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《コラム》 11年目も二刀流

こんにちは。「HAAG」を運営する株式会社スマイルコットンの代表・片山英尚です。前回に続き今回もこれまでの10年を振り返る内容となります。最後までご一読いただけますと幸いです。

伊勢丹 新宿店さんとのご縁から「HAAG」というブランドがスタートし、テキスタイルメーカーとしての経営に加え、ブランドのプロデュースが自分の仕事に加わりました。どんなブランドにしていくか...言葉がチープになりますが、ライフスタイルに関われるものはやりたい。自分が欲しいと思えるものを作りたい。こうした思考をアイテムリストに反映して、「Smile Cotton®」の可能性を自分なりに探っていました。

「ボクサーブリーフ」の開発と販売で手応えを感じていましたが、素材が良くても製品開発を一人で行うのは限界。すぐにデザイナーと協業することを決めました。そこで前職の上司から紹介されたのが、前田勇樹氏です。当時の彼は自身のニットブランドをやっていて、前衛的なデザインと色使いがとても印象的でした。

世の中を見渡すと、多くのブランドからナチュラルな風合いのアイテムが販売されてました。自分がやるならば幅広い層に向けて、あわせてファッションが好きな方にも向けても提案したい。うちの生地で攻めた色使い、デザインを表現したい。こうした背景から前田氏にデザインを依頼し、以後は二人三脚でブランドを運営しています。

生地を販売する。ブランドを続ける。こちらを両輪でやってきましたが、10年前はかなりの苦労がありました。当時の僕はまだ保守的なところがあり、前田氏が提案するものに対して「いきすぎかな」「もっとベーシックな方がいいのかな」と思うこともしばしば。テキスタイルメーカーとして生地を供給する立場でもあるので、マーケットインとプロダクトアウトのバランスが難しかったです。

「HAAG」は人を選ばない服作りがコンセプトです。誰が着ても気持ち良く、綺麗に見えるシルエットにするのは難しいですが、前田氏は自分の高い要求にいつも明解なデザインで応えてくれます。自分自身も彼から大きな刺激を受け、おかげでブランドを10年続けていくことができました。

お取引先さまやアパレルに従事する方から「HAAGはベーシックだけどデザインもしっかりしている」という評価もいただいています。そして「色も良い」というお声も多いです。なのでブランドとして向かっている先は、間違っていないと感じています。とはいえ前田氏は色味など抑えている部分もあり、これから彼がどのように表現していくのか、自分もそれを見るのが楽しみです。

片山英尚
HAAG Official Site
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