったのです。お話を聞いていると「すごい面白いことをやっているんだな」と感銘を受け、すぐ行動に移してその会社に入社したのです。

 転職につながった「7年後の衝撃」の渦中にいた際も、決断は割りと早かったです。もちろん悩みはするのですが、悩んでも前に進まないと感じると私はチャレンジしてみよう、それでダメならまたそのときだ、というタイプ。動いてみないとなにも始まらないですからね。

成果を全力で追求する姿勢と、働く環境としての魅力。ここでこそ自分の使命を追求したい

——  その動いた先のITベンチャーがハコベルへとつながっていくわけですが、もう少し詳しくお聞かせください。

 その会社が提供しているルート最適化サービスを、前職でも実際に触ってみたことがあったんですね。実際に使ってみて「いいな、使いやすいぞ」と思いました。同社のビジョンや提供サービスは、これからの物流を変えていくものとして非常に共感ができ、「その仕組みをもっと磨きあげていきたい」と意気込みをもってジョインさせていただいたのです。

 ひとくちに「ルートをつくる」と言いますが、実はいろいろな制約があるものです。たとえば道路データのなかで「クルマをここに止めたら配送ってより効率化できるよね」というのは、人の頭ではわかるものが、それを機械的に仕組みで条件を付けることが非常に難しい。それは、多種多様な条件があるためです。

 たとえばA地点・B地点とあるなかで、その中間地点にクルマを止めて、「両方走って配れば早いよね」という考え方は人間にはできるのですが、それを機械的に再現できるか?というとすごく難しくなります。

 こういった繊細な内容を解決していくには、ひとつには膨大な機械学習と言いますか、使い続けてたくさんのデータを蓄積することも必要になります。属人的とも評される物流業界特有の、人に紐づいた経験値をうまくシステムに反映することができていけば、もっとサービスは精緻になっていく。その反面で、決して少なくない時間と工数、そして費用もかかるという事実に対して、だんだんと「この実現をもっとスピードアップしたい」と、気持ちがはやりました。
  
 そんなふうにして仕事に没頭していたあるとき、ハコベルからたまたまスカウトメールをいただいたのです。

——  佐藤さんとしては当初入社の意思はなかったのですよね。最終的な決め手となったのはどういった点だったのでしょうか。

 これもご縁だし話を聞いてみるか、と思いつつも、当時私は現職に思い入れもありましたし、「ここでがんばる」と自ら強く決意していたことから、途中で投げ出すようなことになるのはいやでした。ですから「お話は聞いてみたいけれど、入社の意思はないです」というのはあらかじめ伝えていました。

 とはいえその後、さらに執行役員の石川 瞬さんを紹介されたのを皮切りにいろんな方に話を聞く機会をいただくも、しばらくの間は気持ちも変わらず。ところが階層の異なる何人かの方と話していくうちに、ハコベルというのは「物流とIT」の掛け合わせのサービス展開で、効率化を進める仕組みづくりだけでなく物流業界に特有の慣習をも汲んだ会社なんじゃないか、と思うに至り、この独自性に大きく心が動かされたのです。

 最終的な決断に至ったのは、営業部の方と1 on 1で話をする機会をいただいたこと。ハコベルがITベンチャーとしてゴリゴリ仕事を進めること、働く環境として非常に整備されていること、それらがしっかり両立していることを実感できたからなんです。私の軸でもある「オン・オフの区別」をしながら存分に成果を追求できるな、と思いました。

 入社するにあたっては、もともとお知り合いでいらした代表同士でもお話をしてくださって、双方に禍根が残らない形を採っていただいたことはいまでも非常に感謝していることです。

1人の求心力に依存するのではなく、バランスのとれた人員構成で同じ目標に向き合える喜び

——  佐藤さんが求めていた「仕事」と「環境」が一致した、ということだったのですね。勤務してみて率直にご感想はいかがですか。

 私は「目の前にあるものを全力で追いかけたい」タイプです。見える範囲に売り上げにつながるものがあるのなら、全力で取りに行くのがベンチャーとも思っています。そして、全社がその感覚を共有している組織ってとても良いな、と思うのですが、過去には私ががむしゃらにワーっ!て突き進んでいましたら「あれ?なんか違うのかな」という空気になった会社もありました。

 ハードワークを最上とするのではなく、目の前のものに全力でくらいついた結果としてハードワークになるのはしょうがない。ハコベルに入ってわかったのは、目の前に機会がめちゃくちゃぶら下がっている状態ということ。ベンチャー企業で、もうすべての対応策が既にできていて、それらに再現性もあり会社も軌道に乗っている…という状況ってあんまり考えにくいですよね。だからこそ、みんなが全力で機会をモノにしようとまい進できるのはすごく私に合っていると感じています。

 現在私は一般貨物運送手配事業部で東日本営業部のマネージャーを務めていますが、入社したてのころはセイノーさんとのシナジーを創出する、向き合いの営業を担当していました。いまはさらに拡がり、全体の各事業会社様と向き合いの営業という形です。

 物流業界全般に言えることなんですけど、「ヒト対ヒト」がすごく色濃い業界であり、かつ色濃い事業なんですね。言葉に出さないにしろ、「ウチをないがしろにする会社とは付き合わないよ」というような傾向が強いと感じます。22年のジョイントベンチャー設立以降、全社でとにかくセイノーさんに通って実績を蓄積してきたように、今回新たにご出資頂いた企業様ともまた、同じく密にコミュニケーションを図り、支店さんに顔を出させていただくつもりです。

 私どもは、先方様にとったら「一運送会社・一協力会社」かもしれませんが、ただ我々は他の会社とは違う、「いつも来るよね、ハコベルさん」という形にしていきたい。「そこにハコベルあり」。そういう状況を目指していきます。

——  「そこにハコベルあり」。それを目指すと宣言する佐藤さんの覚悟と気合、意欲や情熱があふれんばかりです。

 いやいや。もともとの私自身の気質とは別に、ハコベルの持つ温度感と熱量でもありますから。過去に在籍した企業では、社長の強い求心力に基づく組織運営などもありました。社長のひと声で空気が刷新されるとか。ですがハコベルって、「この目標を達成するぞ!」と言い続け、そこに向かってみんなががんばっていく姿が基本です。そういう光景は、入社した瞬間から圧倒されるものがありました。これはハコベルが決定的に他社と違うところです。

 そういった社風や文化をつくってこられたのだと思いますが、同時に人員についても気づいたことがあります。推進力がある人と、バランサーになる人、これが必ずセットで存在しているということ。たとえば1人が強力な推進力でワーッと進めているかたわらには、必ずバランスを摂る人がいて、それが組織全体にワークしているというか。

 あと、業務面でも実はすごいことをしています。貸切事業は従来、電話でのやり取りがメインでしたが、一般のトラックをWeb上で手配を完結できる仕組みはそもそもなかったと思います。それがシステム上で金額がパッと出てくることは驚異ですよ。

 おおむね電話で確認し、どこからどこまでの距離でいくら、というやり取りがあるものですが、人の手を介するのでタイムラグが発生するものです。それがパソコンひとつあればすぐに金額がパッと出るだけでなく、さらには「100%手配しました」と言い切れるハコベルのサービス。そんな価値を提供できているということが、私には驚きのひとつでした。

——  佐藤さんご自身に荷物の配達経験があるからこそ、そのすごさがわかるのでしょうね。

 特に繁忙期にそのすごさを実感しますよ。繁忙期って、いつも懇意にしている協力会社に電話してもつながらない、クルマがない、そんな事態が頻発するんですが、電話でもう何時間もハマるんですよ、たった1台の車を見つけるのに。そこにきてハコベルなら、ポチっと押したら自動で手配してくれるわけじゃないですか。めちゃめちゃ楽ですよね…!

 そんな画期的な価値を提供できていること、さらに貸切のOEMにより、エンドユーザーさんにも直接購入いただけるプロダクトも提供できている。業界事情がわかるからこそ、私はこれらのことが実にすごいことだと感じており、もっともっとたくさんの方々にお使いいただけるよう、拡げていくことを使命としているんです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?