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読書感想文が大好きでライターになってしまったので。


読書感想文が悪者扱いされることが多くて悲しい。「読書感想文の宿題は必要ない!」とか、「読書感想文はきらい!」という声を耳にするとき、まるで自分の好きな人がけなされているような気持ちになってひとりでしょぼんとする。

わたしは子どもの頃から読書感想文が好きだったし、得意でもあったと思う。中学高校時代は毎年大きな賞状をもらって、それからついには某コンクールの1位に選ばれて、表彰式でずっしり重いトロフィーをいただいたりもした。家族みんなで食べに行った100円じゃない回転寿司がやけにおいしかったっけ。作品が新聞に掲載されると、わたしを知っている人もそうでない人も、たくさんの人に読んでいただけてうれしかった。今振り返ってみればそのことが間違いなく「文章を書くことを仕事にしよう」と思ったきっかけのひとつになっている(こんなに単純でよかったのかなあと思うことはある)。

読書感想文ってどうすれば書ける!?とか、そのコツを聞かれたとき、わたしは「本のことじゃなくて、本を読んだ自分のことを書けばいい」と伝えるようにしている。学校の先生はそうは言わないかもしれないし、それじゃだめだという大人もいるかもしれないけれど、わたしはそれでいい、それがいいと思っている。このことに中1で気づいたわたしは、読書感想文を書くことが一気におもしろくなった。

本はもちろん読む。好きな本を読めばいい。だけどいざ書くときに、その本の展開をていねいに説明したり、本のことをほめたたえる必要はないと思っている。

主人公はこんな人で、こんなことをして、こんなことを言って、こんなところがすごい。というのを原稿用紙何枚にもわたって書くのはたのしくないしむずかしい。読書感想文がきらいと言っている人は、ちゃんと本のことを書こうとしている人に多い気がする。本を主人公に書こうとしている。わたしは言いたい。読書感想文の主人公は本ではなく、自分なのだと。


みんな、自分語りは好きでしょう?(ちがう?)人のことを紹介するより、自分のことを話したい。人の話を聞くより、自分の話を聞いてほしい。

読書感想文もそれでいい。ちょっと聞いてよ、最近こんなことを考えてこんな本読んだんだけど、そういえばわたしにも以前こんなことがあったんだよね。そのときこんな気持ちだったんだよ。読んでて思い出したけど、わたしにもこんなところがあるんだよね。いつもこんなこと思っててさ。今はこんなこと考えてるんだよね。って、そんなテンションで読書感想文も書いてしまえばいいと思っている。そしてそれは壮大な話じゃなくてもいい。


くわしい構成の仕方とか賞を取る方法とかを伝えた方がいいのかもしれないけど、それはここではしない。わたしは何よりもまずは「自分がたのしく書く」ことが大事だと思っているから。だから何度でも言う。本のことじゃなくて、その本を読んだ自分のことを気持ちよく書いちゃおう。


以上、読書感想文が大好きでライターになってしまった人間からの、役に立つかわからない「読書感想文の書き方」アドバイスでございました。

noteでも読書感想文を書いてみようかしら。いや、「得意でした!」なんて書いてしまったから、非常に書きづらい。


おわり

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