日記:2020/2/29(土)

晴れ。I spent all day lying on my bet and watching my iphone lazily. What a wasted day. 그래도 누워서 외국어를 배울 수 있기 때문에 스마트 폰은 최고.

日が変わった午前1時頃に起き、ダグラス・サークのインタビュー本、ジョン・ハリデイ編『サーク・オン・サーク』(INFASパブリケーションズ)を読みはじめる。現在、ドイツ時代~アメリカ亡命期まで読み終わったところだが、めっぽう面白い。フリッツ・ラングに対する冷静な評価に感銘を受ける。サーク自身はアメリカ亡命後のハリウッド作品群の方をより評価しており、特に西部劇『無頼の谷』を気に入っていることがわかった。

また、ナチ政権下の1934年、2番目の妻がユダヤ系であったサークが、ベルリンの劇場フォルクスビューネの監督に「誰がユダヤ人かを決めるのはこの私だ」と言われるくだりが、1933年にラングがゲッベルスから言われた言葉とゾッとするほど似通っていることに気づき、魂消てしまった。当時の認識の枠組みが分かるおぞましい言葉。

(…)この男が言ったことを今でも覚えていますよ。「あなたの奥さんがユダヤ系であることは重々承知していますがね。でも、わたしほどの地位となるとそれに目をつむることができるんです。わたしが、だれがユダヤ人でだれがそうじゃないか決められるんだ」ってね。(…)(『サーク・オン・サーク』p.67)

※ ↑はウィリアム・フリードキンによるフリッツ・ラングのインタビュー動画。問題の箇所は11:45くらいのところ("Mr.Lang, I said we decide who is an Aryan."――ラングさん、だれがアーリア人かを決めるのは我々ですよ)。インタビュアーであるフリードキンの性急な若々しさ(というか若造感)に、後半若干イラついているラングを見ることができるのも貴重。

その他にも、「私企業」ウーファとナチスとの込み入った関係や、亡命直後の初の監督作品が、カリフォルニアでワイン醸造を営む修道士たちをキャスト/スタッフにして撮りあげた「ワインの宣伝映画」であったこと(「で、わたしは何度も何度もワイン・ボトルを画面に入れたんです。あたかもドライアーの映画のごとくワイン・ボトルを長く注視したと言えるでしょう。」pp.115-116)――などなど、刺激的な話が盛りだくさん。これからいよいよ、ユニヴァーサル・ピクチャーズ時代の名だたるメロドラマ作品群が登場するところ。

(…)これはストーリーにかかわる問題じゃない。スタイルの問題なんです。カメラ・アングルはとんでもなく重要だ。「社会の柱」(※ウーファ時代の短編映画:引用者注)で、それがはじめてわかったんですよ。カメラ・アングルは監督の思考だ。照明は監督の哲学です。この点では、ヴィトゲンシュタインのずっと前に、わたしやわたしと同時代の何人かは、実像を伝える忠実な媒体や解釈手段として言語を信じないことを学んだんです。わたしは、当てにならない言葉よりも、自分の目を信じるようになったんですよ。(『サーク・オン・サーク』pp.74-75)

ブルーレイで李晩熙(イ・マニ)『魔の階段』(1964)を見る。後半の展開が完全に「男女逆転したアンリ=ジョルジュ・クルーゾー『悪魔のような女』」だったのでびっくり。それにしても、事件の発端となる手摺がぐらつく正面玄関の階段はもちろんのこと、梯子と見まごうほどの急角度でせり上がる裏口の階段の異様な存在感や、裏庭の霊安所を正面からとらえたショットのほとんど「屋敷ホラー」的な迫力がすさまじい。キム・ギヨン『下女』しかり、この時期の韓国メロドラマ映画は、人物以上に「建物」が主役であるというか、その空間構造自体が人物の情動や行動を規定する大きな枠組みとして機能しているふしがある。ポン・ジュノ『パラサイト』が、これらの作品群によって蓄積された表現様式の延長線上にあることを、改めて実感。(※Blu-rayソフトがYESASIAで購入可。日本語字幕あり)

読んだ記事:

Hundreds of new coronavirus cases reported in South Korea, China amid global containment concerns

カナダのCBC Newsより、コロナウイルス感染拡大に伴う各国の状況についての記事。特に興味深いのがイスラム圏の話題で、サウジアラビアではウムラ(小巡礼)に伴う海外からの巡礼者の入国を一時停止、7~8月に控えるさらに大規模なメッカ巡礼・ハッジについても懸念がされている、とのこと。海外の新聞&ニュースが有益なのは、こういった(オリンピックをはじめとした)国内のニュースとは別の視点の情報を入手することができるところだ。

ニュースサイトFranceinfoより。ルクセンブルクでは、世界で初めて国内の公共交通機関がすべて無料となるらしい。自動券売機も随時廃止されるそう。車社会であったルクセンブルクにとって大きな転換となるだろう、とのこと。(※↑リンクのサムネイル、めっちゃ文字化けしとるがな)

覚えた単語: distributeur automatique de billets (DAB)=Automatic Teller Machine (ATM)


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