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秋の野の花ーお散歩で出会った「野菊」と「菊花開(きくはなひらく)」

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。
薄々勘づいていたのですが、どうやら食欲の秋になっていましたので、危機感を覚えまして、夕方はお散歩に行くと決めていました。
そこで出会った「野菊」のお話です。

野菊(のぎく)とは

野菊(のぎく) 
キク科 キク属/シオン属/ヨメナ属 など

野菊と一言で言っても、実はさまざまな種類の野生の菊の総称です。栽培されている菊とは、別のもの。という認識になります。

私が見つけた野菊は、ヨメナ属のお花だと思います。
ヨメナと一言で言っても、日本の在来種でもいくつか種類があります。その中で、特に暖かい地域に分布が多いオオユウガギクが、私の見つけた野菊の本当のお名前ではないかと思いますが、確信が持てません。
ヨメナのことを野菊と言うように表現する場合がありますが、正確に言うと、野菊と言ってもヨメナを指さないことが多いのです。

今回はさまざまな特徴から、ヨメナ属のお花であろうと判断しましたが、ヨメナに似たキク科の植物にノコンギク(シオン属)というお花もあります。

おっと、冒頭から、すっかりマニアックなお話になってしまいましたね(笑)

野菊は「秋の季語」

野菊は、田んぼの畦道を歩いていると、赤いヒガンバナが終わった後に咲き始めます。薄紫の花色が、「少しづつ寒くなってきましたね。」と季節を教えてくれる花の一つで、「秋の季語」の一つです。

野菊の登場する俳句は意外に多く、その中でも特に夏目漱石の句にお気に入りの句が2つあります。

草刈の藍の中より野菊かな
ー草刈りをしていると、藍(蓼科の植物)の中から野菊が覗いているよ
野菊一輪手帳の中に挟みけり
ー野菊を摘んできてきて、手帳に挟みました

句:夏目漱石/訳:haco

そうよね、そんなことあるわよね。と、とっても微笑ましくなる句だと思いませんか(笑)この句を目にして、夏目漱石がちょっと身近に感じたのでした。
ここで一句!と行きたいところですが、まだその域に達するにはもう少し修行が必要なようです。

なんでもない日常を、五七五の中に表現するって、案外難しいです。それでも、俳句や短歌は実際は紙もペンもなくても創作できる、とっても手軽な趣味になりそうですよね。

七十二候ー「菊花開(きくはなひらく)」

七十二候は明日13日頃から菊花開(きくはなひらく)
まさに、菊の花の開き始める季節です。と言うことなのですが、七十二候は中国で考案された季節の一つの指標です。

栽培品種の菊は、日本へは中国から奈良時代頃に伝わったとされいますが、元々中国の菊花栽培の歴史は日本よりもずっと古く、周の時代(約紀元前1066~紀元前771年)には栽培されていたそうです。

実はこの七十二候は、中国から日本に伝わって以降、何度か日本の気候に合うように作り替えられているのをご存じでしょうか。
例えば、二十四節気が「清明」その初候は「玄鳥至(つばめきたる)」ですが、中国では「桐始華(桐の花が咲き始める)」と言った具合です。

では、日本の「菊花開(きくはなひらく)」の頃はというと、中国では「雀入大水為蛤(雀が海に入って蛤になる)」、、、どゆこと?という暦になっております。
ちなみに、中国で「雀入大水為蛤」の次の候は「菊有黄華(菊の花咲く)」なんですよね。
他にも、もっと面白く興味深い日本と中国の七十二候の違いがあるので、もしご興味がある方は是非調べてみて欲しいな。と思います。

まとめー野菊の散歩道

毎日同じ場所を散歩していても、本当に目に入ってくる植物はその季節季節で違うもので、いつも道端をキョロキョロしながら歩いてしまいます。

今日は野葡萄(ノブドウ)も色づき始めていたし、野薔薇(ノイバラ)の実もまだ青かったけれど見つけましたよ。
野菊は、野生種とはいえさほど繁殖力はありませんので、外来種に飲み込まれてしまわないよう。変わらずまた来年も見れたらいいな。と思って見つめておりました。

そうそう、段々と日が沈むのも早くなってきました。
お散歩をしよー。もう少ししてからにしよー。と思っていたら、薄暗くなってしまうので、要注意です。明日はどんな植物に出会えるでしょうか。

では、今日はここまで。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。


↓園芸・栽培されている菊については、こちらで書いています。


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