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「ありがとう」から始まった物流人生。入社と同時に大口顧客開拓を成立した辣腕に、携えるのは誠実さ

 「物流に魅せられて、物流孝行がしたい」と、静かに抑えた口調で話す玉置 郁矢。インタビュー前にしっかり自分の考えを棚卸して臨み、少しでも抽象的な言葉があると自ら解像度を高めて解説する姿勢に、彼が営業職として大切にしている想いが垣間見えます。そのなかでも幾度となく登場したのが「僕は物流生まれ、物流育ち」。子が親に孝行したいと願うように、ごく自然に育ててくれた物流に「物流孝行したい」。そんな “物流サラブレッド” な彼の原体験とこれからの夢についてお話いただきました。

軽貨物運送手配事業部 軽貨物営業G
玉置 郁矢 Fumiya Tamaoki
学生時代の4年間、アート引越センター株式会社やヤマトホームコンビニエンス株式会社などで「引っ越し」業務のアルバイトに従事したことで物流業界に魅せられる。新卒でそのまま当時アルバイトをしていたヤマトホームコンビニエンスに就職し、東京エリアのハブ店であった世田谷支店に配属となる。引っ越し業務と宅配業務を1年間担ったあと本社の営業戦略部へ異動、法人営業とマーケティングに従事。2022年8月にハコベルへ転身、現職。

荷物を運んで「ありがとう」と言われた引っ越しバイトが原体験。物流に魅せられる人生が始まる

—— 学生時代の引っ越しバイトが物流業界へ入ったきっかけとのこと。さらに新卒で就職までなさいました。決め手はなんだったのでしょうか。

 いろんなアルバイトをするなかで、引っ越しや物流は「段ボールを運んで渡しているだけ」という感覚で当初はいました。ところが荷物を受け取ったお客様が「ありがとう」と仰る。この「ありがとう」が僕のなかでものすごく大きかったのです。原体験ですね。
 「疲れたでしょう?飲み物あるよ」とか、「こんな階段を上って運んでくれてありがとう」といった言葉をかけていただくことで、「この仕事ってすごく人のために役立っているんだな」と社会経験のない若造ながら、衝撃を受けました。これがお客様に育てられたという感覚を初めて知った、僕の物流との出逢いなんです。

 引っ越しってその方の人生の節目。生活が変化するときに立ち会う引っ越し業者に、お客様の方でも特別な想いを分けてくださるというか。ハレのめでたいことに自分が立ち会える、そして仕事をしているのに感謝をされるという事実がとにかく衝撃でしたし、もっと大きなやりがいが欲しい、と思うようになりました。そういう仕事をとおして自分の自己成長を感じることもできたので、もう魅せられてしまったんですよ、物流に。

 就職活動も親の気持ちも汲んで一応はしたのですが、心はもう「物流に行く」と決めていました。アルバイト時代に「一緒に働こう」とお声をかけてくださったこともとてもうれしかったんですよ。僕は本当に熱い人間ですから(笑)。

—— 人情派ですね。そうして前職で現場1年、本社4年と、玉置さんの「物流人生」が本格的にスタートしたわけですね。

 はい、入社後配属された世田谷支店は東京のハブ店で、扱う量も多いですし倉庫、ロジ機能も有していました。そのため、現場時代は引っ越し事業と宅急便と、万遍なく携わることができました。1年後に本社に異動してからは、法人営業の担当となりました。部署は営業戦略部で、マーケティングも必要となるポジション。物流に魅せられたというスタートからしたら、営業もマーケティングも両方できるのはもう楽しくて仕方ありませんでした!現場での接点はエンドユーザー様、営業では荷主様。物流って荷主の意思をそのままのかたちでエンドユーザー様まで届けるという一連の流れが非常に大事ですので、両方を知ることができたのはとても楽しかったんですよね。

 現在ハコベルで僕は、軽貨物の営業。平たく言えば法人に行って、「軽車両で配送できる荷物をハコベルで手配しませんか?」という業務ですが、これはあくまで表面的なもの。少し具体例を交えてご説明しましょう。

 僕の前職であるヤマトホームコンビニエンスはもともとヤマトホールディングスのグループでしたが、2021年にアート引越センターが親会社になりました。そう、学生時代にバイトをしていたことが、ここでつながります。ハコベルに転職する際にご挨拶をしまして、「アート引越センターに営業していいですよ」とまで仰ってくださいました。

 とてもうれしかったですね。その後実際にハコベルに入社してご提案もできまして、お取組みがスタートしています。ありがたいことです。ハコベルをどのように活用していただくかと言うと、アートさんでお引越しをすることになったお客様に、事前に荷物を梱包する段ボールをお届けするのですが、これまでは自社で届けるか運送会社に委託しておられました。その委託していた分をハコベルで手配していただく、というものです。引っ越しは3月が繁忙期ですから、これから忙しくなりますね。

育てられた物流に孝行すると決意。関わる人の声を反映させて “次” の物流をつくりたい

—— 前職での働きぶりと人柄が評価されているということですよね。順調にお仕事なさっていたなか、ハコベルへの転職を決意したのはどうしてでしょうか。

 前職の商品、サービス共に大変すばらしいものなんですよ、正直なところ。サービスは誰にとっても使い良く平準化され、親しみやすいうえに便利です。みんなの合格点は超えていると言えます。

 一方でハコベルは「物流の “次” を発明する」と掲げています。これって、いままで100点満点だった世界で120点を目指すということだと僕は解釈しているんですよね、“次” を発明する、ということは。僕はこの自由さというか、自分たちが新しいスタンダードをつくっていくんだ、という「みんなの100点をさらに120点を目指していこう」というところに、とてつもなく魅力を感じました。

 

 転職は「新しい可能性に挑戦したい」などの気持ちもあったのかもしれませんが、僕は「物流生まれ、物流育ち」。生まれが物流なので、親に孝行したいって当たり前じゃないですか。親孝行したいんですよ、僕は。 次のステージに僕自身の可能性云々とかいうよりは、この物流というものを「もっとよくしたい」。この強い想いがありました。 
 「物流の “次” を発明する」。これに心から共感したのです。

 直接的な転職の経緯においては、そもそも実は転職する考えを持っていなかったのですが、「自分の市場価値をあげていくべき」とアドバイスしてくださった方が近くにいました。僕のことをとてもよく見ていてくださったんだと思いますが、僕がもっと輝くには外から自分の価値を知ることの大切さを教えてくれました。

 自分の現在地を知る手軽な方法として、いろいろな情報をキャッチアップしたりフィードバックを得られることを期待して転職サイトに登録しました。そのうちにハコベルから連絡があり、内容を見てビビッ!と来て…いまに至ります。

—— 「物流の “次” を発明する」というミッションに心から共感をし転身。玉置さんのイメージをお聞かせください。

 いままで僕が携わってきたのは主としてパッケージされた商品でした。ところがハコベルというのは、物流のプラットフォームを生み出している。そこにはものすごい自由度があって、自分のやりたいことだけでなく、荷主様や受取人様といった世の中のお客様たちが望むことを具体的にひとつずつ耳を傾けていき、このプラットフォームに想いを載せていく。形づくっていくことができるんじゃないか。そう僕は考えています。

 原体験である、引っ越し業務の「ありがとう」からずっとつながっているんです。僕の営業の立ち位置は、いまはまだ、未完成の物流のプラットフォームというものの周辺に潜在的に内包されている、お客様や世の中の人たちの声を聞く役割だと思っています。

 プラットフォームという言葉には、システム上の意味合いの他に、「いろいろな価値が生まれる基盤」としての意味もあります。ハコベルの意義はそこであり、世の中一般で言われる物流事業者には難しいけれど、ハコベルというプラットフォームだからできることなのです。「みんなでつくっていく」。

 黙っていても勝手にでき上がるわけではないですから、僕みたいな営業がひとつずつ拾い上げて、材料を運び社内に持ち帰る。するとプロダクトを開発する人たちが、僕が預かってきた想いを実際にかたちにしていく、といった、その役割が営業だと思っています。

目標は「みんなのハコベル」。未知なる伸びしろを志を同じくする仲間と追求

—— しっかりしたビジョンとピュアな想いで仕事をしているのが伝わってきます。では、ハコベルのサービスは実際に触ってみて、売ってみて、営業としてどんな感想を持ちましたか。

 やっぱりすごいですね。自由度がとても高い分、まだ未完成のところももちろん含みつつ。たとえば、お客様の配送依頼先リストが200件あったとしますよね。これを配送事業者が依頼を受けると、200件を車10台用意するので配送順などをすべてお聞きしていくわけです。指示書を受け取って、それをどういうふうに運びますか?と仔細に計画していくのが通常の運送会社の進め方。

 ハコベルではそのリストを受け取ったらすべてシステムが順番も決めて、適切な車の台数を決めていくところまで一貫してシステムでぐいぐい回して、「ではこれでいきます」ということができてしまう。これこぞ「IT×物流」ならではだと思いますし、こうしたところが従来の物流ではなくて「×IT」の部分がこれから120点を取りにいく部分なんだなと思っています。

 特に、僕が入社したのはJV設立からちょうど1年のタイミングで、それはもうずっとワクワクが続いています。「物流孝行がしたい」と言いましたが、抽象的なのでいったんそれの目標を明確に決めまして、「みんなのハコベル」にしていくこと。そう決めました。

—— 玉置さんの「物流孝行」、それは「みんなのハコベル」だと。これはどういうことでしょう。

 たとえばですが、いま「ヤマト」と言えばなんとく「みんなのヤマト」という感じがすると思うのですが、これを「みんなのハコベル」という段階にまでしていくということは、誰もがハコベルをよく知っていて、便利だし気軽に使うことができている。そういう、ハコベルを当たり前に使ってくれる世の中にしたいと思っているんです。

 これがいったんの、僕の物流孝行のひとつとしていますが、それは険しい道のりです。「みんなの」という状態にまでなるのには、関わるすべての人、それこそ「All ハコベル」で関係した結果ですから。三方よしはおろか、全方よしで、パートナーさん、ドライバーさん、荷主・荷受人、すべてのステークホルダーが物流上で幸せになるような世界です。

 ですから僕の物流孝行は、まだ駆け出し、産声をあげたばかり。僕は僕なりの役割を、お客様の声を拾ってくるという部分をまっとうしたいですね。

 ハコベルの良いところは、こうした志を持っている人がとても多いこと。まだ完成されていないサービス、誰もつくり上げたことのないサービスを一緒に描いていこうぜ、という熱い思いを持った人が多いんですよ。成熟されたサービスをいかにうまく回していくか?という仕事とはまったくベクトルが違うので、この未知の伸びしろの部分を「一緒に新しいものをつくっていこうぜ!」って感じがすごくあるのです。

企業のトップが「誠実さ」に重きを置く組織で、「ありがとう」の総数を増やしていく

—— 無限の可能性をみんなで切り拓いていく喜びがある仕事、そして職場なのですね。

 ハコベルの「Value」はラクスルのDNAも受け継ぎつつ「System、Cooperation、Reality」とあります。狭間さんがここに「Ownership」「Integrity」誠実さを加えたという話が僕はとても好きです。

 荷主様はじめいろいろなステークホルダーに対して誠実に向き合うことが、物流のこの業界ではとても大事なことだと仰って、僕はそれまでわかっていなかったのですが転職して狭間さんがこのお話をなさったとき、僕のなかで言語化されたんです。「僕が大事にしているのってこれなんだ」って。社長というトップの人がそれを大事にしてあえてValueに据えるくらいの組織なんだから、だから僕は共感できているのだ、と。

 そしてこの想いは僕だけでなく、従業員のみんなが思っているんだろうな、とハコベルで働いていて感じています。

 営業職として現場に行くことができるので、僕の役目は外に出ていろいろな人の意見を聞いていきたい。その先に「みんなのハコベル」があります。物流を通じて「ありがとう」をもらった原体験があり、ハコベルを通じてこの「ありがとう」の総数をひとつでも増やしていきたい。

 現場で、「玉置さん、こんなことできるかな?」
「ちょっと考えてみますね。できるように頑張ってみます」
「こんなようなかたちだったらどうでしょうか?」
というようにお客様の要望を叶えていくということは、またひとつ、「ありがとう」が増えることになります。そうした地道な活動を続けていって、積み重ねて、最終的に「みんなのハコベル」をつくっていきたいと考えています。










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