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「ムツゴロウさん」畑正憲さん、ありがとうございました!

「ムツゴロウさん」畑正憲さんが87歳で死去されたというニュースが流れました。
私が幼い頃は「ムツゴロウの動物王国」という番組がテレビで流れていて、それを観ることがとても楽しみでした。北海道の大自然や野生動物に憧れて北海道の大学で野生動物の研究を大学院までしたのも、ムツゴロウさんの影響がとても大きかったのです。

私は出身が兵庫県なので、北海道なんて、子どもの私には海外のような感覚でしたけど、子ども達がテレビを観て、将来、この人がいる土地へ行って、この方のような仕事をするんだ!と夢を持てる。そういう大人が沢山いれば、子ども達も将来に希望が持てると思います。
畑正憲さんは、子ども達に夢を与える人だったと思います。なぜなら、私の世代以上の動物学を専攻する学生は、ムツゴロウさんに子ども時代に影響を受けた人が多かったからです。

結果的に私は、虐待の後遺症という病気が重くて、いま、動物に関わる仕事はしていませんけど、青春時代に、好きなだけやってきたことは、今の私のベースになって色んなところで活きています。

大事なのは、結果ではなく、過ごしてきたかけがえのない時間だと思います。

WBCの野球が盛り上がり過ぎで、大事なニュースが隠されてしまっていることを懸念している識者がいます。だけど、スポーツが子ども達の希望や夢でいいと私は思うのです。スポーツを国威発揚で盛り上げても、それがGDP(国内総生産)など経済の回復に繋がらない、お金にならない、子ども達の学力が伸びないからといって、スポーツという「日本人の心」をお金や学力に結びつけて考えることもちょっと、違うのでは・・?と思っていました。

これでは、お金にならない文化やスポーツという「心」は要らないということになってしまします。テレビがスポーツを取り上げすぎて、大事なニュースが隠されてしまっていることは、確かに危険だと思います。

だけど、「心」がお金にならない、学力にならないと言ってしまう方が、国民は希望がもてず、心を病む人が増えると思います。それは結果的に経済の悪化を招きます。やはり、明るい「心」が癒されるニュースがあった方が経済も良くなるし、夢をもつ子ども達が増えれば、学力も伸びていいと思います。

「ムツゴロウさん」畑正憲さんは、少なくとも、虐待を受けて希望がなかった子ども時代の私の「希望と夢」だったのです。だから、兵庫県から北海道まで18歳で飛んでくるエネルギーを子ども時代に沢山、頂いていたのです。

今の子ども達や、若者に1番必要なのは、お金や学力じゃないのです。
「希望」や「心が癒される」ものなのです。それを与える大人が増えてほしい。
「ムツゴロウさん」畑正憲さん、本当に、ありがとうございました!
以下は小学3年生のときに使っていたムツゴロウさんの作文帳。今でも宝物として大事に残してあります。※以下に補足の記事あり。

【補足】
コロナ禍の4年間で、多くの著名人が亡くなりましたけど、ムツゴロウさん(畑正憲さん)の死去だけ、大泣きしながら、このnoteを書きました。それだけ私の子ども時代の「心」に「夢と希望」という大きな影響を与えてくれていたのがムツゴロウさん(畑正憲さん)の存在だったのだと思います。

GDPや学力もとても大事なものだと思います。かくいう、ムツゴロウさん(畑正憲さん)も、東大卒のインテリですし、お父様も東大卒です。豊富な動物学の知識があってこそ、活躍できた方だと思います。その意味では、やはり学力もとても大事だと思います。

しかし「心」の大切さと、GDPや学力を簡単に結び付けず、別問題として扱った方が私はいいように感じています。日本がここまで貧困になっていますから、GDPや学力の向上も非常に大事なものです。ある程度の経済力や学力がなければ、将来への希望も夢ももてないからです。

でも、文化や自然、スポーツという「心」の大切さと、GDPや学力が向上しないこととは、別問題にして議論した方がよくて、どちらも大事であり、両輪になるようにしていかないといけないという方が、私個人はいい気がしています。

すぐに実社会に結びつけて、お金にならないものを切り捨てていく社会は、「心的外傷」が癒される社会だとは、どうしても思えないのです。

【心の中の森】

ムツゴロウさん(畑正憲さん)は、私が幼い頃にテレビで観たことがあるだけの人だったのに40歳のいまでも、死去すれば大泣きする。

つまり、ムツゴロウさん(畑正憲さん)は私の幼い子ども時代の「心」に健全な種を蒔いてくれた人だったのだと思います。そして、その健全な種は、芽が出て歳月とともに、「情緒の樹」に育っていた。だから、死去して大泣きできるのだと思いました。

子どもの心に健全な種を蒔く人。こういう大人が多ければ多いほど、その人の「心」の中に「情緒の森」ができます。「心」の中に「自然」ができるのだと思います。

その心の中にできた「自然」が、お金や学力の向上につながらなくても、どうでもいい話だと私は思うのです。お金や学力も必要なものです。そもそもそれがある程度ないと、人は「希望」をもって生きていくことが難しくなります。

でも、「心」の中の「自然」は、お金や学力とは別のところで、その人の生きる力として確実に大きな力をもっていると私は感じました。

今、岡潔と小林秀雄の対談本を読み終えて、一部だけブログにまとめたのですがこのお二人も「情緒」、つまり、「心」が人間の本体だと述べています。それが失われると、経済、つまり日本文明は滅びると警鐘を昭和時代から鳴らしていた方たちです。私は、とても共感できるのですが、よかったら、以下のブログ、読んでみてください(以下がこのお二人のすべてではありません)。

虐待の後遺症(複雑性PTSD)については、以下の書籍にまとめてあります。精神科医の和田秀樹先生との対談・監修つき。ご興味があれば、こちらも読んで頂ければ嬉しいです。


虐待の被害当事者として、社会に虐待問題がなぜ起きるのか?また、大人になって虐待の後遺症(複雑性PTSD、解離性同一性障害、愛着障害など多数の精神障害)に苦しむ当事者が多い実態を世の中に啓発していきます!活動資金として、サポートして頂ければありがたいです!!