ゲームでの声掛けの質。
試合会場にはいろいろなチーム、いろいろな指導者がいます。指導者がどのような声を掛けているのか?なぜそのタイミングなのか?育成年代の声掛けについて気をつけたいことをまとめてみました。
子どもは小さな大人ではない!
まず、指導者が考えるべきことは目の前の選手に合わせてあげることです。何に合わせるのかというと『成長段階』になります。神経的な発達をする時期、テクニックの習得に適した時期、持久力強化に適した時期、など年齢により獲得しやすい能力に違いがあります。
『子供は小さな大人ではない』大人の感覚では当たり前なことであっても、子供にとっては当たり前ではありません。
例えば、小学校低学年の時期は味方と相手を区別することが難しい時期です。みんながボールに集まり団子状態になること、ドリブルしている味方のボールをとってドリブルを始めること、などは自然な行動です。
『団子になるな!』ではなく、トレーニングでやった内容を思い出させるような声掛けの方が伝わりやすいです。
ラジコン
サッカーはプレーヤーが状況に応じて判断しプレーし続けるスポーツ です。選手がプレーする前に指示を出してしまっては『自分で判断する』という部分のトレーニングができません。
指導者の役割は『判断基準』を与えることです。
たまにプレーごとに動きを止める選手を見かけます。これでは、この先自分でサッカーをすることが難しくなってしまいます。
『外に蹴り出せ!』ではなく、トレーニングでしっかり判断基準を伝えた上で『何を優先する(場所)?』などの声掛けの方が適切だと思います。
ミスは褒めるべき?
育成の段階では、ミスすることは当たり前です。プロであればミスは許されないかもしれませんが育成段階ではミスすることも重要です。ミスを咎めてしまうとチャレンジしにくい環境ができてしまいます。
育成年代の選手は今出来ることより、これから出来るようになることの方が圧倒的に多い。
テクニックはゲームの中で磨かれ獲得されていきます。
例えば、自陣ゴール前でボールを持ち奪われてシュートを打たれてしまったシーン。その選手はボールを失わないようになんとかしようとしていた。
『何やってるんだ!』と言う前に、その状況とプレーを分析し、『ナイスチャレンジ!でも、パスでもいいかもよ?』
というように、チャレンジ、努力したことは褒めてあげて、一つの解決策を与えてあげた方が、その選手はミスをポジティブに捉えてくれると思います。
指導者のキャラクター
試合で飛び交う声には、優しそうな声、厳しそうな声、声質にも違いがあります。目の前にいる選手の年代による違いもありますが、指導者にも性格、個性があります。
声、表現内容については指導者のキャラクター。
指導者と選手たちは、普段のトレーニングでいろいろなコミュニケーションをとっています。選手たちは試合会場にいる誰よりも指導者のことをよく知っています。その場面だけ見て批判してしまうのはナンセンスだと思います。
ただ、選手がサッカーをやめる場面に立ち会う機会が多い指導者は、自身に問題があるとしか言いようがありません。
まとめ
声掛けの質は『選手の成長段階にあっていること』『選手自身が自由に判断しプレー出来ていること』『選手のチャレンジする気持ちをサポートできていること』が大切です。また、『指導者がサッカーの構造、仕組み、を理解し、プレーの判断基準にあった内容』であることが重要です。
逆にこれらを無視して、プレーの結果だけを指摘する厳しい声だけが飛び交う試合は見られたものではありません。
指導者は指導者を計ることが出来ます。
育成年代の指導者は、次の年代の指導者にしっかりとバトンを渡さなければなりません。そのため、同じ方向を観ています。観ている方向が違う場合はすぐに分かってしまいます。
選手たちがサッカーの構造、仕組みを理解し、自由に楽しくプレーできるような声かけを目指しましょう!
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