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憧れの先輩がいなくなったら。どうしよう。

先輩が辞めるかもしれない。

会社の尊敬する先輩。
私の入社のきっかけになった先輩。
その先輩が辞めるかもしれない。

1.これ!と思ったものをやる

先輩との出会いは、私が入社する前、就活生だったとき。
就活生向けの座談会かなにかでお話させていただいたのが始めだった。
業界や会社の未来を生き生きとお話される姿に、格好いいなと思った。
自分もこんな風になりたい、そう思った。

それから数ヶ月。
私は今の会社の内定を辞退しようとしていた。
両親から猛反対されていたことが理由だった。
自分のなかではもうこれだ!と気持ちは固まっていたけれど、あまりに頑なに反対する両親を目の前に、怖気づきそうになっていた。
今まで積み上げてきたものとは全く違うフィールド。
見通しは、まったくの未知数だった。
両親も心配で仕方なかったんだろう。

そんなとき、先輩からメールが届いた。
応援してます!と書いてあった。
自分がこれ!と決めたものをやる人生にしてほしい。
自分の中にある正義や正解を試していく人生にしてほしい。
そう書いてあった。

これだと思った。
私が両親から反対されても進みたいと思った理由は、これだと思った。
私は、自分の感性を信じて行動を起こしたかったんだ。
納得できないまま、「両親に反対されたから」と引き下がりたくない。
そんなことしたら、壁にぶつかったとき、私はきっと両親のせいにする。
両親を恨むことで自分を正当化しようとする。
ちゃんと環境を整えないと、気合だけで責任を背負えるほどに私は強くない。
現に今までがそうだったんだから。
両親が嫌で仕方なかったんだから。

猛反対された。
それでもやると決めた。
父の涙を初めて見た。
母の泣きわめく姿を初めて見た。
それまで私は自分が両親から愛されてないと思っていた。
2人の涙を見て、それは違ったと分かった。
ここまで反対してくれてる。
途中で面倒臭くなって、「好きにすれば」と切り捨てることはなかった。
冷静ではいられなくなっても、泣き顔を見せても、それでも反対し続けた。
意見が違うだけだ。
私は両親から愛されていると知った。
必ず成功して、素晴らしい世界を両親に見せよう。
2人のおかげだ、と。
ありがとう、と。
伝えよう。
そう心に誓った。

2.先輩の背中

そうやって始まった社会人生活。
私は心底楽しかった。
なにがあっても、前向きに、自分には何ができるか考え行動した。
自分で決めた道だという自負や両親から愛されているんだという気持ちは、私を無限に強くした。
そのきっかけを作ってくださった先輩には、心の底から感謝していた。

その先輩が辞めるかもしれない。
ショックだった。
その先輩との数ヶ月に1度の定期面談もなくなってしまう。
私はどうしたらいいんだろう。
成長の喜びを、誰に伝えれば良いんだろう。
困惑した。

だけど、そんなときふと思った。
私は想像以上に、先輩を頼りにしすぎていたのかもしれない。
心のどこかでいつも先輩の背中を追っていた。
どうやったら先輩みたいになれるか考えていた。
先輩がいなくなることは考えていなかった。

3.いつだって今日が最後の日

いつかのどこかの誰かが言ってた。
いつだってこれが最後だという気持ちを持って全力で相手に接しなさい、と。

前回の面談のとき、私はこれが最後だという気持ちでいたのだろうか。
そんなことなかった。
次があるって思ってた。
次回こそは成果を出して報告したいなんて考えていた。
甘えていたな。

先輩のことだ。
きっと納得のうえで、これ!と思う道を進んでるんだろう。
そもそも一つの会社を一生勤め上げることだけが人生ではない。
先輩のビジョン実現のためにこれからも行動し続けるんだろう。

私だって、ずっとここにいるわけではない。
2年後には独立する。
私のビジョン実現のために。

強くなろう。
憧れを超えて。

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