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ライトノベルの賞に応募する

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⭐︎現在(36完結)まで⭐︎ ライトノベルの賞に初めて応募する為に書きました。 ラノベの定義もわからず、小学校高学年から若い層に向けたもの、という事なので、主人公を小学五年生の男の子…
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#中学受験

ライトノベルの賞に応募する(8)

ライトノベルの賞に応募する(8)

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モモは灰色の男たちに皆が奪われた時間を取り戻す。僕の時間は灰色の男たちに奪われてしまっているのだろうか。毎日6時には起きて、ミワのお弁当を作り、家族の朝食を用意する。ミワと祖母が日中困らないように支度をする。自室にほとんど籠ったきりで、テレビを大音量で、掛け口を開けば怒号を発する父親の機嫌を損ねないようにする。

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ライトノベルの賞に応募する(9)

ライトノベルの賞に応募する(9)

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 ミワのお弁当と、朝食にみそ汁と卵焼き、ソーセージを焼いた後、ごみ袋を抱えた。今日は燃えるごみの火だ。家中を回って、ごみを拾い集める。台所から始まって、リビング、トイレ、洗面所。2階に回って、僕の部屋、ミワの部屋、ピアノのある物干し部屋、母親の寝室。1階に降りて祖母の部屋、父親の部屋。父親の部屋の机の上には、灰

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ライトノベルの賞に応募する(10)

ライトノベルの賞に応募する(10)

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 ミワはいつもの通り、すやすや寝ていた。すやすやという表現はミワのためにあるみたいだ。音も立てず静かに呼吸している。拝むみたいに両手を重ねて、顔の下にひいている。ミワの寝るときの癖だ。ミワの寝顔を見ていると、悪夢みたいなさっきまでの感情がいつの間にか引いていった。ミワの顔をそっと撫でる。僕の気持ちが安定していく

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ライトノベルの賞に応募する(11)

ライトノベルの賞に応募する(11)

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 帰りの会が終ると、僕は急いで帰った。ランドセルを放り投げ、サッカークラブ用のリュックを背負い、水筒にポカリスエットと氷を足した。
玄関のすぐ横の父親の部屋の扉をノックした。
「お父さん。ミワのお迎えお願いね!」
「ああ。」
低い父親の声が聞こえた。
よし、僕の仕事はここまで! サッカーに行こう!
僕は自分のマウンテンバイクを引っ張り出し、またがって先を急いだ。もうすっかり陽気は

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ライトノベルの賞に応募する(12)

ライトノベルの賞に応募する(12)

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「じゃあ、今日は以上!」
「ありがとうございました!」
コーチの号令に礼を言って、解散する。
「タカシ! シュウ! ちょっとこっち来い!」
走り去ろうとする僕たちに、コーチが僕とタカシをこまねきして呼んだ。
「…はい。」
僕とタカシはコーチの元に走り寄った。
コーチがみんなに背を向ける形で僕たち二人の間に入った。
「再来週、ジュニアのセレクション、うちからはお前たち二人で決めよう

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