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心理士×フリーランス=??

タイトルを見てどういうこと?と思われた方もいらっしゃるでしょうか。「フリーランス」と書くとちょっとイマドキな感じがしますが、心理士で「個人開業」をしている人は珍しくないので、これからはフリーランスな働き方をもっと前向きに利用しても良いのでは?なんて思ってこのコラムをかいています。

大学院後のルート

心理士≒非正規雇用

心理系大学を卒業した後心理系大学院に入学し修了しましたが、臨床心理士を取得した辺りはほぼ臨床歴無し(アルバイト、ボランティア、実習、イニシャルケースの経験程度)でした。学部生の頃から「半端な気持ちなら臨床心理士になるな」と教授からさんざん言われていたのですが、今思えばそれは、収入面のこともあってだと解釈しています。経験が無いうちは心理士だろうが心理師だろうが、自分の思い描く仕事は無いと思っていたほうが良いかもしれません。とまあ、内情はここまでにしておきましょう・・・(長くなるので別の機会にでも)実際、比較的実入りの良いスクールカウンセラーは非正規雇用しかありませんし、クリニックの受付業務も兼ねた見習いカウンセラー程度となると、正直、深夜の居酒屋バイトの方が稼げたりします。お金だけが全てではありません。もちろん。

臨床歴2桁を超えて

資格を取り10年を超えたあたりから、ようやく今後のキャリアについて見つめなおす余裕がでてきました。主な領域は教育-福祉分野で非正規雇用も正規雇用もどちらも経験しましたが、ほんの少しだけ自信がついてきたことで、自分の専門性だけではなく働き方そのものについても考えるようになりました。

どちらの道を選ぶかは自分次第

ワクワクしない・・・?

非正規雇用の頃は2,3か所職場を掛け持ちすることが多く、充実しつつもあわただしい毎日でした。正規雇用になり、ようやく「安定」を得たとホッとしたのもつかの間。毎日同じ時間に同じ現場で同じ人と働く、というスタイルに2年目くらいからもやもやとしたものを感じるように。良い方々に恵まれ、腰を落ち着けて仕事に努めることができたのですが、どうにも「これじゃない」感が自分の中にありました。

「じゃない」理由

もやもやに思い当たる理由は3つありました。

  1. 変化に乏しい

  2. 心理職以外の職務が増えた

  3. 働くモチベーション

1つ目は「変化に乏しい」ということ。物理的に限られた空間で顧客を待っている立場だったので、体感的に受け身になりやすかったのだと思います。決して「仕事内容が楽」だということではありません。職務には誠心誠意取り組んでいましたが、外回りがあった時と比べれば圧倒的に囲われている感じがありました。2つ目は、「心理職以外の職務が増えた」こと。人材育成等、管理職の一端を担う環境にいることもあったかもしれませんね。社会人経験として非常に貴重な機会でしたが、経験してみて初めて「心理の仕事をしたいんだ」という気持ちが高まった気がします。3つ目は「働くモチベーション」が違うことでした。所属していた部署には心理が自分しかいなかったうえにパートタイマーも多く、仕事の先に見えている景色が違うんだな、と熱量の差を感じることも多かったのです。

自分的働き方改革

何か目の前に分かれ道があったら、基本的には「のるかそるか」この2択だと思います。もっと具体的に書くのであれば、「自分が合わせるか環境を変えるか」。もれなく私もこの2つの軸で、「何をどうしていきたいのか」を考えていました。最近ならではの、短時間正社員という制度もあったのですが、そもそも1か所で仕事をする旨みが薄れていた私は、「心理の仕事をしながらもワクワクする体験は忘れないようにしたい!」という本能に突き動かされたのです。

ブレインダンプ

ワクワク大好きな私は、さっそくアウトプットが苦手な自分の頭の中を整理整頓するところから始めました。ちょうど年末年始にかけての期間だったので、すべてこの作業に当てました(ついでに家の断捨離も決行しました)。

Amazon.co.jp : ブレインダンプ

個人的には、マインドマップよりももっと原始的で、4つのテーマに沿ってとにかくことばを吐き出す、という工程がやりやすく、難しいことを考えずに取り組めた気がします。ポストイットを使うことを推奨されていますが、個人的に愛用しているGoodNotesでひたすら書きまくっていった感じですね。

今までもこれからも、わくわくしていきたい・・・!

フリーランスへの道

私が目指していきたいと行きついたフリーランス心理士という形態は第3の選択肢だと考えています。あくまで個人的でざっくりとした見解ですが、第1の選択肢=雇われ心理士(被雇用者という意味)、第2の選択肢=個人開業、そして第3の選択肢=複行・兼業(フリーランス)が入ってくるイメージですね。個人開業とフリーランスのすみわけは、こちらの内容で理解しています。

フリーランスの定義は、特定の企業など組織や団体に属すことなく、在宅など個人で仕事を請け負う「働き方」を指します。依頼内容ごとに求められるスキルや技術、サービスを提供するその対価として、報酬を得る契約形態です。自らのスキルや技術を活用して仕事をすれば、職種に関わらず誰でもフリーランスと名乗れます。
また、個人事業主をフリーランスと同じ意味合いで捉えている人も多いですが、イコールではありません。フリーランスとはあくまでも前述の定義に合わせた働き方をする人を指します。
一方で、個人事業主は株式会社などの法人を設立せず、税務署に開業届を提出し「税務上の区分」として個人で事業を営む人のことです。両者の違いは「開業届」を税務署に提出しているかどうかという点です。

マネーフォワード クラウド開業届

今までとの違い

非正規雇用で掛け持ちをするのが珍しくはない業種なので、以前のような生活に戻るだけでは?となると思いますが、あえてフリーランスと書き換えたのは、心理職以外の職種と複業・兼業することに重きを置いたためです。領域によっては正規雇用になりにくい立場を逆手に取り、「どうせやるならワクワク全部詰め込んで仕事にしちゃおう!」という感じです。今回は詳細は載せませんが、自分の中で確立したものができたら、いずれご紹介したいな、なんて思っています。

ひとつの道として・・・

臨床心理士や公認心理師試験に合格された方々が、新しい門出を迎えようとする時期です。そして、Gルートで受験する方々は最後の大変な年になると思います。そうではなくても、学生から社会人までこの業界に色んな思いを抱えている方がいらっしゃいます。同じ業界の端くれで慎ましく(?)なんとかやってきている心理士のひとつの道として、どこかの誰かにひっかかってくれたらいいな、なんて思いつつ、今回はここまでにしたいと思います。


ひっそり生息している心理職の励みになります。ありがとうございます。