日記:2020/2/18(火)

때때로 눈이 내리는 추운 날이었다.  따듯한 다운 재킷이 아직도 필요하다.  오후 바람이 강해진다. Heute Abend habe Ich deutsche Negation studiert. I can still use only few vocabularies and cannot write grammatically complicated sentences in this diary, but I will continue this practice because it's so fun. 最終的な目標として、多言語をごちゃごちゃに混ぜた日記を書けるようになりたいと考えている。目指せルー語マスター plyglot ver.

↓こちらはドイツ語学習Youtubeチャンネル"lingoni GERMAN"のページ。文法テキスト等で勉強した箇所を、復習がてらちまちま再生するなどすると、リスニング代わりにもなるのでおススメ。(※英語です)

読書:

思うところがあって、金井美恵子『目白雑録5 : 小さいもの、大きいこと』(朝日新聞出版)を再読中。2011年6月から『一冊の本』(朝日新聞出版)に連載されたエッセイをまとめたもので、東日本大震災直後、「液状化のように」地表に染み出して「人々の思考を奇妙に麻痺させ」た、「様々な言葉」への違和感が率直に書かれている。あの和合亮一の「詩」と銘打たれた、いかにも居酒屋チェーンの便所の壁面に貼ってありそうな所謂「相田みつを的なことば」で書かれた「文句なしに最低レベルのジャンクワード」(p.223、太字箇所は本文では傍点)のブーム(?)はいったい何だったのだろう……など、読みながら当時のあれこれを思い返しつつ遠い目になってしまう。

1969年、モホーク族出身の大学生リチャード・オークスをリーダーとしたインディアン部族含む約百人のグループが、アルカトラズ島を占拠した事件(アメリカ大陸植民者たちの土地買収方法の痛烈でグロテスクなパロディ!)の話はとりわけ刺激的で、出典である中谷礼仁『セヴェラルネス : 事物連鎖と人間』(鹿島出版会)はきちんと読まねばならないと改めて思った。それにしても、2011年5月のウサマ・ビン・ラディン暗殺計画のコードネームが「ジェロニモ」だったことなど、現在どれくらいの人が覚えているだろうか。多かれ少なかれ、我々は皆「忘れっぽい天使」なのだ。

それから、円地文子による核融合実験に携わる原子物理学者が主人公の噴飯モノのソープ・オペラ的通俗小説『私も燃えている』(田村正和主演で’76年にドラマ化されており、こちらでは「エコロジー学者」という謎の職業に変更されている)について書かれたくだりには、読むたび失笑してしまう。以下孫引きで情事の場面を引用。

(…)「夜の闇を割いて噴き上げる火山のような激しい燃焼の間に、香取(宇女子の愛人の原子物理学者)が燃え、自分が燃え、お互いが万朶の花に咲き変わって、その花を散らす危うさに得堪えないような稀有な喜びが宇女子を捕えている。」と、笑いを誘わずにはおかない陳腐な美文で二人の情事を語るのである。
「燃えている」という意味は、このようにむろん、性的オルガズムを意味しているのだが、では、「私」の「も」が三角関係にある叔母と姪の二人の女のことを意味しているのかというと、どうやら、これは「原子核融合の実験という晴れの舞台で、世界的(ユニバーサル)に自分の能力を試して行ける選ばれた人」という設定になっている香取が「地上に太陽を造り出そうという」「眩しいきらきらした夢」に燃えてもいるからのようである。

――金井美恵子『目白雑録5 : 小さいもの、大きいこと』pp.122-123(※太字箇所は本文では傍点)

読んだ記事:

今年のベルリン国際映画祭の回顧上映特集は、キング・ヴィダー監督を取り上げるらしい。今すぐベルリンへ駆けつけてチケットを奪取したいところ。本特集では『群衆 The Crowd』(1928)などの有名作ほか、ベティ・デイヴィス主演の『森の彼方に Beyond The Forest』(1949、本邦未公開/未ソフト化)や、シャーリー・ヤマグチこと山口淑子主演『東は東 Japanese War Bride』(1952)含む、全35作品を上映予定とのこと。

ヴィダーの映画で見たことのあるのは、今のところ『剣侠時代 Bardelys the Magnificent』(1926)のみという不勉強っぷりで大変恐縮なのだが、クライマックスのアクションはまさしく「手に汗握る」展開の連続で、ハルバードの長柄をするすると器用につたい登るバルドリス(ジョン・ギルバート)の驚異的な体技に目を奪われる、見事な活劇だった。ヴィダー初のトーキーであり、「オール黒人キャスト」という当時としては画期的な歌唱映画『ハレルヤ  Hallelujah』(1929)のDVDを買って積んであったのを今思い出したので、今晩見ようと思う。


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