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サッカー少年と親とバランス。

サッカー少年が人として選手として成長するためには『良いチーム』『良い指導者』が必要不可欠です。『良いチーム』には『良い環境』『良き仲間』も含まれ、この2つは学校やプライベートでも重要です。

しかし、これらの影響力はさほど大きくはありません。

当たり前の話ですが、子供にとって最も影響があるのは『親の関わり方』です。

私も色々な『親子』を見てきました。子供を見て親を見ると納得する部分も多くありました。子供がサッカー選手として、また人として成長するためには『親の関わり方』が大きな影響力を有していることは間違いありません。

HSCでは、親子で室内トレーニングに参加してもらいます。ゲーム中の親からの声援ではなく指示?に対してはどのチームも対応が難しい部分かと思います。子供がチャレンジしていることの難しさを知ること、体力的にきついタイミングでのプレーを知ること、指導者がどういうところを見ているのかを知ること、などを体験してもらうことで子供達に適切なサポートをいて頂けるよう環境を作っています。

さて、ここでは『親の関わり方』をカテゴライズしていきたいと思います。子供が成長する上でとても重要なことなのでオブラートに包まずストレートに書いていきます。極端な例をあげているので気分を害する方もいるかも知れません。先にお詫び致します。

熱狂的なサポーター我が子溺愛タイプ

子供が可愛くてしょうがない、という感じでしょうか。うちの子に限って、、、という一昔前のドラマに出てくるような設定の親子。家では素直で言うことを聞く、親から見たら優等生なんでしょう。チームや学校ではいじめを繰り返し、ゲーム中プレーがうまくいかないと足をかけたり、後ろから押したり、とラフプレーに逃げてしまう。見ていてとても残念なタイプです。チームで何とか気付かせようとしても直ぐに親が出てきてしまう。恐らく12才くらいに迎える反抗期で親子関係に変化がないと外部からは手が出せないんじゃないかと思います。

子供の傾向として、自立できない、努力することに集中できない、リスペクトに欠ける。

熱狂的なサポーター我が子1番タイプ

兎に角、自分の子供以外興味がないのかな?というタイプ。サッカーはチームプレーですから、自分の子供だけでプレーしているわけではありません。ここがあまりわかっていないタイプです。自分の子供の出場機会が減るとクレームを入れたり他の子を悪く言ったりと目に余る行為も見受けられます。ジュニア世代は8人制で出場機会は平等にします。これは必ずしも同じ時間と言うわけではありません。

例えば、練習の成果を発揮できそうなタイミングの子を優先したり、またアップで遊んでいれば、ゲームで怪我をするリスクがあるので出せなくなります。その時々で出場の条件は変わりますが、アップの件はスタメンで出れないことでアップが怪我予防のために必要だと知ってもらったりする機会にもなります。(ゲーム中アップを完了すれば当然ゲームに参加できます。)

このタイプの親はゲーム中の指示が多いです。子供の傾向としては、自己中心的なプレーが目立ち、『自分とボール』という関係性から抜け出せなくなります。相手、味方、チーム、を理解できていないので指示待ちになりがちです。

完全プロ契約タイプ

子供がサッカーを始めるということはある種、親とのプロ契約を結ぶことになります。それは、用品の購入、チーム会費、送迎、などは親がサポートすることになるからです。

サッカーは子供自身がやりたいんだから自分で努力すべき。うちの子は才能がないから〜。という感じで大人と同じように子供を評価してしまっているタイプは注意が必要です。

子供ですから、そもそも努力する内容、やり方、集中力、などなど当然足りないものがあります。それは大人がサポートしてあげなければなりません。

次の世代に進む時、子供がサッカーを続けたい!と言っても親から「あなたは才能がないからやめなさい」とサッカーを諦めさせられた話を何度か聞いてきました。まさに契約解除の瞬間です。

サッカーは才能がない子がやってはいけないスポーツではありません。子供自身にやりたい気持ちがあり、環境があるのであれば、応援してあげて欲しいと思います。

子供の傾向としては、どうせやっても無駄という感じでスイッチが入りづらく、出来ることはやるけど出来ないことはやらない、というジャッジを取り組む前からしてしまいます。チャレンジする気持ちが希薄です。
才能についての補足ですが『秀才』は作れます。天才は初めから体の使い方が完璧です。しかし、出来ない子にそれを教えること、身につけさせることは可能です。HSCでは、足の裏の使い方など細かく重要な動作を身につけさせるプログラムを組んでいます。食育などのサポートを行い努力しますが、残念ながら手足の長さなど骨格的な特徴は変えることが出来ないので『真の天才』までは作ることが出来ません。

放置タイプ

子供に無関心というわけではないと思うんですが、このタイプは寂しそうな子供が多い気がします。

言い方は悪いですが、親が構いたい時は構うけど、そうじゃない時は放置という感じと、仕事が忙しくて見てあげたいけどなかなか時間が取れない、というタイプに分かれると思います。とてつもなく自立している子もいれば、全く何も出来ない子もいます。何れにせよ、このタイプの子供たちは『環境』次第でどうにでもなります。

『良い環境のチーム』に子供を預けることができれば劇的に変わると思います。過去に始めは何もやろうとしなかった子が苦しい場面で誰よりも走れる選手になっていくのを見てきました。

放置することはあまり良いことではありませんが、上の三つに比べて明らかに子供は『自立』しています。全く何も出来ない子も見る見るうちに『自立』していきます。もともとこういう子は出来るんだと思いますが、評価してもらえないのでやらないだけだと思います。

子供の傾向としては、自立していて評価を待っているタイプが多いと思います。

まとめ

上にあげたどのタイプが悪いということではなく、重要なのはバランスだと思います。『過ぎたるは猶及ばざるが如し』このことわざが示す通り程良くというのが大切だと思います。また、サッカーだけでなくいろいろなことにチャレンジさせてあげると気晴らしになっていいと思います。

対象が大人対大人であればいつも同じ接し方で問題ありませんが、子供に対して常に一つのタイプとして接し続けてしまうと心も偏ると思います。子供は成長過程の大人です。『小さな大人』ではないのです。

子供は昨日と今日で違う人になっているかも知れません。その成長のタイミングで適切に対応してあげることで素晴らしいサッカー選手(人)に成長できると思います。

サッカーをやりたい!と思う子供のための環境づくり指導者研修費として使わせて頂きます。ぜひサポートをお願いします。