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JTCを変革するためのヒントを見つけに行きましょう!
私はJTCに勤めているためネットで見かける日本の企業に対する悪口はほとんど身に覚えがある出来事として受け止めております。
スピード感がない、決断しない、昔ながらの文化が変わらない、未だに年功序列など挙げだしたらキリがありません。
巨額のお金を動かすプロジェクトなどに関わることが出来るチャンスや驚くほどの損失を計上しても即座にクビにならないので会社をうまく利用してチャレンジすることで楽しく過ごすことも可能ですがやはりネガティブなイメージがあるのがJTCです。
古くからある文化は変えられないのか?会社員の永遠の課題です。
そんな中で1冊の本に出会いました。JTCの代表格である日本製鉄の変革を書いた本です。
目次
第1章 自己否定から始まった改革 5つの高炉削減、32ライン休止の衝撃
第2章 「値上げなくして供給なし」 大口顧客と決死の価格交渉
第3章 異例のスピードで決断 インドで過去最大M&A
第4章 動き出すグローバル3.0 「鉄は国家なり」の請負人に
【コラム】インド発 踊る製鉄所見聞録
第5章 国内に巨額投資の覚悟 高級鋼で勝ち抜く「方程式」
【コラム】石油会社が認める高級鋼「油井管」の謎
第6章 脱炭素の「悪玉」論を払拭せよ 鉄づくりを抜本改革
第7章 「高炉を止めるな!」 八幡の防人が挑む改革後の難題
第8章 原料戦線異状あり 資源会社に巨額出資
【コラム】「鉄人」列伝 新風を吹き込め
第9章 橋本英二という男 野性と理性の間に
目次だけでいかに変化が起きているのか分かると思います。
赤字の元凶である製鉄所の構造改革。日本企業では足踏みしてしまう徹底的な値上げ交渉。スピード感を持った意思決定で海外企業のM&A。収益性改善後に国内での巨額投資による新設。
歴史を重んじる伝統的な素材産業による変革。「変われない日本企業」からの脱却。変化の過程を知ることで自分たちが変わるためのヒントが見えてくる。
そのくらい重厚長大産業が起こした変革は凄いものです。
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ところで皆さんは製造現場というとどのようなイメージを持たれますか?
車の組み立てや食品やビールの工場、下町ロケットのような町工場を思い浮かべるのではないでしょうか?
鉄鋼や石油精製、石油化学、電力設備などの大型プラントは夜景がきれいな工業地帯として認知されているけど何を作っているのかわからない方も多いと思います。
過去に起きた公害の影響もあるためよくわからないが危険という印象を持たれている方が多いのですが製造業、建設業で雇用全体の4割を高度経済成長期には占めておりました。
中国やインドなどの近隣諸国の台頭、日本の製造業の海外進出の増加に加えて国内需要の低下から衰退していくばかりです。私自身海外企業へ新規プラントを建設するためのライセンス業務を経験していたことから衰退を促進した立場でした。
既に製造業の雇用を守るためという大義名分では成り立たなくなっているからこそ日本製鉄も変革を起こし、設備を縮小してきました。
製造業に携わる身としては縮小というのは非常に残念な気持ちにはなりますが断行しなければ生き残れない。苦渋の決断をして行動を起こしたからこそ今の業績があります。
最適化することで新たな問題も生まれます。
トラブルを起こしても設備過剰であれば挽回可能な場面もありましたが、需要に合わせた最適な設備に変化するとトラブルが命取りになることがあります。
多くの製品の原料となる素材メーカーの大型プラントが生産トラブルを発生させるとサプライチェーンの影響は計り知れません。1日停止するだけで損失額が億を超えたりします。
震災や台風などの自然災害が起きたときの影響を思い出してみてください。サプライチェーンの分断がいかに大変かおわかりいただけることでしょう。
特に日本ではゼロリスクが求められる風潮があります。そのため安全であることが当たり前になりがちです。
共に働く仲間や、関係者を怪我させないように努めるのは当然です。一方で生産トラブルをゼロにするためにリスクをどこまで許容することが出来るのかということは冷静に考える必要があります。
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構造改革の結果、筋肉質な体質になりましたが安定操業がより一層求められることになった日本製鉄。
統廃合に加えてトラブルを削減していったことで現在の社員の経験不足が指摘されています。作業の自動化や、マニュアルの整備。暗黙知が共有されていったからこそ安定操業の達成が出来ているのですが予期せぬ不具合はそれでも起きます。
マニュアルによる作業標準化は必要ですがマニュアルを崇拝すると思考停止に陥るためとても悩ましい問題です。
ベテランの方々の経験には本当に助けられることが多いです。私自身製造部門にいたときにどれだけ助けられたことか。
ベテランは本当に多くの事を経験されているため、作業工程の中でどういうところに気を付ければいいのか体に染みついています。それはマニュアルだけでは決して身につかない事です。数多くのトラブルを経験されて身についたこともあります。
本章で紹介されている高炉一筋40年の大ベテランである平木さんは「トラブルが起きないようにするためにはどうしたらいいかずっと考えて行動している人」と評されています。
これまでのご経験から「凡事徹底」を貫かれて嫌われ役を買って出て言いにくいことを言う。強いリーダシップを発揮して社員の意識を変えていく。頭が下がる思いです。
社員間の徹底的な議論の中で見えてきたのが「大トラブルの経験がないことでいざという対処が出来なくなってきている」ということ。
そこで始めたのが各製鉄所間での意見交換。これまで縦割りだった文化を排して一丸となって取り組み、課題を洗い出していく。トラブル対応の暗黙知を形式知に変えていく。
この取り組みを通じて安全操業を達成したい。ベテランの方々が率先して取り組まれているのが本当に素晴らしいです。
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変化は痛みを伴います。
今まで通りを続けていれば居心地がよくて過ごしやすい。だから変化する事を皆嫌います。
伝統的な会社に所属していると大きな変化が起きにくく、日々の業務をこなしていけば給料は貰える。会社の経営状況が悪化していても他人事だと感じている。
そんな安定的な生活は終わりを迎えつつあります。
名のある会社の凋落、人員整理の発表や工場の閉鎖。ここ数年で目まぐるしい変化が既に起きています。
その事実を知ってもなお変化しないことを選択しますか?
気づいたら会社がなくなる、自分が必要とされなくなる。それは現実に起きるでしょう。
社長が声を挙げて前に進み、ベテランの方々が現場をよくしようと奮起され、皆が一丸となって変化を起こした日本製鉄。考えてやると決めて行動し、おかしかったら軌道修正する。社員全員を巻き込み行動したこそ転生を成し遂げられたのだと感じました。
とはいえ会社のために変わる必要はありません。家族のため、自分のため、これからの人生を楽しく過ごしていくために少しでも変化を起こしていきませんか?
何もしないで未来を悲観するのではなく失敗してもいいから自ら変化を起こして道を切り開いていきましょう。
頭では分かっているが行動出来ず一人で悩んでいるのであればSUNABACOのDX人材育成講座をぜひ受けてみませんか?
問題解決能力を体系的に学び、身に着けることが出来ます。
長野県で、ご家族でリンゴ農家を経営されている北沢さんのトークイベントを見ていただけると本講座の凄さを感じていただけると思います。
未来に絶望せずに前を向いて変化を起こすために行動する。そのための第一歩を踏み出してみませんか?
人生を笑顔で楽しく生きていきましょう!
以上、ご安全に!
<今週もお読みいただきまして誠にありがとうございます。参考になったと感じられたらスキやX等でシェアくれると幸いです!よろしくお願いいたします!>
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