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「ご安全に!」に込められた思い

自由人である次女は怖いもの知らずです。

いや、怖いものは怖がっています。テレビでプリキュアが敵に負けそうになったら半べそで怖い・・・と言って長女の後ろに隠れます。

鬼滅の刃を長女が見ようとすると怖いからいやだ!とキレるので長女が我慢する羽目になります。

そんな次女はソファで飛んだり跳ねたりしたり、壁倒立の練習をしたりするときは無鉄砲です。いつの日か壁やソファを壊さないかヒアヒアしております。

まだ4歳ですから気を付けてと口で言っても無理です。よくソファから落ちています。

先日私が出かけているときの出来事ですがいつも通りソファで跳ねているとミスってかなりの勢いで落下したそうです。その時に頭とほっぺを強打してほっぺに青たんが出来ました。私が後で見ても本当に痛々しい様子。

こんな痛い思いをしたのにも関わらず懲りずにソファでふざけております。つい先日も転がって落ちて背中を打って泣いておりました。

毎日ヒアヒアさせられますがそれでもくじけない次女は凄いです。

製造現場で働いていると仲間に怪我をさせてはならない、自分も怪我をしてはならない。そう考えると次女が怪我しないようにもっと注意しないとなと反省することは多いです。

怪我をしないような声がけって本当に大事です。

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私は入社したときの最初の配属先は製造現場でした。

子供はトライ&エラーで覚えていくことが多いですが製造現場ではトライ&エラーではダメです。エラーを起こさないように事前の準備からしっかりと行う必要があります。

事業所の導入教育で必ずあるのが安全に関わることです。製造現場で働く上で必要な安全に関する講座ををうけます。


ところで皆さん会議の始まりと終わりはどのように挨拶されますか?

「よろしくお願い致します」や「ありがとうございました」、あとは「お疲れさまでした」とかでしょうか?

入社したときに本当に驚きましたが製造事業所内では「ご安全に!」で始まり「ご安全に!」で終わります。

大学院卒業して入社したての若造にはかなりのカルチャーショックでした。なんだここは?新手の宗教なのか?と。

最近は現場猫が有名になっているため皆さん「ヨシ!」とか「ご安全に!」とかって聞き覚えのある方が多くなってきたでしょうが私が入社したときは新鮮でした。

でも朱に交われば赤くなるというようにそれが当たり前の環境となれば全然違和感がありません。本社に異動になっても事業所の方との打ち合わせ時には「ご安全に!」と言います。

本社の人たちが事業所の方と打ち合わせする際に使わないことの方が違和感を感じます。なかなか製造との距離が縮まらないのはこういうところやぞ。。。

でも新人の頃ならまだしも慣れてくるとそもそもなんで「ご安全に!」って言ってるのかわからなくなることあります。

会社で決められたことをやれと言われたのでやっているって状態になりがちです。

ゼロ災を達成するためにやっていたのかな?とうる覚えなのでググってみました。

「ご安全に!」の由来はドイツ語から来ております。

昭和26年、住友金属工業の製造部長が、ドイツの鉱山で『Glueckauf』(グリュックアウフ)という『ご無事で』という意味の坑夫のあいさつ言葉を知り、帰国後、従業員への安全啓発策として『ご安全に!』をあいさつ言葉にするよう提言しました。

ダイクウ株式会社HPより

どうですか?ものすごくいい言葉と感じませんか?

相手の無事を願う言葉です。相手の事を想いやる気持ちが生まれませんか?

意味を知ると心からそう思って言葉を発することができます。


事業所では挨拶運動というものがありまして出勤時に入場する門に担当となった社員が立って挨拶をします。「おはようございます!ご安全に!」と。

輪番制となっており、朝早く会社来て安全ビブスを着用して出社してきた方々に次々と挨拶をする。体育会系出身なのでもちろん大きな声は出しておりましたが相手の事を想いやるまでには至ってなかったなと感じます。

眠くてぼやっと防寒着のジップ開けっ放しにしてたら当時の事業所長がたまたま歩いてきてジップを無言で閉められたこともあります。若手時代は本当にぼやっとしたやつでしたね!

数年前に単身赴任で事業所に行った際になんと挨拶運動は職制だけでやることになっていました。昔は問答無用でやらせていたのに!と思ったもののこれが時代の流れかと少し寂しくなりました。

ゼロ災を達成するためには皆でやらんといかんばい!とかって気持ちの方が安全を維持するためにはよかったりしますよね。

厳しく徹底的に管理することが決していいわけではないですが心理的安全性の確保のために風通しの良い職場にしようとした結果、規律のない緩い職場になってしまうのはもっとダメです。

楽しく明るい職場であるのはいいことですが安全に関わることについては真剣に向き合わなければなりません。

そう考えると「ご安全に!」って言葉を使うことって大事です。

仲間の無事を願う言葉を使うことで意識を高めて仕事に取り組むことが出来ると信じております。

自分が所属していた時にこういう想いを仲間に伝えられていたらなと悔やむ気持ちはあります。生意気な若造だったからわかってても素直に伝えられなかったかもしれません。

少しは私も大人になったのですが、一緒に働いていた現場のおっちゃんたちに会っても「お前はなんも変わっとらんな」と総突っ込みを受けます。

立場変わって御本社様ですねって感じの接し方は一切されません。昔のように「もっとしっかりせんか!」と𠮟咤激励を受けている気がします。

昔の仲間に背中を押されているからこそもっと偉くなっていい会社にしたいなという気持ちが湧き上がってきます。

踊る大捜査線みたいなカッコいい関係ではないですがお互いにリスペクトを持った関係でいられることがいいですね。

なんとなんと踊る大捜査線がこの秋に映画化されるとのことなので楽しみです!

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時代が変わってくると使う言葉も文化も少しずつ変わってきます。

もしかしたら挨拶運動や「ご安全に!」の掛け声も時代遅れとなるかもしれません。

それでも製造に関わるものとして仲間に怪我をさせない、自分も怪我をしない。一日を安全に過ごすために必要な声がけは続けていきたいと思います。

これは本社にいても出来ることです。製造にはいつだってリスペクトを頂いて仕事をしたいです。

もちろん身の回りの家族を大切にしたいのでまずは子供の安全をしっかりと守りたいと思います。

それでは今日も一日ご安全に!



今回もお読みいただきまして誠にありがとうございます。気づいたら今期も終わりとなりました。変化の激しい時代に翻弄されそうになりますがしっかりと自分に向き合って目の前の仕事をやっつけて4月からよいスタートダッシュをかけたいと思います。


以上、ご安全に!






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