見出し画像

(39)裏方ほどおいしい仕事はない!

【頭の悪い上司に期待してもムダである】

完璧な上司などいない。
この本を読んでいる90%以上の人の上司が次の3つのうちいずれかに当てはまるのではないだろうか。
①仕事はできるが性格が悪い
②性格はいいが仕事ができない
③仕事もできないし性格も悪い
「上司と部下」という概念が会社をダメにしているので、普段は気をつけて使わない言葉だ。なぜなら上司と部下という言葉は、構造的に相互依存の関係性が包含されているからだ。
部下がいるから上司なのであり、上司がいるから部下なのだ。
あなたが、もし「上司が自分の仕事を評価してくれない」とか「会社が挑戦させてくれない」と思っているとしたら、こうアドバイスしたい。「そういうふうに考えているから、いつまでたっても評価もされないし、挑戦もできないのだ」と。
悪いけどあなたは、あなたの上司に似ている。

【転職、異動は何の解決にもならない】

転職サービス会社の社長さんに聞いた話だが、転職の理由のほとんどは「半径10メートル以内」にあるそうだ。つまりは、職場の人間関係だ。
想像力を働かせてほしい。営業、システムエンジニア、顧客サービス、販売など、あらゆる顧客接点の仕事は、すべての業務につながっている。

【タコツボの職場は「宝の山」である】

あらゆる企業でタコツボ化が進んだ原因は、過度な生産性や効率性の追求にある。
短期的成果を重視する経営はもうやめよう、というふうにはきっとならない。それどころか今後ますます強まっていく傾向にあろう。
しかし、見方を変えればこれはチャンスだ。みんなが、タコツボに入って暮らしているということは、タコツボの外に組織横断でなければ解けない「本質的な仕事」が、手つかずで転がっているということだ。

【恩義の銀行を使いたおそう】

この本は人を動かす話のはずなのに、「人のために動く」話ばかりではないか。そう思う人もいるに違いない。あなた自身は、どういう時に人のために動くだろうか。
①仕事だからやるようにと命令されたとき
②お願いだからやってほしいと懇願されたとき
③助けてもらったことのある人が困っている時
答えは自明で③だ。
人は自分の人生で誰かのために何かをしてあげることで恩義の銀行へ貯金しており、そして何かをしてもらうときに、その貯金を下ろすというのだ。あなたはこの1年で会社の中でどれくらい恩義の銀行に貯金をしただろうか。
忘れてはならないのが、恩義の銀行は経済規範(損得のルール)で動いているのではなく、社会規範(助け合いのルール)で営まれているということだ。

つまり、お金を渡されることよりも、誰かのために役立つということのほうが、強い動機付けになったということだ。

【情報はどんな人のところに集まるか】

自分がネットワークハブになったら、気をつけなければならないことがある。多くの情報が集中するのでそこで情報を滞らせて、鮮度を落としてしまうと、ネットワーク全体にとっては「ボトルネック」にもなりうるからだ。
その最悪の例が、情報を持っていること自体が「自分の価値」であるも勘違いしてしまうことだ。情報を流さないことで、あるいは小出しにすることで自分が優位になる、など考え始めたらおしまいだ。

【一発で提案が通る人は何が違うのか】

最初から完璧に、見える提案よりもどちらかというと参加者から意見がたくさん出るような提案のほうが合意に至りやすい。
提案が通るかどうかは、「参加者の心理プロセス」である。そこで大事なことは「意思決定者に花を持たせる」ことだ。

意思決定者は、たいていの場合、その場で最も上位の人だ。実は意思決定者がいちばんプレッシャーを感じている。意思決定者にとっての最大のリスクは「間違った意思決定をする」ことである。

極論しよう。提案が通るかどうかは内容よりも、参加者の「顧客満足」によって決まる。ここで安心してはいけない。参加者は「場に満足した」だけであって、「提案の内容に満足した」わけではないからだ。

【えらい人よりビジネスプロデューサーを目指せ】

ビジネスプロデューサーの行動指針はいわゆる「ホウレンソウ」に対比して「置き石・水やり・待ち伏せ」だと言う。
その違いは、報連相が活動を「つねに目に見える」ようにするのに対し、ビジネスプロデューサーは「目に見えない仕掛け」を大切にしているところだ。

ビジネスプロデューサーは目に見えない仕掛けを作って、組織が自然にそちらに動くように仕向ける。権限は、持っていたとしても使わない。権限で人を動かしても、相手が本気にならないことを知っているからだ。
「偉い人」は、権限を使って組織を動かそうとする。あなたは、自分の会社の偉い人たちにたくさんの不満を持っているに違いない。上司がわかってくれない、部長の考え方は古い。本部長は上ばかり気にしている、社長はビジョンがない、等々。
「偉い人」にならないとできないことなんて本当は何もないかもしれない。

【権限の代わりに事務局力をつける】

事務局力を発揮して、会社を動かしていく具体的なステップを示そう。その基本サイクルは、次の4つのステップからなっている。
①雪かき仕事を探す
②周りを助ける
③人脈が広がる
④提案が通る

人を「動かす」場合、あなたの知力や腕力が直接ものをいう場面はほとんどない。

【事務局力の7つの仕掛け】

①ケアするメール
②アガペー(神の愛)モード
③鍋奉行ホワイトボード
④付箋ワークセッション
⑤内職プレゼンテーション
⑥あこがれベンチマーク
⑦あとづけバイオグラフィー
3ヶ月間これらの7つの仕掛けを意識して実践すればあなたの事務局力は圧倒的に増すに違いない。

グループリーダー、プロジェクトリーダーなど、何かリーダーと言う名前のつくポジションについたとき最初の大仕事がチームの目標設定だ。

その目標を「何に」ではなく、「どのように」決めるかで、チームを最高にご機嫌なものにすることができる。それが、リーダーの事務局力だ。

メンバーのやりたいことをベースに今年のチームとしての活動項目を描いていく。個人の夢をベースにチーム全体としてのコミットメントを描いていくのだ。
ここはアイデアベースでかまわない。注意すべき点は「目標達成のためには・・」という発想をしないこと。「昨年もこうだったから・・」という前年踏襲も御法度だ。そして最後に個人のやりたいことをベースで作った活動項目を組み合わせてやらなければならないチーム目標をいかにクリアするか、という戦略を立てる。
ここがもっともリーダーとしての創造性を発揮すべき瞬間だ。
そこから、彼らが「自発的に」立てた目標をいかに「自主的」「自律的」に実行していけるかが焦点になる。

事務局力は「場をつくり、気づきを促す」だけでいい。社外に一歩も出ていない人間がいくらケーススタディを共有したとしても現場・現物に触れていないので自分自身が信じきれていない。訪問したことのない国の魅力を本気で伝えることができないのと似ている。
逆に、チーム全体が「こういう会社になりたい」と同じイメージを持てたならば、成功につながる可能性が一気に高まる。もちろん、ものまねになってはいけないが、理想像が共有された上で「自社らしさ」を考えれば、ぶれないアイディア出しができるだろう。

【今までと全く異なるプロセス】

問題解決のプロセスにサプライズをどう盛り込むか。従来の問題解決の方法は、目標を共有し、現状分析して、課題を洗い出し、「なぜ、どうして」を重ねて問題の核心まで掘り下げる。多角的な視点から施策を検討する。はっきり言って、つまらない。わざわざ組織を越えて有能な人が集まっているのに、こんなつまらないやり方をしているから、タスクフォースは盛り上がらない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?