「お得な日」に買ってもらうためのアイデア【実例あり】

「ドラックストアのポイント5倍デー」、「5のつく日はポイント還元率アップ」など、世の中にはさまざまな「お得な日」が存在します。
こうしたキャンペーンの効果を最大化するには「誰に」「何を」「どのように」「いつ」訴求するべきなのでしょうか?メールやPUSHでアプローチすることを前提に、考えてみたいと思います。

「誰に」(セグメント)

「お得な日」キャンペーンでアプローチしたい対象は、主に以下の2つではないでしょうか。
①まだその企業で購入経験のない顧客
②購入経験があるが、継続していない顧客

①の「購入経験がない」とは、例えばECアプリの場合、どのような状態でしょうか?

a. 最近アプリをDLしたばかりで、購入意欲はあるがまだ検討段階

b. 最近なんとなくアプリをDLし、あまりサービス内容をわかっていない

c. DLしてしばらく経つが、購入のきっかけがなかった

などが考えられそうです。

aやbの人は、アプリDL後1週間以内に商品閲覧・カート追加・会員登録など何らかのポジティブな行動を起こしたかどうかでセグメントできそうです。

cに関しては、アプリを定期的に起動しているが購入していないユーザーなどでセグメントできるでしょう。

次に、②の「購入経験があるが、継続していない顧客」とは、どのようなユーザーでしょうか?

a.欲しいものがあって買ったが、そのショップで買う理由はなかった

b.買った後そのサービスのことを忘れた

c.大幅値引きなどをきっかけに購入したが、通常価格では買うつもりがない

d.そのショップでの購入経験に不満を感じた

などが考えられそうです。

このうちもう一度買ってくれる可能性が高いのはaかbでしょう。

買わない理由がaなのかbなのか行動から察するのは難しいですが、aは購入時に見た商品詳細画面の種類が少なかった・キャンペーンではないタイミングで購入した、bは購入後一定期間アプリを開いていない、などでセグメントできるかもしれません。

「何を」(訴求内容)

次に、それぞれのセグメントに対し、何を訴求したらいいのか考えていきます。

①-a「最近アプリをDLしたばかりで、購入意欲はあるがまだ検討段階」
購入に近い層ですが、キャンペーンの存在を知らない可能性があります。
キャンペーンを認知させつつ、購入を後押しすることが重要そうです。

①-b「最近なんとなくアプリをDLし、あまりサービス内容をわかっていない」
まだ具体的に欲しいものが決まっていない層で、このサービスで買える物・受けられるサービスをよく理解していません。
商品の訴求・サービスのメリットを訴求しつつ、キャンペーンの存在を知らせることで購入意欲が高まるかもしれません。

①-c. 「DLしてしばらく経つが、購入のきっかけがなかった」
サービスについては理解しているものの購入に至っていない層で、キャンペーンについても知った上で参加していない可能性が高いです。
キャンペーンの存在だけではなく、より具体的に何がどれくらいお得なのか、興味関心にあわせてより強い訴求が必要です。

②-a.「欲しいものがあって買ったが、そのショップで買う理由はなかった」
→興味のありそうな商品を訴求しつつ、前回キャンペーンを利用せずに買ったならキャンペーンの存在も訴求すべきです。
興味のありそうな商品とは例えば、
・化粧水を購入→使い切りそうな頃に同じ商品訴求
・スキーウエアを購入→届いた頃に小物も訴求
などです。

②-b.「買った後そのサービスのことを忘れた」
→こうしたユーザーはPUSHやメールの許諾をオフにしている可能性もありますが、ONにしている場合、これまでの訴求が目に入っていないと考えられますので、より強い訴求が必要です。「ザ・コピーライティング」(ジョン・ケープルズ著)によると、「得になること」「新情報」「好奇心」の要素が入っているコピーに、人は惹きつけられるそうです。
例えば以前購入した商品の新しいモデルが発売、今購入すればキャンペーンでポイント5倍、のような内容でしょうか。

「どのように」(訴求表現)

ターゲットと訴求内容が決まったら、それをどのように伝えるか考えていきます。人を惹きつける表現については先ほども少し触れましたが、ここでは全てのターゲットに向けて使える訴求アイデアをピックアップしてみます。

・具体的にどれくらい得するのか数字を強調する
→「最大10,000円がもらえるチャンス!」(4%還元、上限10,000ポイント還元される場合など)

損を強調する
→「買うなら金曜じゃないと損!」

締め切りを強調する
→「まもなく終了!見逃し厳禁」

自分に言われている感を出す
→「先日は購入ありがとうございました。あなたへのお得なお知らせです」

簡単(で得すること)を強調する
→「10,000ptもらえる!いつもの買い物を金曜にするだけ!」

好奇心を刺激する
→「ずっと欠品していたあの商品がついに入荷…!」
etc…

【参考】
・「ザ・コピーライティング」ジョン・ケープルズ著
・「誰でもすぐにできる売上が上がるキャッチコピーの作り方」堀内伸浩著

いつ(訴求タイミング)

最後に、これまで考えてきた訴求を行うタイミングはいつが良いのでしょうか。以下の4つのパターンが考えられます。

1. キャンペーン開始前
2. キャンペーン開催中
3. キャンペーン終了直前
4. ユーザーの行動に合わせて随時

「1キャンペーン開始前」はキャンペーンの存在を認知させる、思い出させる効果があります。
キャンペーン当日より前すぎても効果が出にくいと思いますので、1週間前以内に一回、前日に一回などタイムリーかつ急すぎないタイミングが良さそうです。

①-a「最近アプリをDLしたばかりで、購入意欲はあるがまだ検討段階」
→CPの存在訴求とともに、当日の準備をすすめる(カートに入れておこう、など)のも良いでしょう。

例:nikeアプリからのメール(セール開始3日前に告知)

「2. キャンペーン開始中」は一番タイムリーにキャンペーン参加を促す効果があります。
①-b「最近なんとなくアプリをDLし、あまりサービス内容をわかっていない」
→この層に訴求することで、CPの存在+メリットをしっかり伝えることでサービスに興味を持つフックを作れるかもしれません。

例:suzuriアプリからのメール(セール開催中に訴求)
例:アインズアンドトルぺ(薬局)からのPUSH(特売日当日に訴求)

「3. キャンペーン終了直前」は損をしたくない気持ちを煽り、駆け込み需要を促す効果があります。

①-c. 「DLしてしばらく経つが、購入のきっかけがなかった」
→この層に対し、最適な購入タイミングであること、CPを利用することで具体的にどれくらいお得なのか、を訴求することで購入意欲を高めます。

例:楽天銀行からのメルマガ(宝くじの訴求)


例:ドモホルンリンクルからのメルマガ(プレゼントキャンペーンの締め切り訴求)

「4. ユーザーの行動に合わせて随時」は、オファーがより受け取り手に関係のある情報として伝わる可能性が高いです。


②-a.「欲しいものがあって買ったが、そのショップで買う理由はなかった」
②-b.「買った後そのサービスのことを忘れた」
→こうした層に対して、今こんなものが欲しいのでは、と予想して訴求すると購買意欲が上がる可能性があります。さらに、お得な日やクーポンなどのサービスならではのメリットと絡めて訴求することでよりそのショップで買う気になりそうです。

例:ASICSからのメルマガ(カート離脱2ヶ月後に限定クーポンを発行し、訴求)
例:auPayマーケットからのメルマガ(購入から1ヶ月後に関連商品とクーポンの存在を訴求)


まとめ

ここまでの内容を表にまとめました。

当たり前の結論にはなってしまいますが、ユーザーの状況や求めるものに合わせて訴求することが大切だと言えます。
また、自分に言われている感のある訴求(=パーソナライズ訴求)は効果が高いですが、ユーザーにサービスを使ってもらわなければ行うことが難しいため、まずは新規ユーザーの活性化が一番の課題になるのではないでしょうか。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
他にも日々の中で良い施策を発見したら追記していこうと思います。


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