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只見線から雪見をする[2021年冬]

去る2022年10月に只見線がついに全線で運転を再開しました。11年にわたって不通となっていた区間では代行バスが走っていましたが、それに一度乗ってみたいと思い、青春18きっぷを使って足を運んでみることにしました。

小出~只見

[小出(13:15)→只見(14:28)]
雪が降りしきる小出駅にキハ110系気動車がポツンと停車しており、車内には同業者が幾人か。すっかり手足が冷え切っていたにもかかわらず、ヒーターのおかげで数分で感覚を取り戻しました。
小出駅を発車すると、すぐに上越線から分かれて右へカーブし、魚野川を渡ります。魚野川の川面は猛烈な雪で視認することができませんでした。そんな状態でも時刻通りに列車は走っており、雪国出身ではない私にとっては驚くどころか唖然。運転士・車掌さんに脱帽です。
只見線は新潟県内においては破間川に沿って線路が敷かれており、その流れに合わせて蛇行を繰り返しながら走っていって、集落があると駅に着くというパターン。そのような感じで大白川駅まで辿り着くと、ついに難関の六十里越峠に挑みます。といっても、今の気動車の性能ではそれほど難関ではありませんが…
大白川駅から只見駅までの間は1区間ですが30分も走り続け、峠越えの醍醐味である上っている感覚と下っている感覚を楽しむことができるところで、嗜んでいるうちにあっという間にその時間も過ぎ去ってしまいました。

只見~会津川口(代行バス)

只見駅では1分も乗換時間はなく、バスに乗り込んですぐさま出発しました。雪で路面の状態が非常に悪いのと、先ほどの列車が2分ほど遅れて到着しましたから、早く出る必要があったみたいです。
バスはほとんどの席が埋まっていました。しかし、これだけで運べてしまうという現実。車外からの景色を楽しもうと思っていたものの、外気温との差が大きすぎて結露が半端ない状態に。こうなることをわかっていた識者はタオルを持ってきており、拭きながら車窓を楽しんでいました。
1時間ほど揺られたら会津川口駅に到着です。

流石の豪雪只見駅前

会津川口~会津若松

[会津川口(15:29)→会津若松(17:18]
会津川口駅でも即下車即乗車。雪のためですからこればっかりは仕方ありません。ここからは福島県区間で、車内では福島県の只見線管理事務所に属していると思われる方々が車販の準備をしていました。「おもてなし運行」というものだそうです。(くわしくは下記リンク参照)

駅を出るやいなや車窓から見える綺麗な景色の案内や沿線自治体の案内等についての放送を流したり、車内販売をしたりと福島県が只見線を如何に観光路線にして行くかの本気度が垣間見えた気がします。実際に車窓からの景色は言葉では形容しがたいほどの美しさで、雪が良いスパイスになっているようです。会津柳津駅までの間は景色に見惚れ続けて、リピーターになろうかと真剣に検討していました。柳津駅で先ほどから車販をしていた方々が下車され、車内はローカル線を走る列車の雰囲気になり、これもこれで良いかもなと感じた次第です。
車窓の景色は日が暮れてしまって駅周辺以外は何も見えないような状況になってしまいました。ですから、先ほどまで見ていたあの景色を頭の中で反芻させて会津若松駅まで一人で勝手に楽しんでいたのを記憶しています。
会津川口駅から2時間弱。ついに会津若松駅に到着です。只見線は乗り応えがある素晴らしい路線で、ここでリピーターになる決意を固めたのでした。全線再開後は座れないほどの大混雑(大盛況)のようで、私はまだ行く決心をしていませんが、来年度までには行きたいと思っています。

小雪ちらつく会津若松駅

それではこのあたりで。ここまでお読みいただき誠に感謝いたします。

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