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包括したデザインを取りまとめブランディングに落とし込む。デザインを通した社会課題解決を目指して

 ハコベルのプロダクトデザイナーとして入社し3ヶ月が経ち、「みんな優秀で理解度の早い人が多い」との感想を述べた森下。多様なデザイン経験を持ち、改めて自分の理想と向きあったとき、明確に志向したのが「B to Bで顧客目線を重視したサービスに携わりたい」という思いだったそう。ハコベルでの仕事、そしてこれから手がけてみたい目標などをお聞きしました。

プロダクト開発部 プロダクトデザインG
森下 史崇 Fumitaka Morishita

大学で音楽を学び作曲を専攻するも在学中にデザインに出合い、手がけた作品が大手小売店で販売されるなどの経験からデザイナーとしてのキャリアをスタート。制作会社に15年在籍し、グラフィックデザイン、Webデザインやアプリケーションデザインに従事し実績を積む。B to C、B to Bそれぞれの事業会社でデザイナーを歴任したあと、「顧客目線でのデザインに携わりたい」との思いでハコベルへ入社し現職。

緻密に設計された各サービスのデザインを見渡し、整理し解釈することに集中

—— 森下さんは現在、プロダクト開発部でプロダクトデザイナーとして従事しておいでです。「プロダクトデザイナー」の仕事内容はどういったものでしょうか。

 おそらく会社によって定義が異なるかと思います。「プロダクトデザイン」とは、いろんな領域がありまして、たとえばグラフィックデザインではパッケージのデザインをプロダクトと呼びます。ハコベルでいう「プロダクト」とは、ハコベルのそれぞれいろいろなサービスのことを「プロダクト」と呼び、そのデザインをするという意味でプロダクトデザインとしています。他の会社で言うところの、UI/UXというのと同じ位置付けだと思います。

 現在2つの軸で業務を進めており、ひとつは前述のプロダクトデザインという領域と、もうひとつがコミュニケーションデザインです。ハコベルという事業で展開している「ハコベル運送手配」や「ハコベル運送手配PLUS」などのUI設計を、現在既にある状態からの改修をしています。

 それらを前提に従事していますが、1番僕が力を発揮すべき業務は包括したデザインを取りまとめること。全サービスを見渡し、ハコベルのブランディングとして適切に成立できるようなUIに落とし込むというものです。そこで、すべてのサービスを確認しデザインを調整しているんですよ。UIを設計し直すという業務です。

 これまで優秀なデザイナーさんが制作してこられたわけですが、どうしても一つひとつのサービスで完結してしまうものなので、それをやはり全サービスを通して整理することが必要となります。それを集中しておこなっており、同時にそれがプロダクトデザインの難しいところだな、と感じているところです。

—— 過去の軌跡をご覧になるなかで、ハコベルのプロダクトづくりにおける気づきなど、どんな印象がありますか。

 すでに完成したものを直す、調整するというのはある意味ではゼロからつくることよりも大変です。改めて感じるのは、デザイン一つひとつのサービスが事細かくつくられている印象があります。デザインのクオリティも高いですし、UXの観点でいうユーザビリティーにおいても、しっかりと設計されています。
 ただ、全体を見渡したとき、同じUIであるべきところがこちらでは違うUIを使っていたりなど、そういう点の整備が必要となってきています。やはり、プロダクトごとにさまざまなデザイナーさんが関わってきたことで起きている課題であり、それを解消したいと考えています。

 あと、先ほど2つの軸とお話したもうひとつのコミュニケーションデザインという軸では、
例として挙げると広報でのプレスリリース等のOGP(Open Graph Protcol)画像やセミナー告知用バナーだったり、採用活動などで使用する写真、採用サイトもそうですね。これらもコミュニケーションデザインの一環です。

 あとは営業チームで進めるノベルティなども該当します。UIとまったく違う点は、ハコベル社全体のブランディングという意味合いでつくっている、ということ。接したクリエイティブがきっかけとなってハコベルを知ってもらうなど、そうしたコミュニケーションデザインについても力を入れ始めています。複数の部署の方と連携して進めながら、これらが現在2つ同時に動いているという感じです。

デザインや要件をさまざまな役割のメンバーで「ダメ出し」をするカルチャーに感じる敬意

—— ハコベル以前のご経歴は、現在の業務内容にどのように活かせていますか。

 これまでグラフィックデザイン業界でも仕事をしてきましたし、展示会のデザインもやれば看板もつくれる、と幅が広いので多様な制作経験があります。ハコベルではすべてのデザインを見れるというのは非常に面白いところです。

 前職はオンライン写真プリントを展開している企業で、プロダクト開発部のUI/UXデザイナーとして従事していました。写真を使ったプロダクトがあり、たとえば写真の印刷や自分で選んだ写真をそのまま製本できるフォトブック、年賀状などを誰でも簡単に本・漫画がつくれるサービスです。それらサービスの、現在ハコベルで携わっているようなプロダクトデザイン、アプリケーションデザイン、他にWebデザイン等を担っていました。

 もともと15年ほど制作会社におり、グラフィックデザインをおよそ5年、Webやアプリケーションのデザインを8年ほど携わりました。その後事業会社へシフトし、SaaSの企業や、B to Cの企業などをいくつか経てからハコベルへ入社しました。
 きっかけはたまたま転職を考えていたタイミングでオファーをいただきまして。その1社というのがハコベルだったのです。

 これまでのすべての経験がいまうまくつながっていて、特に「ハコベルならでは」の仕事としては、プロダクトデザインでPdM(Product Data Management)のメンバーと開発のメンバーとでひとつのデザインはもちろん、仕様や要件の検討などを全員で話す機会が結構あるんです。それは非常にエキサイティングな打ち合わせで、そこに面白みがありますね。

 いい意味で、デザインや要件に対してみんなでダメ出しをするというもの。それは社内のビジネスサイド側からであったり、ユーザー側であったり、みんな親身に考えているからこそ出てくる意見。そこでUIを「少しでも良くしよう」という議論がけっこう頻繁にあるのは非常にやりがいを感じるところです。

 わりとデザイナーもPdMも開発でも、それぞれひとりよがりになってしまう局面が他社ですと多く見受けられると思いますが、ハコベルではみんなで考えることができる。ふつうにありそうだけど、なかなかできなかったりしますので、そこは本当に良い会社だと思います。そこだけでも価値があるんじゃないですか。それは本当にそう思います。

—— ハコベルのプロダクトが社会課題に直接触れているからこそ、徹底して寄り添い型なのだ、と聞いたことがあります。

 デザインも時代とともに傾向のようなものがあるんですね。UIの使いやすさだったり、たとえばWebのサービスのUIもボタンの大きさに至るまでとか。あとはもうちょっと上の概念で「どうやって使われるべきなのか?」という議論など、ハコベルのプロダクトはこれまで緻密になされてきたという印象を持っています。IA(Information Architect)という部分をきちんと実装してきたということでしょう。

 そうした、事業としては既に実績も豊富なタイミングでデザイナーとして入社し、事業の拡大やさらなる成長の伸びしろにデザインが貢献できるフェーズです。現在、各サービスが1個ずつ柱として動いており、それがもう少し広い意味でプラットフォーム型になっていくはずで、そうなるとデザインの整備も紐づいてきます。

 それによって何ができるか?というと、デザイン組織の立ち上げもできます。開発工数などは学習コストでもあるので、同じようなUIを使うことで1個つくればそのまま流用することができる。旧式的な観点でもデザインは実は重要な役割を担いますので、そういうところの整備から入っていき、最終的にはデザインを通してサービスの拡大に進んでいけたらいいなと考えています。

—— デザイン組織の立ち上げなど、新しい展望が見えてきましたね。ハコベルのプロダクトデザイナーに必要なものはなんでしょうか。

 構想としてはありつつも事業成長の歩みと共にするものですので、いますぐの話ではないのですが、ハコベルの事業は社会インフラに貢献する性質のものですから、10年20年と組織が成長する間には自社でデザイナーを育成していくことも必要かな、という感じです。

 こうした事業に興味を持てることが前提で、デザインでよく言うのが「いろんな視点で物事を見られる人」というのが重要です。ビジネス視点で見ることができたり、サービス視点で見られる、あとはデザインの小さいタイプで見られるなど、多様な着眼点や広い考え方で物事を見てもらえる人には、ハコベルのサービスにおけるデザインは適していると思います。これがまた難しいと思うんですけど。

 よくデザイナーに向けて「木を見て森を見ず、森を見て木を見ず」といったことを言うんですよ。広い範囲で物事がきちんと見られるかというのと、きちんとプロダクトになったときに葉っぱ1枚まで見られるかというぐらい、それぐらい考えながらつくらないと、いいものができないので。すごく大事なのですがとても難しいことです。

気づきがデザインにはきわめて重要だから「多様な着眼点、広い考え方で物事を見る」

—— ハコベルのサービスは物流関係のさまざまな現場で工場の方、倉庫の方も使います。森下さんは物流業界は初めてだと思いますが、なにか発見とか気づきなどございますか。

 先日、撮影でセイノーさんの営業所にお邪魔しました。そのとき「ハコベル」を使用している事務所で働いているかたと、トラックのドライバーさんによってリテラシーの違いみたいなのを多少感じました。使っているパソコンも少し小さいなとか、モニターをほとんど使っていないかたがいるなど、現場でそういう気づきがありました。

 先ほどの「多様な着眼点、広い考え方で物事を見る」という話につながるのですが、以前子ども向け教育事業の仕事をやっていた際は、サービスを使う子どもの姿勢や家の環境、教材に向き合う椅子とテーブル、さらには子どもがどこに手を置くか?などをすべて調べてデザインに入ります。ですが、子どもが使うけれど契約するのは親である大人。ということは、ビジネス視点でバランスを取る必要があり、総合的にどういう人が契約まわりに関わり、使うのは誰か?といったところも考える必要があるんです。そういう視点を広く持たないとならないので、撮影で気づいた視点は大変貴重なものでした。

 インフラ業界のサービスとして、これまで誰もメスを入れてこなかったことに対してメスを入れ始めたことがすごいな、と思っています。その気づきが非常に大事で、それもデザインに精通するものがあるんですよ。

 気づきがあるかないかということがまず非常に重要であり、いちばん最初に着想した人は、物流がこういうことに困っているという事が分かった上で、こういう事業を始めたわけですよね。それがハコベルの意義だと思いますし、それを発見できた人たちが集まっているという事実は純粋に敬意を感じます。これはインフラを変えるということで、重要なテーマでもありますから。

—— ハコベルで実現していきたい、森下さんの夢や目標をお聞かせください。あと、ずっとお聞きしてみたかったのですが森下さんは音大出身なんですよね。

 そうです、音楽の大学出身です。専攻は作曲など学んでいたのですが、デザインに触れることがあり次第に音楽に関連しておこなうライブのためのノベルティ、販促ツールなどをつくるようになると、そちらのほうに強く関心が移りました。
 そこから「ちゃんとデザインをやってみようかな」と考え、アルバイトから始めてデザインのいろはを実践で身に着けていきました。

 社会に出る前に、自分の適正と興味を持てることに出合った状態で社会に出ることができたのはラッキーでした。そして現在の夢と目標については、デザインを通して社会課題解決をしていきたい。まずこれがもっとも重要なことです。

 あとは、ハコベルでやっぱりいずれ新しいサービスを立ち上げたい、というのはありますね。いつも冗談半分で話をしているんですけど、今後ドライバーさんの成り手が減っていくのなら、AIを活用して自動運転というアプローチも出てくると思います。分業が進んで「荷物を積む」だけの業務などに分かれたり、遠くない未来の夢物語としてたまに考えています(笑)










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