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画面越しに語りかける場所。「ききがきオンライン」はじめます。

2020年4月7日。政府から緊急事態宣言が発令されました。休校措置が発表されたのが2月末。それから約1か月が経っています。

この間、自分たちには何ができるのか、頭の片隅で考えてはいましたが、なかなか行動に移すことができす・・・


しかし、周りからの声掛けもあり、ようやく重い腰を上げて動き出そうと思います。


新型コロナウイルスに負けない。
「聞き書き甲子園」に参加した仲間たちが自宅で過ごす時間に、ちょっとプラスなことが出来れば・・・。

聞き書き甲子園
全国から選ばれた80人の高校生が、農山漁村の「名人」(マタギや伝統工芸士、海女など)を一対一で「聞き書き」する取り組み。2002年から始まり、卒業生たちが立ち上げた「NPO法人共存の森ネットワーク」が事務局を務めている。
筆者は2009年に聞き書き甲子園に参加、以降同NPOで活動しています。


そんな思いで、「聞き書き甲子園」の卒業生たちと話し合い、卒業生の有志企画としてオンラインで様々なことをやっていこうと思います。


その名も・・・

ききがきオンライン

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そのままの名前ですね。笑


具体的には、ZOOM、Podcast、WEBの3つのメディアを使って企画を行なっていこうと思っています。

今回の記事では、その立ち上げの背景や思いを書きます。



0)共通テーマは「語りかける」


見ず知らずの私たちに「名人」は優しく、丁寧に語りかけてくれました。私に向けて話している、必死に何か伝えようとしているんだ・・・そんな姿勢が、「聞き書き甲子園」に参加した後の僕らの考え方や生き方、もしかしたら人生すらにも影響を与えているのかもしれません。

一方、未知の感染症が広がる現在、これまで当たり前だった対面でのコミュニケーションが制限されています。テレワークやオンライン授業をはじめとする、オンラインでのコミュニケーションが一気に求められています。

名人が生きてきた時代を、僕らは知りません。オンラインコミュニケーションが求められる未来の姿、それは誰にもわかりません。でも、「聞き書き」をしてきた僕らが少しだけ気づいたことがあります。それは、誰かが「自分」に向けて「語りかける」その姿に、ひとは胸を打たれるということ。

「語りかける」ことで、自分自身も誰かのことも、少し元気に出来たら。。。そんな思いで、新型コロナウイルスの感染が終息するまで、オンラインでのチャレンジを進めていきたいと思います。



1)ZOOM


オンラインで「聞き書き」が出来ないかを実験します。

まずは、聞き書き甲子園卒業生同士で話し手と聞き手に分かれて、ZOOMで生配信しながら公開「聞き書き」を行ないます。

4月7日に行なった、第1回公開「聞き書き」。2019年度の聞き書き甲子園学生スタッフリーダーの近能君に1時間たっぷりとインタビュー。次回は、公開編集会議、2回目の取材、編集会議2回目、聞き書き作品の朗読会、と続けていきます。



▼オンラインだからこそ「聞き書き」の面白さも裾野も広がる?

Youtubeスクショ_近能1

PCモニター越しに聞き手と話し手が対面して取材。取材や編集作業の様子も生配信。現地に行く交通費もかからないので、繰り返し何度も取材を行うことも可能かもしれません。

また、「聞き書き」では、話し手の言葉を一言一句書き起こす必要があります。録音を繰り返し聞く中で、不思議と話し手への愛着が生まれてくるような感覚はありますが、一方で、どうしても手間がかかってしまう。ゆえに、「聞き書き」をやるには(心理的な)ハードルがあると個人的には感じています。

しかし、オンラインでの「聞き書き」が可能になれば、例えば「取材の時だけなら参加出来る」というライトな参加の仕方もつくりだせると思っています。




2)Podcast


Podcast配信サービス stand.fmを使ってラジオ番組を始めます。

ZOOMでの公開「聞き書き」の裏話や、「聞き書き」作品の朗読といった「聞き書き」に特化したコンテンツはもちろん、「聞き書き甲子園」の卒業生をゲストに招いたトーク(ゲストの得意分野や仕事等に沿ったテーマを設定してカジュアルに話をするイメージ)などを放送出来ればと思っています。



▼限られた情報量の中で「想像」を楽しむコンテンツがつくれるのでは?


僕らのやっている「聞き書き」は、話し手のしゃべった内容を文字に起こし、文章として表現しています。取材した場所の雰囲気、話し手の感情など、言葉にならない様々な情報を聞き手である私たちは感じ、それらをうまく言葉に出来ない葛藤と闘いながら(笑)一編の文章を書きあげています。

そう、書き手には「少しでも読者にわかりやすくするにはどうしたらいいか」という伝える工夫があり、読み手には「名人が暮らす村はこんな場所なのかな」と情景を想像できる余白があります。この工夫と余白が「聞き書き」の面白さの一つであると思っています。

今回新たに挑戦するPodcast(ラジオ番組)は、リスナーへ伝えられる情報は「音声」のみです。わかりやすく伝えようともがき、イメージしようと想像する、この関係性は「聞き書き」と親和性がある気がしています。

検索で全てが判明し、自ら求めなくても情報がシャワーのように降り注いでくる(時にその情報量の多さに溺れることも…)そんなSNS時代において、あえて少ない情報量の世界に飛び込む。頭を使って自分の好きなように楽しめる、そんなコンテンツがPodcastで作れたらと思っています。



3)WEB

「聞き書き甲子園」の卒業生同士がつながる場所を作りたいと思っています。

とりあえず、こんなWEBサイトを作ってみました。



▼サポートしたい人、されたい人のマッチングにより、新しい動きをつくりたい。


「聞き書き甲子園」には、様々なバックグラウンドを抱えた人が参加しています。卒業後に経験すること、就く仕事も多様です。その多様性を生かして、「こんなことができます、得意です、経験があります」という人と、「こんなことやってみたい、知りたい、協力してほしい」という人を繋げられないかと、個人的にずっと考えていました。

今回のコロナの状況の中で、私たちは家にいることを求められています。今まで当たり前のようにあった他人との接触を絶たれ、不安に感じたり、寂しくなったり、様々なネガティブな思いを抱える人がいるかもしれません。

そんな時だからこそ、これまで繋がることのなかった「誰か」とつながることに価値が見いだせるのではないか、そんな思いで今回やろうと思いました。

人とつながり、対話し、そこから新しい何かが生まれれば・・・。そのきっかけが作れたらうれしく思います。



最後までご覧くださりありがとうございました。

興味を持っていただけましたら、ぜひ各メディアをご覧いただけますと幸いです!


2020年4月8日
峯川大(聞き書き甲子園9期生)



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