各業界の会員ランク制度10社まとめ(2023年度2月版)
会員ランク制度とは、購入金額・回数に応じて顧客をランク分けして特典を与える仕組みのことで、顧客のロイヤリティ向上を図るのに有効な手段です。今回は各業界の会員ランク制度の内容を調査し、考察したいと思います。
通信関連
dポイント
獲得ポイントに応じて、ポイント還元率が変わり、使えば使うほど貯まりやすくなる仕組みになっています。制度内容は以下の通り。
クレジットカードの基本還元率は1%なので、10,000円以上使えば2つ星以上になれる。全世代のクレジットカードの平均使用額は5.6万という調査もあるので、dカードをメインで使用している方なら3つ星までは到達できそうです。
Pontaポイント
獲得ポイントに応じて、特典がもらえる仕組みになっています。ランク制度は以下の通り。
PontaカードやauPayカードも還元率が1%前後なので、3ヶ月で100,000円以上使うとLv2にアップとやや厳しめ。特典の「ありがとうギフト」「がんばったボーナス」とは、クーポンやポイント等のことです。具体的に私がもらった例を挙げると、ありがとうギフトはpontaポイント1p、がんばったボーナスは、ローソンとセブンで使える100円クーポンなどです。
総合EC
楽天ポイント
獲得ポイントに応じて、特典がもらえる仕組みになっています。ランク制度は以下の通り。特典内容はあまりオープンにされていませんが、自分のアカウントで確認できた内容とブログ等も参考にしながら作成しました。
金額、鮮度、回数全てに条件があるものの、6ヶ月で70,000円程度使えばゴールド会員となり、ポイント倍率アップ等の特典が受けられます。
ポイント倍率アップとは、毎月18日はお買い物がポイントが2倍(ゴールド)、3倍(プラチナ)、4倍(ダイヤモンド)などです。
アマゾン
会費を払えば、特典が受けられるシンプルな仕組みになっています。
アマゾンにもポイントシステムはありますが、会員ランクとは関連がなく、あくまで会費を払ったかどうかで受けられる恩恵を区別しています。
ファッション
エルメスやグッチのようなハイブランドにもVIP制度のようなものがあるはずですが、オープンにはされていませんでした。今回は確認できたミドル価格帯のブランドを紹介します。
ビームス
1年間の使用金額に応じて特典が決まる内容。ポイントは100円ごとに貯まり、1pt1円として使える。年間10万円以上使って初めてランクアップというとハードルが高く感じるが、30代女性の被服費の平均は月15,000円近いというデータもあるので、基本的にビームスでしか買わない人なら達成できるのかもしれません。
USAGIONLINE
ジェラートピケやSNIDELをはじめ、その他アクセサリー・スポーツウエア・下着などの幅広いジャンルのブランドももつグループ会社であるため、比較的ポイントは貯めやすそうです。ただ、30万円以上購入の人は一律の扱いとなっており、ヘビーユーザーよりもライトなユーザーの裾野を広げる方に焦点があるのかもしれません。
美容
Dior
購入回数・金額に応じて特典が与えられる。鮮度をみないので、利用していればいつか達成できることも特徴。バースデーやウェルカムのギフトはミニサイズの香水など、ちょっとしたコスメがもらえるようです。
店頭やECへの再来のきっかけにもなりそうです。
オルビス
購入金額と鮮度に応じて特典がもらえる。
ポイント還元率はランクだけではなく、その時の購入金額に応じても変わる。スキンケアがメインのブランドのため、定期的な購入・まとめ買いへの意欲を高めるようなランク制度になっている。
ドラッグストア
マツモトキヨシ
当月もしくは年間のお買い物金額に応じて特典がもらえる。
直近利用者と高額利用者の両方を拾えるような仕組みになっている。
当月と年間のランクが異なる場合、高い方が採用される。
家電量販店
ヤマダ電機
購入金額に応じて特典が付与される。ゲームコイン、とはヤマダ電気が運営するスマホゲームで使えるコインのことで、プレイすることで店舗で使えるポイントがもらえたりするようです。
家電の購入頻度は2−3ヶ月から半年に1回がボリュームゾーンのようで、大型家電の購入頻度ともなると数年に一回と考えられるので、頻度は見ず累積金額に絞っているのではないでしょうか。
気づいたこと
【特典を与える最低購入金額について】
BEAMSのように、年間購入金額100万まで想定するか、USAGIONLINEのように30万までしか想定しないかで得をするユーザー層が異なってくる。BEAMSの場合、超有料会員が売上の多くを支えているのかもしれない?
【鮮度・金額・購入回数について】
・Diorのようにあえて鮮度を見ないで特典を付与しユーザーと細く長く繋がる、ORBISのように鮮度と金額を重視して、ホットなユーザーであり続けてもらう、など戦略の違いから理想の顧客像の違いが見えた。
・家電量販店のように購入頻度が低い業種の場合も、金額のみを見ることがある。
【その他】
・ココカラ、セイジョー、ウェルシアなど、意外とドラッグストアは会員ランク制度をやっていない。ドラッグストアでは楽天・dポイントなども使えることが多いので、あえて自社サービスで囲い込まなくても良い?単価が低い多くのユーザーに支えられており、ランクアップ制度がマッチしない?など何らかの理由がありそう。。
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