(46)社員が自ら考え、動く自走型組織の作り方
【自走型組織に必要な条件】
会社が自走型組織に変わるために必要な要素は4つあります。
①組織に心理的安全性があること
→心理的安全性とは「組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態」を指します。
②実現したいと心の底から思えるビジョン
③循環的に物事を捉え、本質を見るためのシステ
ム思考
④お互いに傾聴し合う質の高い対話
→ 1部の人だけが活発に発言する状態良くありません。特に上の役職の人が言いたいことを言っていると、それ以外の人は逆にどんどん黙っていきます。
【幹部が生まれ変わる3つのプロセス】
1 知識を広げる
2 ビジョンを探求する
3 関係の質と思考の質を高める
【組織変革で幹部に起こること】
組織変革を始めて1年ほど経つと大きな変化が起こることがあります。それは幹部社員の退職です。
人の育成も同様で環境条件を整えるのが経営者の最大の役目となります。育むのが経営者や幹部で成長する主体はキーパーソンです。成長させるではなく、自発的に成長するために必要なことを経営者が整えるのです。
元海軍の軍人だった山本五十六の、有名な教育4段階法があります。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば人は実らず。」
【心理的安全性は健全な会社運営に必要な要素】
心理的安全性とは若本心理学用語で「組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態」のこと。
エドモンドソン教授は、心理的安全性が低い時に起きる不安を以下の4つに分類しています。
1、無知だと思われる不安
2、無能だと思われる不安
3、邪魔をしていると思われる不安
4、ネガティブだと思われる不安
アメリカの航空会社が飛行機事故を起こすとアメリカ航空宇宙局はパイロットに「あなたがおかした操縦ミスは本来なら30年の禁固刑だが罪は一切問わない。だから本当のことを言ってください」と伝えて司法取引色をします。そうしなければパイロットは自分の責任を追及されるので「私は間違っていない、機体に問題があった」と主張するからです。そうなると、世界中を飛ぶ一万機以上のジェット輸送機を全て止めて検査をしなければならなくなり世界経済が大混乱します。
この心理的安全性の重要さは、どの業種においても同じです。罪に問われることなく本当のことを言える場がないと、問題は本質的な解決には向かいません。
【社内改革が始まると起こること】
組織が発展・成長するには段階があります。まず形成期は「これをやろう!」と組織内の人々が合意してスタートしますが、なかなかパフォーマンスは上がりません。次に混乱期では組織が混乱していてパフォーマンスが落ちます。そして機能期に入ると徐々にリーダーシップが発揮されて人の集まりはチームになっていきます。組織変革が始まって混乱期に入ると、現場から様々な声が上がります。というのも、今までは「会社がこうだから仕方ない」「社長がああいうから仕方ない」「我慢して嫌ならやめるしかない」と諦め黙っていた人たちが「いい会社を作りたい」と下町入れ替えると「こうしてください」「なぜこれはこうなっているんですか」などと口を開くようになるからです。社長対幹部、幹部対一般社員と言うヒエラルキーと、同じ構造で対立が始まります。
結論を出すことを目的としない対話(ダイアログ)
は、一見非効率で無駄な作業に見えるのですが、対応していることで議論と意思決定の質を高めることができます。
【対話が成立する2つの要素】
自己開示して本音を言う事と、相手の話を傾聴すること。
【自走型組織を始まるにあたって】
組織の全体像を、特に変革のストーリーについて学ぶ必要があります。自走型組織は非常にハイレベルな組織形態なので、全体像を知っておかなければ取り組みに難しさを感じることが多くなると思います。
【組織の問題が起こったとき】
論理思考(ロジカルシンキング)ではなく、人の感情など様々な要素が複雑に関連しあっていることを理解することが大切です。問題の全体状況と相互関係を明らかにすることによって本質的な解決策を見いだす「構造思考(システムシンキング)」によって協調性が安くなります。
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